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「スモールトーク」絲山秋子
スモールトーク
スモールトーク
絲山 秋子


車の雑誌「NAVI」に連載されていた連続短編集。40代、最近彼と別れたばかりの売れない画家のユーコ。ある日、カマキリのような風貌の元彼が電話をしてきた。会うつもりはなかったが乗っている車に見たさに会ってしまう。

売れない画家って設定、なんだか知ってるかも…なんて思いながら読んでました。最後に亡くなった友達の話が出てきて「イッツ・オンリー・トーク」の優子なんだって思いました。誰とでも寝てしまうゆうこちゃん40歳になっても売れない作家でした。

ゆうこにカマキリと呼ばれてる元彼の本条。そこそこ売れてる音楽プロデューサーで、まるでスーパーで大根を買うように毎回車をかえて(しかも高級外車)ゆうこの元に現れる。そしてなんだかんだ言いながらも、毎回車に乗って運転して毒舌を吐くゆうこ。サーブ9−3カブリオレは「女を怒らせない男、但し、イナカモノ、ちょっとだけ鈍い。」アストンマーチンヴァンキッシュは「付き合いやすい体育会系、しかし果たして洒落が通じるかどうか」巧い表現だなぁって思った。車の事全く知らなくても、どんな車なのかなんとなくイメージできるもん。

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| 本:あ行(絲山秋子) | 20:32 | comments(2) | trackbacks(1) |
「エンジェルエンジェルエンジェル」梨木香歩
エンジェル・エンジェル・エンジェル
エンジェル・エンジェル・エンジェル
梨木 香歩


高校生のコウコ。祖母の真夜中のトイレ介助を母とかわってあげると申し出たら、熱帯魚を飼えることになった。熱帯魚がきてからのコウコと殆ど寝たまますごす祖母の不思議な交流。

コウコの視点で書かれている現代と祖母であるさわちゃんの視点で女学校に通っていた頃を書いた過去が交互になっている。コウコの部分は黒い字、さわこのは茶色の字。

コウコは親の前では素直ないい子。コーヒー中毒と聖書中毒にではないかと心配し、自己嫌悪に陥る。そんな自分を救ってくれるのは熱帯魚に違いないと思っている。

さわこは裕福か家庭でのんびりと育っていた。久しぶりにいらっしゃるばばちゃま。女学校でのつらい出来事。そしてねえやのツネまで自分の前からいなくなる。

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| 本:な行(梨木香歩) | 23:18 | comments(4) | trackbacks(3) |
「時のしずく」中井久夫
時のしずく
時のしずく
中井 久夫


精神科医であり、詩の翻訳家でもある中川さんが、色々なところに寄稿した文章をまとめたもの。自伝的な話、震災の事、自分の読書体験、須賀敦子さんなど数人との事などのエッセイ集。

なんでこの本を借りたのかすっかり忘れました。新聞でみたのかもしれません。ぎっしりと詰まった文字に一瞬ためらったのですが、読み始めたらとまらなくなりました。

1934年生まれ。物心ついた時には戦争が始まっていて「将来は軍人さんになりたい」といわなければいけない時代。敗戦とともに中学に入学。そこでドイツ語を学ぶ。京大法学部に入るも、考え直し医学部を受けなおす。「ウイルス研究所」勤務のあと精神科医となる。医師としての患者への接し方、考え方がすばらしいと思った。こういう医者が沢山いたら薬漬けの精神病患者も減るのでは?と思ったが、それは薬局で薬を渡すだけの私の中途半端な見解なのでしょう。

精神学の専門書や外国の詩集を翻訳している人なので、本に関しての話が多かった。印象に残ったものを書いておくことにします。


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| 本:な行(その他の作家) | 10:39 | comments(0) | trackbacks(1) |
「さよならアメリカ」樋口直哉
さよならアメリカ
さよならアメリカ
樋口 直哉


袋をかぶって生活する僕。最初にかぶったのは初恋の時。今かぶっている袋は三代目で「さよならアメリカ」と書かれた優れもの。見たという噂を聞いた「袋をかぶった集団」袋族を探すべく、一人暮らしを始めた。そんな袋男の手記。

うーん。どうしよう。完全に置いてかれてしまった。

表紙の写真。「SAYONARAアメリカ」って書いた袋をかぶってます。それで「袋男」のイメージはわかりました。最初のほうは袋をかぶって生活する事のよさを説明してます。「誰も自分という存在に注目しなくなる。」「誰も袋を被った人間を見ようとしない。まるで透明人間だ。」いやいや。あまりに変で、危害を加えられないよう遠巻きに見てるのに、気がつかないだけだから…なんて思ってました。

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| 本:は行(その他の作家) | 10:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
「暗いところで待ち合わせ」乙一
暗いところで待ち合わせ
暗いところで待ち合わせ
乙一


視力を失い、一人静かに暮らすミチル。駅のホームで起きた殺人事件の犯人として追われるアキヒロが、ミチルの家に進入し、居間の隅で音も立てずにうずくまる。他人の気配を感じたミチルと隠れるアキヒロの奇妙な同棲生活が始まった。

交通事故の後遺症で視力を失ったミチル、唯一の家族である父が亡くなった後、暗闇の中どこにも出掛けず、胎児のような格好でまるくなって一日を過ごし、死が訪れるのを待っている。時々来てくれるカズエだけが、社会との接点だった。

大石アキヒロは、学生時代から人とつきあうのが嫌いだった。職場でも同僚とうまくいかず、先輩の松永からは陰湿ないじめを受けていた。

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| 本:あ行(乙一) | 20:12 | comments(12) | trackbacks(7) |
「傷口にはウォッカ」大道珠貴
傷口にはウォッカ
傷口にはウォッカ
大道 珠貴


