カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
道尾 秀介
“詐欺”を生業としている、したたかな中年2人組。ある日突然、彼らの生活に1人の少女が舞い込んだ。戸惑う2人。やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは!?雑誌「メフィスト」連載。
道尾さんだから騙されるのはわかってるんです。だから最近はどこでどう来るのかな?って言うのが結構楽しみ。今回は最後の最後にどど〜んと。
タケさん事武沢はイルカのような顔をしたテツさんと組んでから詐欺に失敗したことがあまりない。タケさんは普通のサラリーマンだった・妻を癌でなくし、娘と二人暮らしだったのだが、同僚の借金の連帯保証人になったことから彼の借金人生が始まった。借金を返すために消費者金融にお金をかり続け、とうとう最後にヤミ金に手を出して会社をクビになった。そしてヤミ金で借金取りの手伝いをするようになった。その時に自分が取立てをした債務者の女性が自殺し、娘と同じくらいの少女が残された。何もかもに耐えられなくなった武沢はヤミ金の取立てデーターを持って逃げた。その事を知ったヤミ金業者にアパートに火をつけられた。ところが運悪く、学校で具合の悪くなった娘が家で休んでいて焼死したのだ。武沢は警察にそのデーターを持って行き、自分は戸籍を買って逃げることにした。
そんな武沢が3ヵ月半前、クリスマスの日に詐欺に合いそうになった。アパートの鍵穴にセメダインを入れて、鍵を交換するという詐欺を働こうとしたテツさん。テツさんは奥さんと鍵屋をやっていたが、仕事は儲からず。そのうち妻に好きな人が出来て家を出て行ってしまった。戻ってきた妻は覚せい剤中毒となっていて、覚せい剤を買うために借金もしていた。借金地獄に陥り、妻は自殺し生命保険で借金を返したというのだ。
そんなテツさんが鍵屋がうまく行かなかったといって武沢のアパートに転がりこんできた。持ってきたのはDr.スランプあられちゃんのマグカップと武沢が上げたクリスマスツリー。二人で詐欺を始めたが、テツさんが来てから失敗することが少なくなった。
そんなある日、上野でおじさんの財布を掏ろうとして、見つかりつかまりそうになった少女と出会う。行きがかり上、その少女を助けた二人。少女には両親がいなく、アパートの家賃を滞納しているという。とある理由からその少女・まひろを助けたいと思っている武沢は「自分達の所においで」と言う。そして数日後やってきたまひろ。その次の日、まひろの姉やひろとその彼氏貫太郎が転がり込んできた。
5人の奇妙な共同生活が始まった。そんな時、武沢が警察に突き出したヤミ金融の部下が武沢を追ってきた。隣の空き地を放火され、飼っていた猫を殺され、5人はヤミ金融を倒す為の作戦を立てた。題して「アルバトロス大作戦」
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