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「楽園」宮部みゆき
楽園 上楽園 下
楽園 上
楽園 下
宮部 みゆき

山荘事件以降、書くことが出来なくなっていた前畑滋子。あれからフリーペーパーの会社に籍を置き、少しずつ書く仕事をしている。そんな所に友人のライターから一人息子を亡くした女性に会って話を聞いてあげて欲しいとの依頼があった。

その女性・萩谷敏子は12歳の息子を亡くしたばかり。生前、息子・等は絵を描くのが得意だったけど、時々幼稚な絵を描いていた。そのうちの一つの絵について、彼は一軒の家に灰色の肌をした女の子が出られずにいて、その子はとっても悲しいのだと言ってたらしい。そして等の死後まもなく、火事にあった家族が「15年前に娘を殺害しその遺体を家の敷地内に埋めたと」自供した。

等の残した絵の中に9年前の山荘の絵を見つける滋子。そしてその絵は事件に詳しい人にしかわからない事が書かれていた。興味を持った滋子は等の能力が本物なのかを調べる為殺害事件の真相を調べ始める。
「模倣犯」に出てくる前田滋子。うーん。最後にピースと対決するのは彼女だけど、私の中でそれほど印象が強くなかった。どちらかと言うと有馬義男の方が印象に残ってたんです。だから「9年前の事件のことが重いしこりになっている」って言う感覚がいまひとつ理解し切れなかった。そんなに???って。

萩原敏子から絵を見せてもらった滋子は「等の不思議な能力」について最初半信半疑だったけど、等が描いた山荘の絵に釘付けになる。そこには一般の人には公開されていなかった情報、ワインボトルが描かれていた。そして調べてみようと思い立つ。

等が描いた家の下で横たわる女の子の絵。お隣が出した火事によって延焼してしまった夫婦が16年前に殺害し床下に埋められた少女・茜だったんです。当時茜は家族も手を焼くほどの不良少女で家出したと思われていました。事件発覚後、両親と茜の妹・誠子は別々に暮らし、新婚3ヶ月だった誠子は離婚します。滋子が事件について調べていることを聞いて、自分の為にどうして両親は姉を殺したのかを調べて欲しいという誠子。

その間に挟まれる悪い人が住んでいるといわれる家を観察する少女の物語。

前半部分は敏子の生い立ち、等についてがメイン。祖母に縛られた敏子の人生、すごいです。なのにあの明るさ。人を思いやる気持ち。滋子が行くと言えば、スーパーで買い物してもてなそうとしたり、滋子があやまればそれ以上にあやまり返す。暗くなりがちな物語でしたが、敏子が出てくるとホッと一息つけました。敏子の手作りたれで素麺を食べたい。

そして茜の物語。どうして娘を殺さなければならなかったのか?なぜ15年も隠し続けたのか?誠子の助けを借りて近所の人や叔父、茜の遊び仲間などに話を聞き、茜の恋人だった男を見つけ出します。そして誠子の母親である土井崎向子に宛てた手紙と言う形で物語の結末が語られ始める。茜は手のつけようが無いほどの悪だったとなっていますが、それでも殺す以外に方法はなかったのかしら?自分の子供がこの状況になったら私も同じように考えるのかな?そうすることが世間に対する親のケジメなのか?そんな事を考えました。土井崎向子に向けて滋子が発した「茜を見た」はちょっと余計だったんじゃないかって思いました。


| 本:ま行(宮部みゆき) | 20:41 | comments(20) | trackbacks(16) |
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コメント
私も滋子が書けなくなっていたという設定には驚きました。
ななさんと同じように「そんなに??」って(笑)。

この作品での敏子さんの存在感は凄いですよね。
私も最初はイライラすることがありましたが、過去に囚われない繊細さと優しさに、とても救われました。
あのまま滋子と暮らすっていうのもいいんじゃないかと思ったくらいです。

