シェイクスピアに心酔する小劇団主宰者の大輔と、その連れ合いで他人に愛を感じることができない無性愛者の瑞穂は、母親の育児放棄によって児童養護施設で暮らす演劇少女ひなたの週末里親になって、特殊な人材派遣業に起用することになるが―ワケあり3人が紡ぐ新しい“家族”の物語。
小劇団を主宰している本田大輔は資金稼ぎに夫役やら妻役を演じる、特殊な人材派遣をしている。妻役とか内縁の夫役を演じるとかいった、特殊な人材派遣を営んでいます。その大輔が目をつけたのが児童養護施設の週末里親制度。施設のクリスマス会に行き、子どもたちのお芝居が上演されると主役のヘレン・ケラーを演じた少女を指さし、あの子にしようと彼は言う。つまり特殊な人材派遣業に子役がいればもっと依頼が増えるだろうという計算である。そうやって大輔と大輔の妻である瑞穂のところに月に1、2回やってくるようになった10歳のひなた。瑞穂が母親、日向が孫として病院に入院する老人を訪ねたとき、瑞穂はひなたの演技力に驚かされる。
ひなたは母親が14歳の時に産んだ子。母親は施設に「面会に行く」といいながら、毎回土壇場でキャンセルするような人。大人の前では常に相手が気に入るような言葉は何かを考えている。たとえどんな親だろうとも、子供は親と一緒にいるのが一番幸せという世の中の常識は間違っていると、母親と一緒に住むことを拒否するのです。これが10歳かって言うくらい大人。環境が大人にさせたんだろうけど…大輔に「遊園地に行こう」と言われ、心の中で「オバサンも一緒がいい」と思いながらも、でもそうとは言い出せず「遊園地はきらい」って言っちゃうのが切ないです。
一方、週末里親の大輔は子どもの頃見たシェイクスピアの劇がいまだに忘れられなくて、いつまでも演劇の世界、シェイクスピアに入れ込んでいる。瑞穂は無性愛者で誰の事も愛せない。以前から友人だった2人は大輔が病気になった時に利便性を考えて夫婦になった。これまた世の中の常識から全く外れた夫婦。
いつでも、どこでもシェイクスピアについて熱く語ろうとする大輔を視線で制するひなた。瑞穂はすごく心配性でひなたを預かる事になった時にも育児書を色々読み漁り、でもそんな本に書いてある事と全く違う反応を見せるひなたに戸惑います。だんだんと心配しすぎる瑞穂を勇気づけるひなた。血は繋がっていなくても心は通じ合ってる。そんな3人のチームが最高!
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⇒ 式神自然数 (10/21)
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