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「小暮荘物語」三浦しをん
三浦 しをん
祥伝社
(2010-10-29)

JUGEMテーマ:読書


小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年。空き室あります!安譜請ですが、人肌のぬくもりと、心地よいつながりがあるアパートです。うまい、深い、面白い。三拍子揃った会心作。

ずいぶんと平凡なタイトルだなって思ったけど、しをんさんはやっぱり面白いのです。7話からなる連作短編集ですが、2話めの年をとった大家が「セックスがしたい」と悶々と悩む姿を読んでから、今回はそれがキーワードなのかと思いましたが、全然いやな感じはなかったです。

古びた小暮荘には6つの部屋がありますが、住人は4人。学生時代からずっと住んでいる女性、3人の男性と付き合う女子大生、陰気な社会人、そして大家の老人と庭に犬が一匹。4人が主人公の話と周りの人たちの物語。

各短編、それぞれ全く違った話だし、そしてちょこっとつながってるそれぞれの章の人たち。全く知らない人どうしだったのに、少しずつ話をしたりして仲良くなっていく様子がよかったな。

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| 本:ま行(三浦しをん) | 22:09 | comments(6) | trackbacks(6) |
「ツナグ」辻村深月
辻村 深月
新潮社
(2010-10)

JUGEMテーマ:読書


突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。でも―喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。―4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。

死者と生者を引き合わせる、そんな役目をしているのが使者(ツナグ)生きているうちに死者に会えるのは1度だけ、そして死んだ側もそれは同じこと。ツナグは都市伝説のように人から人へと話が伝わっている。ツナグの噂を信じて、一生懸命情報を集めたところでやっとツナグに会えるのです。

「死んだ人に一度だけ会える」そんな風に言われたら誰に会おう…って思ったんだけど、今のところ会いたい人はいない。思いつかないけど、いつかは「会いたい」って思う人がでてくるんだろうなぁ。

死者に会えたからって全ての人が幸せになれるわけじゃないのが、よかったかな。これが全部ハッピーエンドだったら、ちょっとね。

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| 本:た行(辻村深月) | 21:37 | comments(6) | trackbacks(4) |
「チア男子!!」朝井リョウ
JUGEMテーマ:読書


柔道の道場主の長男・晴希は大学1年生。姉や幼馴染の一馬と共に、幼い頃から柔道に打ち込んできた。しかし、無敗の姉と比べて自分の限界を察していた晴希は、怪我をきっかけに柔道部を退部。同じころ、一馬もまた柔道をやめる。一馬はある理由から、大学チアリーディング界初の男子のみのチーム結成を決意したのだ。それぞれに事情を抱える超個性的なメンバーが集まり、チームは学園祭での初舞台、さらには全国選手権を目指すが…。

デビュー作「桐島、部活やめるってよ」は読みたいなって思ったんだけど、ものすごい頻度で新聞の下に広告が載っていて、気がついたらあっという間に「人気の本」になっていたので、読むのをやめちゃったんです。でも、「チア男子!!」がすごく面白かったから「桐島…」も予約してみようかなぁ。

チアリーダーとは「観客も選手も関係なく、すべての人を応援し、励まし、笑顔にする人のこと。そして、そのために自らの努力を惜しまない人のこと」だそうです。そういえば先週会った友達の娘が高校でチア部に入っていて…なんて話を聞いたなぁ。この本読んでからだったら、もっと興味を持って色々聞けたのに。残念だ。あとがきを読んでビックリ。早稲田に男子チア部があるんですね。
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| 本:あ行(その他の作家) | 22:08 | comments(2) | trackbacks(2) |
「ラプソディ・イン・ラブ」小路幸也
JUGEMテーマ:読書


ろくでなしでも、世間は名優と呼んでくれる。役者とはそういう職業だ。山と海に囲まれた、とある町の古い日本家屋。かつてそこは、日本の映画界を支えてきた笠松市朗が、愛する家族と過ごした家だった。笠松の息子、俳優・園田準一、笠松の前妻であり女優だった園田睦子、そして人気俳優で、笠松の二番目の妻との間に生まれた岡本裕。岡本の恋人である、人気女優の二品真里。バラバラになっていた彼ら五人が笠松の家に集まった。彼らの葛藤と思いが交錯するドラマの幕がいま開く。みな役者という彼らが、ひとつ屋根の下展開していくドラマ。「ラプソディ・イン・ラブ」――監督、紺田がつけたタイトルだ。彼らの言葉は、台詞か、真実か……。

登場人物は5人のみ。まるで映画を観ているような気持ちにもなれるし、監督になった気分にもなれるし、5人の視点にもなれるし、面白かったです。
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| 本:さ行(小路幸也) | 22:13 | comments(4) | trackbacks(2) |
「シティー・マラソンズ」
三浦 しをん,近藤 史恵,あさの あつこ
文藝春秋
(2010-10)

JUGEMテーマ:読書


街を走ることは街を知ること。新しい自分と出会うこと人気作家3人によるNY、東京、パリのシティマラソン・アンソロジー。爆笑あり、切なさあり、爽快感ありの豪華ヴァラエティ・ボックス。

すごく薄い本。アシックスがwebサイト及びモバイルサイトで実施した期間限定キャンペーンのために三浦しをんさん、あさのあつこさん、近藤史恵さんが書き下ろしたものだそうです。なるほど。だから「靴」が印象に残る物語だったんだね。