茜の事件に関しては、私もななさんと同感です。
結果的にはああいう結末もありだというのは理解できますが、果たしてそれしか選択肢が無かったのか。
親のケジメとか権利とか土井崎向子は語りましたが、本当は単に突発的で感情的な行動で…16年の間にその感情に対して説明をつけただけだったんじゃないか…と思います。
「茜を見た」というのは、確かに当事者に語るべき内容だったかのかどうかは、私にも疑問ですね。
でも、読者には必要なモノだったと思います。
| chiro | 2007/09/18 10:10 AM |
chiroさん、こんばんは。

滋子に同じように感じていたと聞いてホッとしました。
敏子、私も最初は過剰なまでの気の使いようにイライラしましたが、物語が進むにつれ敏子が出てくると気持ちが和んでいるのに気がつきました。私もずっとあそこに住んでいたらいいのにって思いました。
茜の事件、やっぱりそうですよね。
16年前に警察に茜をつれて警察に行くべきだったんです。それが親としてのケジメって思うんですけどね。
| なな | 2007/09/18 11:45 PM |
ななさん、こんばんは。
息子を失い大きな悲しみを背負っても、
明るく思いやりと感謝を忘れない敏子の思い。
「喪の作業」から「自分の仕事」へ。
大きなダメージを受けた前畑滋子の再起。
読み応えがありました。
土井崎夫妻は、やっぱり犯行直後に
茜を警察に連れて行くべきだったと思います。
| 藍色 | 2007/09/21 1:22 AM |
藍色さん、こんばんは。

子供を亡くした二人の母親。子供を亡くした悲しみは同じなんだろうけど、現在の置かれている状況が全く違う二人。
印象的でした。
滋子も自分の気持ちに折り合いをつけて、少し前へ進んだんですよね。

| なな | 2007/09/21 9:56 PM |
確かに親としてのけじめは、ななさんが書いてる通りですよね。
あの1瞬の行動というか、土井崎向子の心の動きが生々しくて、なんだかわかるような気がしてしまったのがすごく恐ろしかったです。
敏子の存在とラストに救われましたが、思い出すとどよよんとしてしまいます・・。
| june | 2007/09/22 12:21 AM |
juneさん、こんばんは。
自分がその立場に立った時どうするのか?
そんな事考えると恐ろしいですよね。
わかっていてもなるようにしかならない事ってありますよね。
やんちゃでもいいから、手の届かないところに行かないで欲しい。
| なな | 2007/09/22 8:15 PM |
へへへ。ご近所の本好きさんに貸してもらったよ!
『模倣犯』を読んだのが結構前だったし、実は映画を見ちゃっていたので、前畑さんは木村よしのの顔で終始読んでしまった。網川は中居くんね。

子どもが死ぬ話はすごく嫌だね。
すごく色々考えてしまったよ。
茜のこと、両親がもっと分かりやすく愛してあげたら
あんなことにはならなかったのかな。
| ゆうき | 2007/09/25 12:09 PM |
ゆうき、そうだと思った。
映画、木村よしのが前畑さんだったのね。
なんだかイメージ違うわ。

