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「千年樹」荻原浩
千年樹
千年樹
荻原 浩

百段の石段を登った高台にある、今は荒れ社となった神社。その神木だといわれている樹齢千年を越えるといわれている巨大なくすの木。くすの木の下で起こる「現在」と「過去」の出来事。

ジンワリと恐ろしいというのか、読み終わった後にいろんな影像が頭の中にチラチラ。そんな物語でした。樹齢千年のくすの木。ウロがあり、幹には人の顔のような瘤、根はタコの足のように四方八方に張り巡らされている。昔から木の下で遊ぶ子供がいなくなる事から「子取りの木」と呼ばれている。時々聞こえる鳥ような声、時々見える子供の姿…ものすごい存在感で本の中に生えています。

8つの短編なのですが、それぞれ現在と過去、繋がりのある二つの物語が交互に語られます。過去は木が生えるきっかけとなった出来事から、色んな時代。現在の物語は、日方神社が経営する幼稚園に最後に通っていた子供たちが小さい頃の物語から40歳位までです。あまりぱっとしない町ですが、幼稚園に通っていた子供たちは大人になってもその場所にいます。

やっぱりくすの木が生まれる「萌芽」の話が一番印象に残っています。「郭公の巣」は最後まで読んで意味がわかってから再読するとなるほど…です。
「萌芽」
・国司としてこの地に赴任してきた公惟。浅子に国府が襲撃され、妻子と共に山に逃れて5日目。
・岸本たちのパシリとして買い物からの帰り道、近道にと通った神社で自殺を考える星雅也。

「瓶詰の約束」
・B29がこの町にもやってきた。ランドセルの中に宝物の瓶を入れて走る誠次。
・もうすぐこの幼稚園もなくなる。園児と一緒にタイムカプセルを埋めることにした。

「梢の呼ぶ声」
・14歳で遊郭に売られたきよ。客の長内に恋し、二人で逃げることにした。海の見える町のくすの木の下で長内を待つ。
・北海道の大学に行ってしまった博人。最近は喧嘩ばかりだけど、4ヶ月ぶりに帰る博人をくすの木の下で待つ啓子。

「蝉鳴くや」
・理不尽な事で切腹をしなくてはいけなくなった高橋。蝉の声が頭にこだまする。
・校長からクラスの雰囲気が悪いのは俺のせいだといわれた。くすの木の瘤を相手に見立てバタフライナイフで痛めつける岡田。蝉の声がうるさい。

「夜鳴き鳥」
・親のいないハチは通りすがりの旅人を殺して、物を捕り生きている。今日殺したのは母親だったのでは…
・ケンジはヤクザの堀井の下でパシリをする。今日はハンパな事をした岸本を始末する為、穴を掘る。

「郭公の巣」
・生まれてきたのはまた女の子だった。今年は凶作。子供は流すしかない…
・道に迷った家族。年子の姉と弟。

「バァバの石段」
・戦時中の物語。19歳の昭子は親の決めた人と結婚しなければいけない。相手は「かえるさん」と呼ばれている男だ。
・バァバがいよいよ危篤になり病院に呼ばれた。親の決めた結婚をしたバァバの人生は幸せだったのかな?

「落枝」
・浅子と長田の争いに巻き込まれたこの村。男達にクラが連れて行かれた。千代丸はクラを助けに行く。男達は鎮守様のところで酒盛りをしている。
・星は市役所の「あれこれ相談課」で働く。最近くすの木の落枝による事故が多い。今日も又お年寄りが怪我をした。
| 本:あ行(荻原浩) | 22:42 | comments(8) | trackbacks(5) |
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コメント
なかなか面白い章立てでした。

ストーリーは最初から切ない話のオンパレードで
痛かったですね。心が。
読み終わって
しばらく放心してました(笑)
| す〜さん | 2007/05/11 10:21 PM |
す〜さん、こんばんは。

そうです。切ない物語ばかりでした。
次の日まで引きずりますよね、この本。
| なな | 2007/05/14 7:44 PM |
ななさん、こんにちは。
本の中に生えています、っていう表現にびっくりしてうなずけました。
すごい存在感の樹でしたね。
ふたつの物語が持っている接点に、惹かれながら読みました。
| 藍色 | 2007/05/17 11:59 AM |
藍色さん、こんばんは。

最後まで読んで、くすの木のあまりの存在感の大きさに
「本の中に生えてます」だったんです。

二つの物語の接点、そして過去から未来へ全ての物語の繋がり。
暫くこの世界を引きずりますよね。
| なな | 2007/05/17 9:26 PM |
こんばんは。ななさん。
昔の話がとても印象的でした。
怖くて悲しくて、何ともいえない気持ちでいっぱいになりました。
時空を超えてのストーリー展開に、ぞくぞくしっぱなしでした。
| ゆう | 2007/05/21 9:11 PM |
ゆうさん、こんばんは。
最初の物語からすごく引き込まれましたよね。
3人がずっと木の周りに見えた気がしました
| なな | 2007/05/22 10:28 PM |
荻原さん、これがお初だったんですけど、「萌芽」にはショックを受けました。冒頭の親子の行く末にぎゅっと悲しくなって、時を経て星少年の自殺、止めようとしたんじゃなくて・・・のくだりはぞぞぞ〜〜っとしましたよ〜。
「蝉鳴くや」の岡田先生は、星少年と共にいじめられてた人ですよね。教師になったんだ〜ってちょっとびっくり。
「夜鳴き鳥」の話の繋がりがいまいち理解できなかったんですけど。どこが似てたのかしら。
| じゃじゃまま | 2007/11/02 12:31 AM |
じゃじゃままさん、おはようございます。
荻原さん、初読みだったんですね!
なんだか意外な感じ。
「萌芽」はショックでしたよね。
子供のために一生懸命生き延びようとする気持ち
そして最後に迎えたもの…
現在の物語の繋がりや過去との関連など
わかったときには「おぉ!」って思いました。
「夜鳴き鳥」の繋がりは…理解できていたのかどうなのか忘れました(あぁ、この頭…)
| なな | 2007/11/03 8:42 AM |
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