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「ヘンリエッタ」中山咲
中山 咲
河出書房新社
(2006-11-17)

JUGEMテーマ:読書


主人公の女の子・まなみが、あきえさんとみーさんと一緒に暮らすヘンリエッタと名づけられた家。3人の不思議な生活と牛乳配達の男の子。

第43回(2006年)文藝賞受賞作です。書いてるのは高校生だそうです。

ヘンリエッタは家の名前です。「いつも水のような空気が満ちている」そのヘンリエッタの中に私もいるような気分になりました。

外に出れないまなみ。あきえさんとみーさんの食事を作り、家事をする。昼間一人の時にはヒロシという男の子と会話をし、昼寝をする。時々お母さんから電話があり、緊張しながら会ったりもする。6時ちょっと前に来る牛乳配達の音をヘンリエッタのドア越しに聞いている。そんなまなみの春から冬の物語。

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| 本:な行(その他の作家) | 21:43 | comments(2) | trackbacks(1) |
「1000の小説とバックベアード」佐藤友哉
1000の小説とバックベアード
1000の小説とバックベアード
佐藤 友哉

特定の個人に向けて物語を書く片説家の僕は会社から解雇された。無職となった僕のところへ小説を書いて欲しいという女の人が現れた。そしてその人の失踪してる妹は僕が書いた片説を読んだらしい。

佐藤さんの本初めてです。三島由紀夫賞受賞、そして島本理生さんの結婚相手だって、そんな理由だけで読んでみました。この本は佐藤さんらしい本なんでしょうかね?結構読むのに根気が要りました。

特定の誰かのためだけに書く「片説家」才能ある人が大勢の人に向けて書く「小説家」
小説を書く才能があるのに小説を馬鹿にしている「やみ」。そんな人たちが繰り広げる戦いです。

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| 本:さ行(その他の作家) | 21:21 | comments(7) | trackbacks(6) |
「ジェネラル・ルージュの凱旋」海堂尊
ジェネラル・ルージュの凱旋
ジェネラル・ルージュの凱旋
海堂 尊

伝説の歌姫が東城大学医学部付属病院に運び込まれ、成り行き上田口が彼女だけでなく小児科絡みの問題にも関わらなければいけなくなったのと同じ頃、救命救急センター部長の速水が業者と癒着しているという内部告発文書がリスクマネジメント委員会に投げ込まれます。病院長・高階に依頼された田口は告発文書について調べる。

すごく勢いのある本でした。面白かった!!!「ナイチンゲールの沈黙」の裏でこんなことが起こっていたとは!「ナイチンゲールの沈黙」を読んだ時に「田口先生と白鳥はメインじゃなくて面白くない」みたいに書いてたんですけど、こっちで活躍してたんだ。田口先生大忙しです。2冊を一緒に読んでみたい。そんな本でした。
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| 本:か行(海堂尊) | 22:35 | comments(10) | trackbacks(11) |
「悪人」吉田修一
悪人
悪人
吉田 修一

女性の遺体が三瀬峠で発見された。それは福岡の生命保険会社で働く石橋佳乃だった。事件の真相は?犯人は捕まるのか?

分厚い本だったんですけど、引き込まれました。一気に読みました。九州の言葉がうつってました。朝日新聞連載だったそうです。これをちょっとずつ読むなんて…それは拷問に近いかもしれない。

なんだかやりきれない物語です。佳乃、佳乃の親や友人。佳乃が憧れてた湯布院老舗旅館の一人息子・増尾君とその友人達。出会い系サイトで知り合った祐一、その周りの人。そんな人たちが過去と現在を語ります。そして次第に明らかになる、佳乃が殺された理由。殺人を犯した人が「悪人」なんだろうけど、それだけじゃない。殺した人だけが悪人じゃないんだって思います。
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| 本:や行(吉田修一) | 21:11 | comments(18) | trackbacks(17) |
本棚バトン
じゃじゃままさんから「本棚バトン」なるものが回ってきました。
全然自慢にならないけど、結婚してから本を全く買わなくなってしまった私。
本棚も一応ありますが、半分CD(これも結婚前のCDばかりです)に占領されてます。
だから「本棚バトン」に答えられるのかどうか…ちょっと心配です。


Q1 あなたの本棚にある恥ずかしい本は?

