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「おしまいの日」新井素子
JUGEMテーマ:読書


三津子と忠春は結婚七年、夫婦仲よく、絵に描いたように幸せな生活を送っていた。ただ一つ、忠春が仕事で毎晩、深夜をまわるまで帰宅しないことを除けば―。忠春を案じるが故に、三津子は少しずつ正気の淵から滑り落ちてゆく。そしてとうとう「おしまいの日」がやってくるのだが…。新井素子の傑作サイコ・ホラー、待望の復刊。
主人公は結婚7年目の妻・三津子。優しくて仕事ができる夫と二人暮らし。とても幸せだが、一つだけ不満がある。それは夫・忠春の仕事が忙しくて、毎日深夜にならないと帰ってこない事。そしてどんなに遅く帰ってきても朝は同じ時間に家を出る。週末だって接待ゴルフや仕事が入り休めない日もある。三津子は大好きな忠春の体が心配。そんな三津子の日記を中心に三津子の高校時代の友人・久美の視点も時々入りながら物語が進む。

他人と接するのがあまり好きじゃない三津子は春さんがいればそれだけで幸せ。春さんのためにいい食材を使い料理を作り、どんなに遅くなってもご飯を食べずに待っている。そんな三津子の日記は途中で書いた文字に線が引いてあったり、黒く塗りつぶしてあったりしています。隣との境の塀から顔を出したノラ猫に「にゃおん」と名前をつけ、餌を与えたりするのですが、春さんにあわせようとしても猫は春さんが帰ってくる前に家から出て行ってしまう。そのにゃおんが本当にいるのか、いないのか?そんなところが三津子は異常って雰囲気をうまく出しています。

うちの事を考えてみたら夫は春さんと同じような状態。夜帰ってくるのは12時近いし、朝は6時過ぎには家を出るし。帰ってきてからする事といえば、ごはんを食べてお風呂に入って、ちょっとテレビ見て寝る。それだけだよね。だけど、私はそんなんでいいと思っちゃってるなぁ。8時頃帰ってこられたら逆にちょっと負担だったりする…え〜帰ってきちゃったの???なんてね。だからいくら子供がいないにせよ、三津子が7年間も同じような気持ちを持ち続けていられる事が不思議。

高校時代の友人・久美はそんな三津子を心配して家にお邪魔したり、ラジオ局での仕事を紹介したりします。久美の夫がいう「三津子みたいな妻は重荷だって」いう発言、たしかにそうかもしれない。

ただ、忠春本人はそれほど気にしていない。きっと仕事が大切で三津子と顔を合わせば「申し訳ない」って気持ちにもなるけど、でもそんな事一歩家を出てしまったら忘れちゃうんだろうね。「おしまいの日」の後、久美がいろいろ考えて「忠春さんが今迄と同じ生活を続けているのはおかしい」って言います。「あの人の人生ってつまりは会社じゃないのかな」って。確かにそうなんだろうなぁ。

「おわりの日」を迎えた三津子は失踪しますが、それからしばらくして久美が受け取った手紙。そこに書いてあった事は驚きだったな。春さんが忙しくておかしくなっていたという訳じゃなく、結局三津子はだれか一人自分の事だけ見ていてくれる人がいればよかったんだろうね。大人の春さんより子供のほうが自分だけのものになるもんね。その後を考えたらゾッとしました。

そしてラスト数行、忠春はやっぱり過労死してしまったと知ってさらにゾッとした。うちも気をつけなきゃ。


| 本:あ行(その他の作家) | 17:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
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