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「晴天の迷いクジラ」窪美澄
JUGEMテーマ:読書


やっと気づいた。ただ「死ぬなよ」って、それだけ言えばよかったんだ――。心療内科の薬が手放せない青年、倒産しそうなデザイン会社の孤独な女社長、親の過干渉に苦しむ引きこもり少女。壊れかけた三人が転がるように行き着いた海辺の村で、彼らがようやく見つけたものは? 人生の転機にきっと何度も読み返したくなる、感涙の物語。
図書館で予約していたのにうっかり取りに行くのを忘れ、また長い予約の順番待ちだった本。最初からぐっと引き込まれました。読んでよかった!

「ソラナックスルボックス」
東京でデザイナーとして働いている由人。会社は今にもつぶれそうだし、連日家に帰る暇もないほど仕事をしている。
子供の頃、母親は身体の弱かった兄にかかりっきりだった。口数の少ない由人は母親から放っておかれ、かまってくれるのは祖母だけだった。兄は高校生になってからひきこもり、母親は愛情の対象を妹に向けた。ところが妹は母親の愛情をもてあましグレた。妹は妊娠し、母親の愛情の対象は生まれた孫に向けられるように。したいことがあったわけじゃないが、父親に「家を出たほうがいい」と言われた由人は東京のデザインの専門学校に通い始め、1年先輩のミカと出会う。ミカと付き合うようになったが、由人の仕事が忙しくミカと別れる事に。そして鬱になった。

由人の母親、誰かしら過剰なまでの愛情を注ぐ相手が必要で、愛情を注いでいるんだけど結局その対象をダメにしちゃっています。由人は逃れる事が出来て幸せだったのかな。とはいえ、昼も夜もない仕事や彼女の浮気を見つけたことから鬱になってしまいます。仕事のしすぎで感情をなくし、生きていても死んでも同じって思ってしまうものなのか。なんだか怖いです。

「表現型の可塑性」
由人が働く会社の女社長である野乃花は短髪で年中アロハを来ている男のような女性。東京から遠く離れた漁港のある町で生まれ育った。子供の頃から絵の才能があったが、家は貧乏だった。高校の先生の計らいで県議会議員の息子である英則から絵を教わることになった。野乃花は英則の子を妊娠し、卒業してすぐに子供を産んだ。

母親になった野乃花は選挙活動に忙しい夫や義父母に放っておかれ、幼い娘と二人っきり。この閉塞感は感じた事がある!長男がまだ外に出られないくらい小さいころ、夕日を見ながら「あぁ、今日も誰とも話さないまま一日が終わっちゃう」って思った日々。泣く子供に乱暴をし、自分が抱くと泣くようになり苛立ち、だけど泣きながらも自分を求めてくる事にさらに苛立ち…そんな野乃花にだれか手を差し伸べてあげれたらよかったのに。

「ソーダアイスの夏休み」
高校生の正子は成長するにつれ自分の家はほかの家とは違うと感じるようになった。正子には姉がいたが幼いころ亡くなり、母親はそのことで自分を責めていた。そして正子が生まれてからは健康や生活面で正子に異常なまでの干渉をしてきた。高校生になり、同級生の海老君に声をかけられ、海老君の家で双子の姉に出会った正子。水曜日は6時の門限まで二人の家で楽しく遊んでいたが、母親がその事を知り禁止される。そして海老君の姉が亡くなった。正子は母親が作る料理が食べられなくなり、生きている証としてリスカをするようになった。

正子の母親が一番怖いかも。生まれてからずっと朝と晩に熱を計り、ちょっとでも高いと病院に連れて行く。母のにおいといえば消毒液のにおいだって言うんですから。体調管理だけでなく正子のすべてを管理していたいと思う母親。正子が食事をとれなくなってしまうのも当たり前。

「迷いクジラのいる夕景」
薬をたくさん飲んで自殺しかけた由人は練炭を持っていた社長である野乃花を誘いクジラを見に行くことに。その途中で雨にぬれていた正子を見つけ、野乃花が車に乗せた。三人は浅瀬にはまったまま次第に衰えていくクジラに自分の重ねる。クジラ対策に駆り出されている人が3人を家族と間違え、その人の家に泊めてもらうことになった。

泊めてもらった家のおばあさんと孫。3人がそれぞれおばあさんと話したり、孫と話したり。お互いの事を知ったり。本当に家族だったらいいのにって思いました。追いかけてきた母親に「帰らない!」と言えた正子。おばあさんの家で過ごした意味があった。
| 本:か行(その他の作家) | 22:54 | comments(0) | trackbacks(1) |
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