CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
カウンター
グリムス
MOBILE
qrcode
<< 広島と言えばやっぱり… | main | 「借金取りの王子」垣根涼介 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
「三面記事小説」角田光代
三面記事小説
三面記事小説
角田 光代

新聞の「三面記事」に載る数々の事件。いくつかの事件は読んだ記憶があるものでした。そんな本当の出来事の裏側で犯罪を起こした人が考えていた事、追い詰められていく様などを角田さんらしい切り口で書いた6つの物語。

角田さんのダークな物語。人間が犯罪を起こしてしまうまでの追い詰められていく過程や、その後の心理状態などがリアルに描かれていて、どどーーーんと気持ちが沈みます。何度か気分転換のために本を置かなければいけないほどでした。


実際の事件の背景にある物は違うんだろうけど、こんな風な物語があったのかも…って信じそうになります。文章の力ってちょっと怖いですね。
「愛の巣」
26年前に殺害し自宅床下に埋めた死体が区画整理によって発見されるのを恐れ自首したが、すでに時効が成立していて不起訴処分になる。

姉からの愚痴の電話が途絶え、久しぶりに訪ねてみたら家にはバリケードが出来ていて、消毒薬のにおいが立ち込めていた。私と夫は念願のマイホームを建てるが、二人の間には子供が出来ず、淡々と続いていく日常。そして月日は経ち…

主人公、鈍感すぎます。本を読んでると「あれ?って思う気持ちを抑えて何事もなかったように過ごす主婦」って言うのがよく出てくるけど、実際そんな人はいるのかな?夫が浮気していて子供もいたなんて知っても、何事もなかったように生活を続けるなんて私には絶対に無理だわ。

「ゆうべの花火」
インターネットの闇サイトで不倫相手の妻の殺害を依頼した女。半年経っても実行されないので警察に詐欺にあったのではと相談する
教材会社の同僚と深い中になってみたら、彼には奥さんがいた。最初は彼が私に夢中だったはずなのに、いつの間にかお金で彼の時間を買うようになっていた。おかしい…何かがおかしい。知り合いから頼まれたちょっと危ない仕事をする男。ある女が恋人の妻を困らせたいらしい。お金を振り込ませ、話を聞き、やったことにする。俺がやっているのはカウンセリング…

恋愛って難しいものです。相手と自分が同じだけ「好き」って思っていたらいいんだろうけど、結局はシーソーのように気持ちの大きさが動いてるもの。執着しちゃったら終わりなんだろうな。

「彼方の城」
16歳の男子高校生を自宅に3時間監禁しわいせつ行為をしたとして捕まった38歳の主婦。
夫は出て行ってしまい、高校生の娘は自分の身なりにしか気を使わないし、中学生の息子はリビングを占拠し、食べるのも寝るのこそこ。どんどん太っていく。汚れたアパートを抜け出して行く漫画喫茶に新しく入ってきたバイトの男の子。外で偶然出会い誘ってみる。

これは全く理解できない物語。だけど家事を放棄する母親。全くかわいくない息子のかわりを見つけ、形は間違っているにせよかわいがる主人公の異常な感じがよく出ていました。

「永遠の花園」
女子中学生が男性教諭の給食のお味噌汁に抗うつ剤を入れ、飲んだ教師は体調を崩した。
スーパーの食べものコーナーで偶然見かけたあの子。今では全く違う世界に住む私達だけど、中学生の頃はずっと一緒だった。

仕事柄このニュースは印象深くて、職場でも話をしていたんです。だからこのニュースにこんな物語をつけた角田さんってすごいなって。主人公が相手の女の子に寄せる想い「ずっと一緒にいたい」が切ない。

