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「おどりば金魚」野中ともそ
おどりば金魚
おどりば金魚
野中 ともそ

東京の何の変哲もないアパート、メゾン・エルミタージュ。3階建てでエレベーターはついていない。タイルを張った踊り場があるそのアパートに住む人それぞれの日常を綴った7つの物語。

野中ともそさんの本、久しぶりです。刺繍で書かれた表紙もかわいらしい。

36歳で働いたことが無い依子、踊り場で人を待つタミと娘、住み込みの管理人・山田さん、イラク人、引きこもりの28歳男などの日常です。どの人も危なっかしい生き方をしていて、

「草のたみ」の出だし「朝起きたときに、依子さんは小さな発見をした。今まで何度となく恋をするたび繰り返されてきた発見だったから、微小でも見過ごすことはなかった。男の中から、恋が消失している、という発見である」の文章でググっと引き込まれてしまいました。

「イヌとアゲハ」でふうちゃんが現在の北澤君の状態を知りほんの少し泣く。そして最後の言葉「ふうちゃんはこのときはじめて、どんなに思っても届かぬ気持ちがあるのをしった」「気持ちはひっそりと生きつづける。そのゆるぎなさに、泣けたのだった」なんだか心に染みました。
「草のたみ」
36歳になるまで一度も働いたことが無い依子。気がつけばいつも男も消えうせ「がらんぽ」な人生。エレベーターのないアパートの踊り場に座ってる女の人・タミさんに出会う。タミさんは踊り場で「待っている」らしい。

「ダストシュートに星」
妻を亡くし、猫と暮らす管理人の太田さんの趣味は映画を見ること。太田さんの悩みは愛すべき王国・ごみ収集所に今日も居座るクーポンばばあこと竹ノ塚さんが居座っている事と高校卒業以来連絡を取っていないケイティーになってしまった一人息子の敬二郎のことだった。

「小鬼ちゃんのあした」
日本にやってきて6年のイラン人・ジャハドさんの部屋に小鬼がやってきた。祖国でキタザワという日本人に騙され日本に着たが、日本でも誰とも深く関われないジャハドさん。

「イヌとアゲハ」
母は衣装を縫う仕事をしていて、時々数日間家を留守にする。そんな時ふらりとやってきた北澤君。昔からふらりとやって来てはふらりと消えてしまう母の恋人だった。昔北澤君と一緒に取りに行ったイヌザンショウがからからに乾いているのを心配してやってきたらしい。

「タイルを割る」
大きな声で話す闊達だった夫が倒れ、その介護をしながら娘時代を思い返す草代さんの話。タイル職人だった父親のために集めたタイル。結婚できなかった昔の彼。

「砂丘管理人」
姉がネコを連れてやってきた。父親が飼っていたネコらしい。子どもの頃住んでいた砂丘の近くの家。姉と飼い猫「砂丘管理人」との冒険。

「金魚のマント」
小学生の頃密かに想いをよせていた相手と思いがけず踊り場で再会したタミ。その想いは知ったときから叶わぬものだった、けれども何十年経った今でも忘れられない、そして決して過ぎ去ったものではない想いだった。
| 本:な行(野中ともそ) | 19:34 | comments(2) | trackbacks(3) |
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コメント
はじめまして。
私も野中さんの本は久しぶりに読んだのですが、「草のたみ」の出だしから引き込まれて読みました。
どの話も心がホッとするような内容でした。
表紙もかわいかったですね。
| mint | 2007/10/29 11:39 AM |
mintさん、はじめまして。
コメントとTBありがとうございました。
野中さん、随分久しぶりの新刊ですよね。
知ったとき軽く小躍りしました。はい。
最初からググっと引き込まれる文章で読み終わるのがもったいない、そんな本でした。
表紙の刺繍、かわいかったですね。
| なな | 2007/10/29 7:25 PM |
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『おどりば金魚』
今日読んだ本は、野中ともそさんの『おどりば金魚』です。
| いつか どこかで | 2007/10/29 11:34 AM |
おどりば金魚<野中ともそ>−(本:2008年6冊目)−
おどりば金魚 出版社: 集英社 (2007/07) ISBN-10: 4087753794 評価:85点 東京の古いアパートの階段の「おどりば」を舞台にした連作短編集。 初めての「野中ともそ」だったが、結構よかった。というかかなりよかった。 「野中ともそ」については、あまりにも
| デコ親父はいつも減量中 | 2008/01/09 10:01 PM |
野中ともそ『おどりば金魚』○
 集英社の女性誌ポータルサイト「s-woman」掲載+書き下ろし。東京の古いアパ...
| 駄犬堂書店 : Weblog | 2008/01/10 4:55 PM |