ブロードアレイ・ミュージアム
小路 幸也
1920年代のニューヨーク。裏通りのブロードアレイ・ミュージアムに赴任した青年エディを迎えたのは、ワケありな収蔵品と奇妙なキュレーターたち。美女メイベル、巨漢ブッチ、寡黙なモースに伊達男バーンスタイン。そして物に触れるだけで、未来の悲劇を読み取ってしまう少女フェイ。その悲劇を阻止すべくメンバーが動き出す……。
20年代のアメリカ・NYが舞台の物語。日本人が一人も登場しないんだけど、なんとなく「東京バンドワゴン」の空気があります。みんながそれぞれ自分が出きる事を精一杯やって事件を解決するの。
新人キュレーターのエドワード・ウィルミントンが派遣されたのは、賑やかなブロードウェイから1本筋を外れた小路にある「ブロードアレイ・ミュージアム」珍しい収蔵品はあるが、入場者は原則予約客と注文客だけという不思議なミュージアム。5階建ての各階に先輩キュレーターのメイベル、ブッチ、バーンスタイン、モースがいて、それぞれ何か過去にありそう。5階担当となったエディにも人に言えない事情がある。そして屋上に住み、エレベーターガールを務める少女・フェイ。謎のオーナー、E・G。
物に触れただけで映画を観る様にそのものに関わる未来の悲劇を観てしまうフェイの「触りたい病」彼女の口からその悲劇を聞いてしまうと、どんなに努力しても事件を防ぐことは出来ない上に、さらにひどい悲劇を生んでしまうので、BAMの面々はフェイの観た事件を推理して未然に事件を防ごうと飛び回ります。
それぞれの過去、なにか訳ありのフェイ、そしてエディーの事情などが連作形式で語られます。人の名前がカタカナだし、さらに<フェローシャス>フッカーだの<エキスパンド>リリィ、<ワジャバック>ダンだのややこしい。でも、そんなのは気にならなくなります。フェイの正体、エディが隠していることが気になって「リンドバーグの帽子」まで一気読みでした。
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