三浦さんの話が一番好きでした。東京マラソンの一般出場に当選するのって宝くじに当たるくらいの幸運だって聞いた事がありますが、NYやパリでは真剣な人もいれば、お祭り騒ぎの人もいるみたいで、楽しそうでした。が、私は走れないだろうなぁ。
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| 本:その他(アンソロジー) | 23:23 | comments(2) | trackbacks(1) |
「探偵ザンティピーの休暇」小路幸也
JUGEMテーマ:読書


マンハッタンに住むザンティピーは数カ国語を操る名探偵。彼のもとに、日本人と結婚した妹・サンディから「会いに来て欲しい」と電話があった。嫁ぎ先の北海道の旅館で若女将になった妹の言葉を不審に思いながら、日本に向かった彼が目にしたのは、10年ぶりに目にする妹の姿と人骨だった―

新刊なのに文庫。

国際結婚して北海道の温泉旅館に嫁いだ妹・サンディに頼まれて日本にやってきたNYの私立探偵ザンティピー。その温泉がある町には御浜という聖地があり、そこに入ると御口様のたたりがある。その御浜を囲む真ん中にあるオンジョ岩に登るなと言われているらしい。犬の散歩をしていたサンディは偶然その御浜で人骨を見つけてしまったらしい。妹のかわりに骨がそこにあった理由を調べ始めたザンティピー。

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| 本:さ行(小路幸也) | 21:13 | comments(3) | trackbacks(2) |
「優しいおとな」桐野夏生
桐野 夏生
中央公論新社
(2010-09)

JUGEMテーマ:読書


近未来の渋谷。持てる者と持たざる者の差が増大し、ホームレスが溢れる街に、救いはあるのか――。
荒廃した街でしたたかに生き抜く孤独な少年・イオン。
あらゆる他人を信用せず、全てのおとなを敵視する彼だったが、地下に住む若者たちの集団「夜光部隊」との遭遇をきっかけに「アンダーグラウンド」に足を踏み入れ、そして……

読売新聞だっけ?連載されていた時には知っていたんだけど、絵だけ楽しんで読むのは本になってからって思ってました。

物語は近未来の渋谷。主人公は親の顔も知らない15歳の少年イオン。10歳の時に児童を保護する施設から逃げ出して以来、たった一人で路上生活を送っている。イオンは他のストリートチルドレンのように孤独を感じることはない。悩みもなければ、苦しいと感じることもない。
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| 本:か行(その他の作家) | 21:45 | comments(2) | trackbacks(1) |
「チーズと塩と豆と」
井上 荒野,江國 香織,角田 光代,森 絵都
ホーム社
(2010-10-05)

JUGEMテーマ:読書


10月放送の、NHK・BSハイビジョン紀行番組「プレミアム8」に登場する4人の女性作家が、それぞれヨーロッパのスローフードやソウルフードを求めて旅をし、その土地を舞台に書かれる短編小説アンソロジー。その小説は、ドラマ化され、番組に挿入される。井上荒野はピエモンテ州(イタリア)、江國香織はアレンテージョ地方(ポルトガル)、角田光代はバスク地方(スペイン)、森絵都はブルターニュ地方(フランス)。

私の好きな作家さん4人のアンソロジーが出ると知って、急いで図書館で予約したのでした。朝、テレビ番組表を見ていたら森絵都さんの名前が。それで、テレビ番組として企画された本だったんだと知りました。井上さんの回を見逃してしまったのがすごく心残り。

ドラマと小説、私はやっぱり小説の方が好きだな。ただ、ターブル・ドットがどんなところなのか、ブエノワールとは何か?マヌエルとルイシュが泊まってる場所がどんな場所なのか、2人が分けあって食べたデザート(天使のホッペ)の甘そうな感じ。バスク地方のクラブとはどんな場所なのか。そういうことが映像としてきっちりと頭に入ってくるのはいいなって思いました。

テレビで印象深かったのは角田さんが「つねにちゃんと食べているか、お腹が満たされているかを気にするのが家族の定義だと思う」と言ったのと、江国さんが小説を作るときに登場人物の細かい設定まできめるという話をしている時に「神は細部に宿りますからね」と言ったところでした。






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| 本:その他(アンソロジー) | 19:15 | comments(4) | trackbacks(1) |
「セカンド・ラブ」乾くるみ
JUGEMテーマ:読書


1983年元旦、僕は春香と出会う。僕たちは幸せだった。春香とそっくりな女・美奈子が現れるまでは。良家の令嬢・春香と、パブで働く経験豊富な美奈子。うりふたつだが性格や生い立ちが違う二人。美奈子の正体は春香じゃないのか?そして、ほんとに僕が好きなのはどっちなんだろう。

「『イニシエーション・ラブ』の衝撃、ふたたび」って書いてあるんですよ。えぇ、あんな感じに驚くのか?!と興味津々読み始めました。

プロローグは結婚式。1月に出会った春香。男性二人、女性二人で出かけたスキー。それから約一年ごの12月30日。花嫁となった春香。綺麗な令嬢の春香だが、今日は化粧が濃くスナックで働いていた美奈子にも見える…

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| 本:あ行(その他の作家) | 20:48 | comments(0) | trackbacks(2) |
「アルバトロスは羽ばたかない」七河迦南
JUGEMテーマ:読書


冬、七海西高校の屋上で、少女は“運命”に追いつかれた。そこで起きた悲劇は、誰もが言うように事故だったのか? 鮎川哲也賞受賞作『七つの海を照らす星』に続く連作長編。

読みながら、一瞬「これは前作があるのかしら?」って思ったんだけど、やっぱりそうだったのね。順番逆になっちゃったけど読まなきゃ。

児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか?だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。
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| 本:な行(その他の作家) | 22:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
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