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「マツリカ・マジョルカ」相沢沙呼
相沢 沙呼
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 1,575

JUGEMテーマ:読書


柴山祐希。学校に居場所を見つけられず、友だちもなく、冴えない学園生活をやり過ごす高校1年生。そんな彼の毎日が、学校近くの廃墟に住む女子高生マツリカとの出会いで一変した。「柴犬」と呼ばれパシリ扱いされる憤りと、クールな色香に昂る男子的モヤモヤ感との狭間で揺れながら、学園の謎を解明するために奔走する祐希。そうして彼の中で何かが変わり始めたとき、自らの秘密も明らかになる出来事が起こり?やみつき必至!学園ミステリ連作。
高校生になってもなんとなくクラスに溶け込めないでいる祐希が、廃墟となったビルで出会ったマツリカという不思議な少女から命令されて様々な怪談話の調査をするという連作物。

高校生になってもクラスに溶け込めず、冴えない学園生活をすごしている高一の柴山祐希はある日学校近くにある廃屋の4階の窓から身を乗り出している制服姿の女の子を見つける。自殺しては大変と廃屋に入り込んだ柴山は同じ高校の制服を来ている謎めいた女子高生のマツリカさんとであった。マツリカさんは望遠鏡を使って廃墟から高校を観察している不思議な女子高生で、柴山のことを「柴犬」と呼んでパシリ扱いする。柴山はマツリカさんの短いスカートから覗く腿や開いた胸が気になり、気がつけばマツリカさんの奴隷となっている。

廃屋に住んでいるのか、ベッドを持ち込んだりホースをどこからか引いてきてお風呂に入ったり、何かと不思議なマツリカさんです。が、とにかく柴山への高圧的な態度が読んでいて不愉快ではありました。「原始人を探しなさい」だとか「ゴキブリ男を探しなさい」だとか無理難題がいっぱい。結局柴山君は探せずにマツリカさんのところへ戻り報告をするのですが、それに対してマツリカさんが謎解きをするのです。

「原始人ランナウェイ」
廃墟でマツリカさんと出会った柴山は学校の噂「夕方になると現れる原始人を探せ」と命令され、放課後の校庭で原始人を探していた。そんな時クラスメイトの小西さんが旧校舎の裏で見つけたという花束を持って現れた。それは供え物のようだった。教育実習生として学校に来ている卒業生の紺野先生に原始人の噂についてを聞き、花束を預かってもらった。

「原始人」の噂の真相は割りとすぐにわかった。なんだかいやな話です。相沢さん、この手の学校で起こる嫌な話を結構たくさん書きますね。

「幽鬼的テレスコープ」
写真部の小西さんは柴山が唯一はなせるクラスメイトだ。その小西さんに高校の裏側にある小さい山を舞台に行われる肝試しに誘われた。なんでもドタキャンをした男が一人いるらしい。くじ引きで偶然小西さんと一緒のペアになった柴山は、様々な仕掛けが施された道を進みながらゴールすると、幽霊が出たらしいという噂が広まっていることに気付いた。

16用意したお札が15しか戻っていないのに16チーム全員返ってきたと報告があった。途中で人の泣き声が聞こえたが主催者側は泣き声はしこんでいなかったという。そんな謎をマツリカさんが解き明かします。

「いたずらディスガイズ」
文化祭、柴山のクラスはメイド喫茶をやるらしいが、柴山にはまったく関係が無い事だ…と思ったらマツリカさんんいゴキブリ男の捜索をしろと命令された。高校に出没するというゴキブリ男の出現を見張る為、クラスがやっているメイド喫茶で長いこと座っていなければいけない柴山。そんな時、小西さんらから「隣のクラスでやるつもりだった「不思議の国のアリス」の演劇のアリスの衣装がなくなったから探して欲しい」と頼まれた。

ここにもイジメの断片が。それにしてもマツリカさんはなんでクラスの出し物に参加しない柴山を喫茶店に長時間いさせるような残酷な事するのかと思ったけど、これってやっぱり「愛」なのかしらね。

「さよならメランコリア」
卒業に向けての物語。

最後まで読むと柴山くんがシスコンになった理由がわかります。マツリカさんが柴山くんに辛くあたったのも、きっと学校に馴染んで欲しいからだったんじゃないかなぁって思えてきます。それにしても柴山くん、暗い男の子でした。あれこれあったから仕方ないのかもしれないけど。なんか最近読んだ「くちびるに歌を」のサトルも「猫色ケミストリー」の明斗もそんなタイプの男の子だった。ちょっと飽きました。もっとガッツのある男の子募集中!!!
| 本:あ行(その他の作家) | 20:32 | comments(1) | trackbacks(0) |
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コメント
新作はヘタレっぷりが増してる!?

新作「マツリカ・マハリタ」が出ましたね〜。
「マツリカ・マジョルカ」シリーズ続編も、ビタースイートでしたなぁ。ふふふ。

birthday-energy.co.jp/
ってサイトは相沢さんの本質にまで踏み込んでましたよ。今後に期待です!
| 鶯張り | 2013/10/02 1:57 PM |
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