ミーナの行進
小川 洋子, 寺田 順三
1972年。ミュンヘンオリンピックが開催された年。中学生になった朋子は単身東京で裁縫の勉強する母と別れ、伯母の家に1年間お世話になる。従妹のミーナと過ごした芦屋での1年間。
物語は主人公の朋子が忘れられない1972年、芦屋の洋館で過ごした日々を回想しています。
素敵な洋館で暮らす人々は実に興味深い。
・ミーナは本が大好きでいつもポケットにマッチ箱を忍ばせている女の子。喘息もち。
・ローザおばあさんはドイツから嫁入り道具として持ち込んだ兄弟の前で念入りに美容クリームを塗る。
・伯父さんは家でも着飾り、周りを明るくする人。だけどなぜか不在。
・伯母さんはローザに隠れてタバコとお酒を飲みながら誤植を探す事に熱中している。
・ペットのポチ子はお父さんが10歳の頃に家に来たコビトカバ。
・ローザおばあさんがお嫁に来た時からいるお手伝いの米田さんは家の何もかもを取り仕切っている。
・庭師の小林さんはポチ子の世話をする。
・スイスに留学してるミーナの兄・龍一。
素敵な洋館で裕福な生活をするとても幸せな家族。伯父が呼ぶホテルの料理人たち。龍一の手紙に喜ぶみんな。そんな幸せな家族に、ミーナの喘息発作や伯父の不在が暗い影を落とします。そこらへんの加減がすごく上手だって思いました。
⇒ 数(自然数)は、幽霊である。 (11/17)
⇒ 式神自然数 (10/21)
⇒ アスラン (04/07)
⇒ 脱皮中 (11/10)
⇒ 三角点 (10/20)
⇒ 鶯張り (10/02)
⇒ ゆっぴ (09/26)
⇒ かぶの入門 (06/12)
⇒ 由紀 (03/16)
⇒ 秋緒 (02/02)