花宵道中
宮木 あや子
江戸時代の江戸吉原。女郎屋「山田屋」で生きる遊女達と取り巻く男達の物語。
江戸の吉原の世界にどっぷりとつかってしまいました。
遊郭で生まれたり、貧しい村で育ち人買いに売られて遊郭に来た女の子達。借金を返し終わるまでは外の世界に出ることは出来ず、毎晩体を売る。そんな遊女達の物語です。舞台は吉原だし、「花宵道中」が「女による女のためのR−18文学賞」なだけあって、おっとっとなシーンがいくつかありますが、そんなの気にならないほど主人公の色んな「想い」がつまっています。
吉原の遊郭。初見世、道中、身請けと、全く知らない世界に興味津々。間男がいることがばれたら仕置き部屋に入れられるとか、足抜けしようとしたら半殺しのような目に遭わされるかとか、とても過酷な労働条件。その中でもやっぱり女は命がけで恋に落ちるのです。男のために生きる女と男のために死ぬ女。他の遊女の生き方を見て、自分は違う道を選んだり、恋に落ちた途端に姉さんの生き方に納得したり。
5つの物語のつながり方が絶妙。こっちの物語でチラッと出てきた姉さんが次の主人公だったり。好きになった男の裏話が後から出てきたり。
⇒ 数(自然数)は、幽霊である。 (11/17)
⇒ 式神自然数 (10/21)
⇒ アスラン (04/07)
⇒ 脱皮中 (11/10)
⇒ 三角点 (10/20)
⇒ 鶯張り (10/02)
⇒ ゆっぴ (09/26)
⇒ かぶの入門 (06/12)
⇒ 由紀 (03/16)
⇒ 秋緒 (02/02)