大好きな本以外はほとんど手放したので、恥ずかしい本はないかもしれない。
だけど、夫が買った「チーズはどこへ消えた?」はちょっと恥ずかしいかも。捨ててもいいんだろうけど、そのままにしてあります。

Q2 あなたの本棚にある自慢できる本は?

ロバート L スティーブンソンの「宝島」です。
小学校4年生の時に親に買ってもらったのに全然読まず。だけど「へそくり」って物に憧れて、その本の中にお金を隠しておいたんです。それを今でも持ち続けてる。そしてもちろん本は読んでいない。自慢…とはいえないですけど。

Q3 あなたの本棚にある手放したいのにいつまでもある本は?

アメリカの作家の英語で書かれた本です。もともと海外探偵物が好きで、原作を読みたいって思ってアメリカに留学(遊学)したんです。その頃に読み漁った本。いまじゃ、読み返すことなんて全くありませんから捨てたいなって思いつつ、なんとなくとってあります。

Q4 あなたの本棚にある、あなたが頻繁に読み返す本は?

江国香織さんの「きらきらひかる」です。
気持ちが沈んでる時に読むと落ち着くんです。私はがんばろ!って思える。

Q5 本棚の中を見てみたい5人にまわしてください。

どなたかよかったら拾ってください。
| きょうの(できごと) | 19:59 | comments(2) | trackbacks(1) |
「ねにもつタイプ」岸本佐知子
ねにもつタイプ
ねにもつタイプ
岸本 佐知子


今回もニヤニヤ笑いました。大笑いじゃなくて、ニヤリなんです。岸本さんの頭の中というのか、妄想の世界を覗かせてもらった感じです。挿絵が素敵って思ってたらクラフトエヴィング商会でした。やっぱりね。

岸本さんが検索した時にHIT数が多くなるよう、とりあえず『べぼや橋』と『ホッホグルグル』って書いてみよう。

「リスボンの路面電車」なんて、リスボンの人は親切だって感じの普通の旅の印象を書いてるのかと持ったら、途中から急に「都知事が穴を設置することにしました」ですから。そこから続く「穴」の妄想。読み終わった後、え?リスボンは?タイトルの意味は???やれれっぱなしです。
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| 本:か行(その他の作家) | 23:11 | comments(9) | trackbacks(4) |
「ひとり日和」青山七恵
ひとり日和
ひとり日和
青山 七恵

母親と二人暮しだった二十歳のフリーター・知寿。母親が中国に留学することに鳴、遠い親戚である71歳の吟子さんの家に居候することになった。駅のホームから見えるのに、遠回りしなければ帰れない吟子さんの家での1年間。

なんでこの本を借りたんだったか、すっかり忘れてました。芥川賞受賞作品だったんですね。

知寿の抱える不安、老人との暮らし、バイトに恋人。そんな1年間がユルユルと書かれています。

吟子さんとの暮らしは淡々としてます。吟子さんが連れてくる彼・ホースケさん。ホースケさんの前で女になる吟子さんにやきもちを焼いて、若者の肌を露出してこれみよがしに見せ付ける。知寿が仕掛ける小さな悪意を全然気にしない吟子さん。さすがです。
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| 本:あ行(その他の作家) | 21:17 | comments(8) | trackbacks(5) |
「神田川デイズ」豊島ミホ
神田川デイズ
神田川デイズ
豊島 ミホ

地方出身の大学生。同じ大学に通う学部も学年も違う6人の物語。「かっこ悪くていたたまれなくて、ちょっぴり愛しい上京ボーイズ&ガールズのキャンパスライフ。俊英、豊島ミホ、ついにきたど真ん中の青春小説!!」

