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「夜明けの縁をさ迷う人々」小川洋子
夜明けの縁をさ迷う人々
夜明けの縁をさ迷う人々
小川 洋子


風変わりな曲芸師と野球少年の友情、放浪の涙売りの恋、エレベーターで生まれたE.Bの生涯、老嬢が語る作家だった祖父の形見の話……どこか奇妙ですこし哀しい人々を、手のひらですくうように描いた、9つの物語。

小川さんらしい物語なんでしょうね。ひっそりと静かで張り詰めた空気。登場人物はみんなゆったりと生活していて、時間に間に合わなくて走っている人なんて一人もいない。だけど時はあっという間に過ぎて行ってる。そして今回は正常と異常の縁をさ迷う人々の物語です。哀愁漂う物語だったり、残酷なラストだったり、ちょっぴり隠微な薫りが漂ってきたり。
「曲芸と野球」
僕が流し打ちの腕を上げたのは、三塁側ファールグランドで、いつも逆立ちの練習をしていた曲芸師のおかげだった。曲芸師は怪我をすると整形外科医である僕の父に診察してもらっていた。

「教授宅の留守番」
D子さんのお家にお呼ばれした日。D子さんは少し前住んでいたアパートが火事になり焼け出された。たまたま海外に行く教授の家に半年間住まわせてもらうことになったのだ。おいとま使用と思ったときなった電話。教授が何かの賞を受賞したらしく、次々に届くお届け物。

「イービーのかなわぬ望み」
街で一番古い中華料理店・福寿楼のエレベーターで産み落とされたE.B。母親は逃げ、皿洗いのチェン婆さんに育てられたE.Bはエレベータに居場所を見つけ、エレベーターを管理し、操作し、清潔に保ち、お客さんを運ぶのが彼の仕事だった。

「お探しの物件」
ここは物件が求める住人を探す不動産屋です。どうぞお時間が許す限り、ファイルをごらんになり、物件が語る物語に耳を澄ましてください。

「涙売り」
私の涙を楽器にすり込むと、どんな楽器でもたちままち音色がよくなります。十八までそうやって涙を売って生活していた私は十九歳になろうとする時に出合った5人ほどの人体楽団、その中で関節を軋ませてリズムをとっている関節カスタネット。彼に恋した私は楽団の専用調律師となった。

「パラソルチョコレート」
仕事が忙しい両親のかわりに私達の世話を焼いてくれたベビーシッター。五十代の彼女が他に仕事を持っていたのかは不明である。たまに週末にシッターさんの家に行くと、決まって喫茶店に連れて行ってくれた。私と弟は好きなものを注文し、シッターさんは奥の部屋で一人でチェスをする。

「ラ・ヴェール嬢」
指圧師・ラ・ヴェール嬢の形見分けにと貰った作家Mの全集十五巻。作家Mの孫だというラ・ヴェール嬢が語る物語。あるMの大ファンの男がMの書いた本どおりの事をラ・ヴェール嬢に試したという話。

「銀山の狩猟小屋」
F銀山の山奥にある狩猟小屋を格安で購入しないかという話が持ちかけられた。次の週末秘書を伴って訪れたその小屋。突然現れた隣人。ここら辺のご馳走は「サンバカヅキ」だと言う。

「再試合」
私の通う高校が甲子園に出場することになった。私は前からレフトの彼を観察していた。応援要員として甲子園に行った私は応援席からはなれ、レフトが一番よく見える外野席に移動した。決勝戦、逆転サヨナラのピンチを救ったレフトの彼。そして試合は延長戦に…
| 本:あ行(小川洋子) | 19:36 | comments(4) | trackbacks(7) |
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コメント
ななさん、こんばんは。
小川の物語って、やっぱりひっそり静かなイメージですよね。
さ迷う人々が迎える結末、まったく予想がつかなくて、
放り出されたような気持ちになったお話もありました。
| 藍色 | 2007/10/06 1:15 AM |
藍色さん、本当にひっそりと静かでした。
ギリギリの縁をさ迷い、ポロリと向こう側に行っちゃった人たちばかりで、物語の雰囲気はすごく好きなんですけど、一番好きが選べなかったです。
| なな | 2007/10/07 10:19 AM |
小川さんの世界を堪能しました。
「お探しの物件」では、物件が住む人を探すという逆の発想がおもしろかったです。

| | 2008/04/09 8:10 PM |
花さん、こんばんは。
小川さんの世界、ひっそりとしっとりとひんやりとしている感じがしませんか。
「お探しの物件」発想の転換面白かったですね。
私は選ばれなくていいですけど…
| なな | 2008/04/09 9:14 PM |
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夜明けの縁をさ迷う人々 小川洋子
装画・挿画は磯良一。装丁は片岡忠彦。「野性時代」掲載。 曲芸師と野球少年の友情、エレベーターで生まれたE.Bの生涯、放浪の涙売りの恋、作家だった祖父の形見を語る老嬢など9作品を収めた短編集です。 主人公たちが足を
| 粋な提案 | 2007/10/06 1:16 AM |
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| ポコアポコヤ | 2007/11/15 8:43 AM |
本「夜明けの縁をさ迷う人々」
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夜明けの縁をさ迷う人々<小川洋子>−(本:2009年1冊目)−
夜明けの縁をさ迷う人々クチコミを見る # 出版社: 角川書店 (2007/09) # ISBN-10: 4048737929 評価:80点 2009年初っ端に読む本ではなかったかもしれない。 正月のメデタサとか、新年の決意とかそういった言葉とは対極にあるような短編ばかりが9作品収められ
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「夜明けの縁をさ迷う人々」小川洋子
作者の実力がわかる短編集。 大いに堪能した。    【送料無料】夜明けの縁をさ迷う人々 [ 小川洋子 ]価格:500円(税込、送料別) 「曲芸と野球」 三塁側で練習している女性曲芸師が気になったことから、流し打ちがうまくなった少年。 ある日、曲芸師が転落事故を起
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