「赤い筆箱」
県職員宅に若い男が押し入り、勉強をしていた中一の次女が刺殺された。発見したのは隣の部屋にいた長女。

妹が行こうというから受けた私立中学。だが、妹は受験に失敗してしまった。公立中に行く妹と私の間、妹を庇う両親と私の間にある壁。

学校にも馴染めなく、家でも居場所がない姉の孤独感がひしひしと伝わる。なんだか両親が薄っぺらな印象。

「光の川」
河川敷で車椅子の女性が発見され死亡が確認された。近くに住む長男を殺害容疑で逮捕した。
近くに住む母の様子がどうもおかしい。暫くは仕事帰りに寄っていたのだが、認知しょうが進みそれも限界。とうとう仕事も辞め、つきっきりで面倒を見なければいけなくなった。収入がないので生活保護を申請するが断られる。眠れぬ夜、いつまでも終わりのない介護…

主人公がジワジワと追い詰められていく様子が読んでいて辛かった。認知症介護は全く他人事ではないんだよなって。
| 本:か行(角田光代) | 21:29 | comments(13) | trackbacks(11) |
スポンサーサイト
| - | 21:29 | - | - |
コメント
こうしてななさんの詳細な感想を拝見して
またもやゾワッとします。
角田さんの凄さを再確認しました。
もっと読みたい…。
| ユミ | 2007/11/09 11:09 PM |
こんばんは☆

角田さんの本はほのぼのした部分とこわい部分が
絶妙だなといつも思うんですが、
この本はかなりこわそうですね。。。

図書館の予約本に決定です。
読んだら感想書きますね(´∀`*)
| acco | 2007/11/09 11:39 PM |
◇ユミさんへ

一つ読むたび気分転換しなきゃいけないくらい
リアルにゾクリとしましたよね。
普段何気なく読んでる三面記事にこんなストーリーを
肉付けしちゃう角田さん、本当にすごいです。

