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「プリズム」野中柊
プリズム
プリズム
野中 柊

主人公の波子は33歳、週3回薬剤師としてパートしている。夫は37歳の病院勤務の外科医。母親は波子が小さい頃好きな人が出来て家を出て行き、父親は波子が13歳の時に、波子より13歳年上の香奈枝ちゃんと再婚、そしてすぐに波子の妹・梨香が生まれた。3人の年の差はちょうど13歳。一方、母親は好きになった人と再婚していて、8歳年下の弟・圭吾がいる。母が亡くなり、形見分けのため母の再婚相手宮野さんの家に行くところから物語が始まる。

波子が恋する相手は夫の親友・高槻。結婚前から夫と高槻とその妻とで食事に行ってたが、ある夜トイレの前ですれ違った時突然キスをされる。その事は意識して忘れようとしていたのに、高槻が離婚し、熱を出したといって波子の家に泊まった日にキスをし、二人の関係が始まった。

表紙がとても綺麗。野中さんの本は「読む」と決めているので、内容を知らずに借りてきました。「夫を愛してなかったら、あの人にも出会わなかった。悪いことはしてない。愛する人がもう一人できただけ。」ですって。すっかり入り込んでしまいました。
離婚した父親が作った新しい家族と母親が作った新しい家族の中で浮遊しているような波子。家族と言う感覚が薄い波子が作った結婚生活も喜怒哀楽のあまりないフラットな生活。そんな所に現れた高槻。

夫と何不自由ない生活をしているはずなのに、どこか寂しい。高槻が何しているのか考えないようにしていないといつも考えてしまう。いっそこのまま終わりになってしまったらいいのにって思いながらも、会えばすごく嬉しい。そんな波子を見た夫が「最近、波子はへんだね」と言う。携帯が鳴ってるのに出るのを躊躇する。躊躇してる相手に「出なくていいの?」と聞く。そんな主人公の胸の高鳴りや切ない気持ち、一つずつに共感しながら読みました。

色んな人が「恋に落ちた」状態を見ている梨香が一番切ないんじゃないかなって思いました。そして後から考えてみたら、高槻ったらちょっとずるいです。だって、だって、波子の夫の事を知っていながら、波子に近寄っていった訳でしょ…

そしてやっぱり野中さんの描く小説、食べ物が美味しそうです。食べたい、私も波子のような妻が欲しい。
| 本:な行(野中柊) | 22:41 | comments(4) | trackbacks(4) |
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コメント
ななさん、こんばんは。
波子の仕事が薬剤師さんだったので、ななさんに重ねないようにしながら読みました。
…『ダーティ・ワーク』でまみみさんに失礼しちゃったので…。
波子の恋する胸の高鳴り、切ない気持ちが伝わってきてすごく共感しました。
携帯に出るのを躊躇する場面、迷いが印象的でした。
今回も食べ物が美味しそうでしたね〜。
え!波子のような妻が欲しいってそれは…お料理に魅了されたんですね、わかります(笑)。
| 藍色 | 2007/08/22 12:53 AM |
藍色さん、こんばんは。
私も主人公の仕事が薬剤師だなんて!って思ったんです。
だけど、私の生活はこんなに優雅じゃないです。
そういう意味でも、美味しそうな料理がちゃっちゃと作れるって意味でも、波子が羨ましい。
自分がちゃっちゃと作るより、作ってくれる人が欲しい今日この頃です(笑)
| なな | 2007/08/22 9:33 PM |
わたしも同じく主人公の職業をみて、ななさんを思い出しました〜(@^^)/よかった、わたしだけじゃなくて。
いまいちよくわからんな〜と読んだお話でしたが、こちらでななさんの感想を読んだらようやく少しわかった気がします。い、いつになったらこういう作品がちゃんと楽しめるような素敵な恋愛ができるのかしら…??
| まみみ | 2007/09/20 10:16 PM |
まみみさん、こんばんは。
同じ薬剤師だけど、私の生活はこんなに潤ってないですわ。
優雅な生活に憧れました。
きっとまみみさんもこの年齢になったらわかることと思います。えぇ、きっと。
| なな | 2007/09/21 9:44 PM |
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