40歳で未婚。恋人も一応いる事はいるのだが、一番すきなのは弟。そんな永遠子の日々。

「ミルク」「ひさしぶりにさよなら」に続き大道さんの3冊目。芥川受賞作品の「しょっぱいドライブ」が私の苦手な分野(愛のないセックス)で、途中で挫折。だから何となく手に取る時には緊張する作家さんです。

定職につくわけでもなく、親にお金をもらってなんとなく生きている40歳の女。昼間から酒を飲み、夏休みで遊びに来ている甥や姪に向かって「口からちょろりと豆乳を流してみせ」たりする変な人。家庭環境もかわっていて、母親は一度駆け落ちをして戻ってきている。弟が大好きだが、妹二人は妹1妹2なんて呼び、最低限の会話しかしない。

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| 本:あ行(その他の作家) | 10:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
「DIVE!!〈1〉前宙返り3回半抱え型」森絵都
DIVE!!〈1〉前宙返り3回半抱え型
DIVE!!〈1〉前宙返り3回半抱え型
森 絵都


大手スポーツメーカーミズキの経営するミズキダイビングクラブ。赤字続きの上、開設したミズキの会長は亡くなった。存続の危ぶまれるMDCに会長の孫でありダイビングのコーチの麻木夏陽子がやってきた。オリンピックに出場できたらMDCは続けられる。五輪出場選手の両親を持つ要一、ごく普通の子供ながら「ダイヤモンドの瞳」を持つ知季(ともき)、先祖代々津軽の断崖から海に飛び込んできた飛沫(しぶき)

図書館で1から4まであるのは知ってました。最後まで読んでショック!話の終わり方が、まるでマンガやドラマが次に続くように、先が気になる終わらせ方。あーきになるー早く借りなくちゃ!

物語は中2になった坂井知季を中心に進みます。ダイブ中心の生活。「付き合って」って言われて付き合いだしたけど、受身でしかない彼女、そして失恋。コーチである夏陽子に素質があると言われ、今まで一緒に練習してきた友達から妬まれる。ただ好きで始めたダイブなのに、オリンピックという大きな目標が出来た。そんな事を悩みながら、自分をみつける知季。ラストはかっこよかった。
| 本:ま行(森絵都) | 20:45 | comments(0) | trackbacks(1) |
「家守綺譚」梨木香歩
家守綺譚
家守綺譚
梨木 香歩


定職を持たず、文章を書くことを仕事にしている男。亡くなった友人の父に頼まれ、留守宅に住む事になる。男の過ごした一年を、草花に絡めた書いた物語。

初めて読む梨木さんの本。blogで紹介されてて興味があったところで、図書館で見つけ手にした1冊。

不思議な話です。庭のサルスベリに恋心を抱かれたり、亡くなった親友が掛け軸の中から出てきたり、ムカデや蝮を買ってくれる長虫屋、河童や小鬼、人魚なんかも登場する。そんなものを見つけても「そんなもの」とすんなりと受け入れる主人公。そしてそれらについて質問するたびに的確な答えを驚くことなく返す隣のおばさんもすごい。現実離れした話だけど、百年前にはこういうこともあったのでは?って思えます。

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| 本:な行(梨木香歩) | 20:51 | comments(6) | trackbacks(7) |
瀬尾まいこマイベスト3
瀬尾さん、やっと5冊読み終わったので、My Best Books!に投票します。
どれもこれも好きなので一番を決めるのは難しい…
瀬尾さんの描く家族が大好きです。
1位「卵の緒」
卵の緒

「卵の緒」「7's blood」両方ともすき。主人公が「愛情たっぷりにそだった人」に憧れる気持ちがよくわかります。子供を一杯愛さないと!って思います。

2位「幸福な食卓」


幸福な食卓

最初に読んだ瀬尾さんの本。「卵の緒」を読むまでは一番好きでした。

3位「図書館の神様」
図書館の神様

もう一度高校生に戻れるなら、図書室に入り浸って本をたくさん読んで、文芸部に入部です。
| 本:その他(いろいろ) | 11:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ 」リリー・フランキー
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー


リリー・フランキーさんの自伝的小説。オカンとの思い出。九州、小倉産まれの主人公。父は酒乱で、3歳の時に両親が別居。転々と住む場所をかえ、高校入学とともに親元を離れる。オカンに悪い、なんとかしなくてはと思いながらも自堕落な生活。癌を患って住む場所のなくなった母を東京に呼び寄せ、15年ぶりの母との生活。そして東京タワーの見える場所での母との別れ。

リリー・フランキーさん。全然名前を知りませんでした。本の後の経歴を見たら「文章家、小説家、コラムニスト、絵本作家、イラストレーター、アートディレクター、作詞・作曲家、構成・演出家、ラジオナビゲーター、フォトグラファー…など多彩な顔を持ち、ジャンルの壁を自由に従来しつつ活動」と書いてあります。すごい。きっとお母さんの教育方針がよかったんだろうなぁ。

泣くとは聞いていました。そしてやっぱり泣きました。昨日の夜中読み終わったんだけど、「オカン」のこと引きずっていて、朝からボーっとしてしまいました。リリーさんのオカン、凄いです。前日読んだ「卵の緒」の母親に似ています。子供への一途な愛。だけど上手に距離をとっていて、過保護ではない。東京に呼んでからも、「若い人はお腹がすいている」という信念で、来た人には食べきれないくらいの食事を出します。そして毎晩誰かが来ている家。お葬式に来たたくさんの人を見て「自分の知り合いでなく、オカンの知り合いなんだ」って思う主人公。

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| 本:ら行 | 12:19 | comments(12) | trackbacks(10) |
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