子供が死ぬ物語は色々考えちゃうよね。
茜のようなケースを見たり聞いたりすると
自分の愛は足りてるのか?って思っちゃうわ。
| なな | 2007/09/25 9:28 PM |
茜のような子どもがいたとしたら、私だったらどうするだろう。
また、等を亡くしても、明るく生きようとする敏子のようになれるのかと、子どもを持つ親として色々考えてしまいました。
| | 2007/10/15 8:17 PM |
花さん、こんばんは。
茜が自分の子供だったら…どうするんでしょうね。
いけないことだとはわかってるけど、だけど選択肢がなかったのかしら。
子供を亡くしても、子供の思い出と一緒に生きていこうとする敏子。強いですよね。
| なな | 2007/10/15 10:37 PM |
おはようございます。ななさん。
『模倣犯』事件から9年・・ということは、9年前に私は『模倣犯』を読んだんだ・・・という、全然関係ないところで感動してしまったクチです(爆)
どんな内容だったかも忘れかけてたのですが、この作品を読んでいて思いだしました。
例の“絵”はちょっと釈然としなくて、読後はモヤモヤでした。
| ゆう | 2007/10/19 9:09 AM |
ゆうさん、こんばんは。
私は「模倣犯」を慌てて読んだので
最近起きたんじゃなかったっけ?って感じでしたが
出た頃に読んでいたら確実に忘れてたと思います!
「絵」あれは「次の滋子の物語のための伏線だ」って説を
どこかで読みました。
どうなんだろう?
| なな | 2007/10/19 8:46 PM |
『模倣犯』の方は、想像の枠外にあるような事件で
すごいなぁ〜と思いながらもどこか他人事でした。
けれど、この作品は自分だったら…と
考えてしまいました。
身内に茜のような人物がいて、
切羽詰った状況に追い込まれてしまったら
警察という選択肢さえ思い浮かばないんだろうなぁ〜
| エビノート | 2008/01/06 8:42 PM |
エビノートさん、そうですね。
「模倣犯」は他人事だったけど
これはぐんと身近な物語でした。
茜のような子を持ったら、何が出来るんでしょうね。
そんな子にならないよう
愛をいっぱいあげなくちゃって思います。
| なな | 2008/01/06 9:31 PM |
「模倣犯」のときの滋子は、確か好きじゃなかったんですよね。今回も、ライターという職業ゆえなのか、好奇心を満たしたい一心だと思うんですよね〜、どんなに言い訳しようとも。ま、そうじゃなくちゃ物語は進行しないんですけどね。
でも、茜も明夫も、正直、「帰ってこない方がいいね」っておばあちゃんが言ったように、そういう子どもっていると思うんですよね〜。
もちろん、子どもだって最初から悪い子じゃないとは思うんですけど・・・複雑ですね。
| じゃじゃまま | 2008/03/02 11:49 PM |
じゃじゃままさん、こんばんは。
「模倣犯」の滋子。私の中では印象が薄くて
なんで彼女が続編の主役なの?って驚きました。
確かに「野次馬根性」が物語を進めていたのかもしれないですよね。
「帰ってこない方がいいね」いう子ども。
いますよね。息子達がそういう風にならないことを祈ります。
| なな | 2008/03/03 9:57 PM |
こんばんわ。TBさせていただきました。
「模倣犯」を読んで5年経っていたので、ちょっと忘れかけていたのですが、読んでいくうちに思い出してきました。
滋子さんにとってあの事件に終わりはないんだなと思いましたね。
でも、滋子さんは環境に恵まれていますよね。
旦那さんも素敵ですし。
最後に救いがあってよかったです。
| 苗坊 | 2008/06/18 10:51 PM |
苗坊さん、こんばんは。
この本が出てから慌てて「模倣犯」を読んだのですが
滋子が主役か!と驚きました。
それほど滋子にとって印象深い事件だったんですね。
滋子さんの旦那さん、素敵でした。
一度は危機が訪れたか?って感じの夫婦でしたが
旦那さんが優しくてよかった。
| なな | 2008/06/19 3:10 PM |
子育てって難しい‥。
その子の性格にもよりますが、子どもの寂しがっているサインを逃さないようにする事が大事なのかな、と思いました。

『模倣犯』読みたいと思いつつ長編だし内容重そう〜と未読でしたが、チャレンジしてみようかな。
| たまま | 2008/11/10 9:27 AM |
たままさん、こんばんは。
本当に子育てって難しいです。
育ててる自分がちゃんと立派な人間なりきってないですからね。反省ばかりです。
子どものサイン、見逃さないようにしなければ。

「模倣犯」私もこの本が出たのをきっかけに読んだのですが
分厚さ気にならないくらい夢中になりました。
一時期、図書館の予約待ちが長蛇の列だったのわかります。
宮部さんの本、分厚いのが多いですよね。
| なな | 2008/11/10 11:16 PM |
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