豊島さんが卒業したあの大学が舞台なのかしら?何者でもない大学生達が悩んでいます。大学生だった頃って随分昔で、どんな風に感じていたのか忘れてますが、これほど悩んでなかったような気がします。何かを目指してた訳じゃなく、部活もサークルにも入らず、合コンもしないで、淡々と暮らしていたような気がしますが、この物語に出てくるよう人たちのように「何者でもない」事に焦る事もなかったような気がします。私にとって豊島さんの本に出てくる人達は全く違う人種の人たちなんです。こういう風に思うこともあるんだって毎回新鮮。

装丁が鈴木成一デザイン室。先日、NHKの「プロフェッショナル」に鈴木成一さんが出演されていて、この「神田川デイズ」の装丁をテレビでやっていました。たまたま手元に本があったので、しげしげと眺めながらテレビを見ました。鈴木さんってすごいです。これからは鈴木さんが装丁を手がけた本は「装丁借り」します。
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| 本:た行(豊島ミホ) | 21:23 | comments(25) | trackbacks(15) |
「ブレイクスルー・トライアル」伊園旬
ブレイクスルー・トライアル
ブレイクスルー・トライアル ~第5回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作~
伊園 旬

セキュリティ会社が自社のシステムの堅牢性をアピールするために「ブレイクスルー・トライアル」というイベントが開催される。北海道にあるその会社の研究所の4階からマーカーを持ってきたチームに1億円が支払われるというイベントだ。その会社で働く門脇が12年ぶりに会った友人・丹羽に誘われて、そのイベントに参加することになった。

第五回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品だそうです。テンポのいい物語でした。

情報ネットワーク、情報管理、建造物の入出館セキュリティシステムなどで日本を代表とするIT企業セキュア・ミレニアムが賞金1億円の一大イベントを立ち上げます。そこの社員である門脇は12年ぶりに出合った大学時代の友人・丹羽に誘われ、会社を辞めてそのトライアルに参加することにした。二人にはそれぞれ優勝したい理由がある。広報での技術支援をするために中井という男を雇ったりして、トライアルまでの準備をする。

その頃、展示場からダイヤモンドを盗もうとしていた3人組がいた。元宝石会社の案内役に裏切られ、ダイヤモンドはとある会社の研究所へ。

そして門脇と丹羽がトライアルに挑戦する日、ダイヤモンドを取り返そうとする泥棒一味、そのダイヤの行方を追う私立探偵二人。そして作業着に身を包んだめがね集団とそれぞれ目的の違う4つのグループと管理人が建物の地下から5階までを動き回る。
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| 本:あ行(その他の作家) | 20:40 | comments(6) | trackbacks(4) |
「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹
赤朽葉家の伝説
赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹


鳥取で製鉄業で財を成した旧家、赤朽葉家。千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。赤朽葉家に生きる三代の女達の戦後から現代まで。

実は桜庭さんはアンソロジーに入った短編を一つ読んだ事があるだけの作家さんだったんです。今までなんとなく手に取らずに過ぎてきた作家さん。この表紙の赤い色は他のブロガーさんのところでとても目を引きましたし、すごく引き込まれるって聞いていたので楽しみにしていました。

たしかにすごいです。戦後から現代まで。赤朽葉家の周りで生きる女の人たち、家族、回りの人たちの生き様。語り手は現在、仕事もせずフラフラとしている二十台の瞳子です。鳥取県紅緑村には二つの大きな家があった。それは「上の赤」と「下の黒」と呼ばれ「上の赤」である赤朽葉家が物語の中心です。赤朽葉家は先祖が山を切り開いてたたら場を作ったために出来た村だった。ひな壇のように山の上にそびえる赤朽葉家の真っ赤なお屋敷、その下に分家が住み、それからホワイトカラー。そして下のほうは労働者。ひな壇のような村でした。
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| 本:さ行(桜庭一樹) | 21:04 | comments(17) | trackbacks(11) |
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