◇accoさんへ

角田さんの描く物語って「ほんわか」と「ドロドロ」の
2タイプありますよね。
どちらもきっちり書ききってくれる角田さん、さすがです。
感想楽しみにしています。
| なな | 2007/11/10 10:58 PM |
こんばんは。
進むにつれて主人公の思いが迫ってくるような怖さでした。
角田さんの想像力・創造力の凄さに改めて驚きました。
10月12日にアップしてましたけど、忘れる前にってことで。
このあと「モップガール」で気分転換♪。
| 藍色 | 2007/11/14 3:15 AM |
藍色さん、こんばんは。
どれもこれも重かったですよね。
さすが、角田さんと感心しました。
TBありがとうございました。
| なな | 2007/11/14 8:47 PM |
きらいな話じゃないんですが、きっともう読み返すことはないだろう…と思います。内容は忘れてもこのなんともいえない気持は消えずに残ると思うので。
どれも救いがなかったですね。それぞれ基本的には普通の人たちだと思うので、またそれがやるせなく感じました。
| まみみ | 2007/11/28 2:55 PM |
まみみさん、救いがなかったですね。
>それぞれ基本的には普通の人たち
本当にそうなんですよね。
ご近所さんにいそうな感じです。
それがリアルで怖かった。
| なな | 2007/11/29 12:27 AM |
こんばんは。
もしかしたら自分も滑り落ちてしまう世界なのかもしれないと思うと、どれも怖さが募ってくる作品でした。
ここまで描ききる角田さんってすごいと思いつつ、
後を引きますね〜この読後感は。
しばらく浮上できなさそうです。
| エビノート | 2007/12/04 9:28 PM |
エビノートさん。こんばんは。
そう、もしかしたら自分も…って世界ですよね。
三面記事から、これほどリアルにフィクションを作り上げる角田さん、やっぱりさすがです。
気分転換に西さんのエッセイのようなものを読まなければ
やっていられない本です。
| なな | 2007/12/04 9:39 PM |
こんばんは。
角田さんの小説読むと、いつも心を乱させられてる気がしますが、今回も…
黒い…
| ちきちき | 2007/12/16 8:55 PM |
ちきちきさん、こんばんは。
これはかなり「黒」でしたね。
心の闇をいっぱい見せつけられた感じでした。
| なな | 2007/12/17 11:37 PM |
こんにちは。
実際の事件の概要は違うんでしょうけれども、もしかしたらこういう背景があったのかもしれないな、と思わせる上手さがありましたよね。
そして全くの他人事ではなく、何か一つ間違えたら自分にもふりかかりそうな感じでちょっと怖かったです。
| masako | 2008/08/03 2:59 PM |
masakoさん、こんばんは。
本当に事件の裏にはこんな話があったのかも…って
言うくらいリアルでしたね。
三面記事というくらいだから、どこにでも
自分の周りにもありそうなニュース。
ゾゾゾっとしました。
| なな | 2008/08/03 9:08 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://nanamemo.jugem.jp/trackback/951
トラックバック
三面記事小説/角田光代
うっすらと記憶にあるような6つの事件…それぞれの新聞記事に角田さんが肉付けするという短編集。まずこの試みが斬新で非常に興味を覚えました。日々起こるさまざまな事件は自分にはありえない他人事だし、野次馬根性で見聞きしてる毎日。しかしコレを読んでると事件っ
| ひまさえあれば | 2007/11/09 11:11 PM |
三面記事小説⇔角田光代
三面記事小説 バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡…。 誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。 現実がうみおとした6つの日常のまぼろしを、鮮やかに描いた小説集。 ランキングエントリー中! ■□■
| らぶほん−本に埋もれて | 2007/11/10 9:03 PM |
三面記事小説 角田光代
装丁は柳澤健祐。初出は別冊文藝春秋。短編集。 「この小説は実際の事件を発想の発端にしているが、フィクションであり事実とは異なる。」と目次の先に但し書き。架空の小説と念押ししています。これまでどんな題材でもリアルを
| 粋な提案 | 2007/11/14 3:16 AM |
「三面記事小説」 角田光代
三面記事小説角田 光代 文芸春秋 2007-09売り上げランキング : 9622Amazonで詳しく見る by G-Tools 内容説明 バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡…。誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。現実がうみおとした6
| 今日何読んだ?どうだった?? | 2007/11/28 2:53 PM |
三面記事小説 〔角田 光代〕
三面記事小説角田 光代 文芸春秋 2007-09売り上げランキング : 19403おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools ≪内容≫ バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡…。 誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。 現実
| まったり読書日記 | 2007/12/04 8:53 PM |
三面記事小説
JUGEMテーマ:読書 バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡など“三面記事”の向こう側を鮮やかに描いた小説集 毎日届けられる新聞の三面記事を着想の発端にした平穏な日常が一変する瞬間をとらえた短篇集。要塞のようにトタ
| ぼちぼち | 2007/12/16 9:04 PM |
三面記事小説/角田光代
JUGEMテーマ:読書 2007/12/26〜2007/12/27 バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡…。誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。現実がうみおとした6つの日常のまぼろしを、鮮やかに描いた小説集。
| hibidoku〜日々、読書〜 | 2008/01/02 6:40 PM |
「三面記事小説」
2008年 最初に読んだ本がコレ。 「三面記事小説」    角田光代:著     文芸春秋/2007年9月/1,300円 私は殺人を依頼しました。 恋人の妻を殺してほしいと頼みました。 誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。 現実が
| 月灯りの舞 | 2008/01/11 2:37 PM |
角田光代 『三面記事小説』
三面記事小説/角田 光代 ¥1,300 Amazon.co.jp バリケードのような家に住む姉夫婦、妻殺害をネットで依頼した愛人の心の軌跡…。誰もが滑り落ちるかもしれない記事の向こうの世界。現実がうみおとした6つの日常のまぼろしを、鮮やかに描いた小説集。 実
| 映画な日々。読書な日々。 | 2008/08/03 2:53 PM |
「三面記事小説」角田光代
三面記事を元にした痛い短編集。 もちろんフィクションなんだけど読んでいてかなり凹んだ。    【送料無料】三面記事小説 [ 角田光代 ]価格:530円(税込、送料別) 「愛の巣」 26年前殺した人を家の庭に埋めた。 「どうして気がつかないのか」という疑問を読者
| りゅうちゃん別館 | 2012/10/10 9:22 AM |
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2015/04/25 6:35 PM |