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「無花果の実のなるころに」西條奈加
JUGEMテーマ:読書


父の転勤に同行せず、神楽坂の祖母と暮らすことを決めた中学二年生の望。包丁も持てない祖母は面倒くさがりで、気が強くて、決して世話好きには見えない。でも「お蔦さん、お蔦さん」と誰からも頼られるような、不思議な吸引力を持っている。そんなお蔦さん目当てに人が集まってくるから望も何かと忙しくて…。お蔦さんや学校のみんなに振り回されつつも少しずつ成長していく望の、あたたかくて少しだけ波乱のある爽やかな日常。表題作を含む六編収録の短編集。

西條さんといえば時代劇なのかと思ってたら、現代物でビックリ。でも、すごく面白かったです。



主人公の望は中2。曽祖父の時代から男が料理をするのが当たり前の滝本家。両親が北海道に転勤になったのを機に神楽坂で和装用の履物店を営む祖母であるお蔦さんと二人暮らしをする事に。お蔦さんはもとは神楽坂の芸者で、4、5年間の間佐原蔦代の名前で映画にも出ていたことのある人。決して世話好きじゃないのに、周りに人が集まってくる。そんな人。会社の社長も警察官もお蔦さんには頭が上がらない。

望が作る料理が本当に美味しそう。友だちのお母さんにカレーパンの作り方を教えてしまうんだからすごいです。私もこんな息子がほしいなあ。

「罪かぶりの夜」
幼馴染の洋平が警察に捕まったという。どうやら最近新宿区内で起きている蹴飛ばし魔の5件目の犯行が近所で行われ、近所をうろついていた洋平が犯行を自供したというのだ。手には犯人の物と思われるパーカーを手にしていたと言う。面会に行った望とお蔦さん。洋平は嘘を言っているのはバレバレだが、いったい誰を庇っているのか…

誰かを庇って嘘をつく。その嘘がばれないと、庇われた人はいずれその人を憎むようになる。確かにそうなのかもしれない。自分がした事なのに、誰かが庇って代わりに罰を受けてくれた。最初はありがとうって思っても、罪の意識が強くなり…

「蝉の赤」
もうすぐ文化祭。美術部の先輩は文部科学大臣賞を受賞した絵を飾るという。それは赤とオレンジが混ざり合った素敵な絵だが、先輩は乾蝉丸の絵のマネだという。望は文化祭までにクラスでやる模擬店のデザートメニューと隣のクラスの焼きそばメニューを考えなければ行けない。文化祭当日、先輩の絵が何者かに破られた…

文化祭にやってきた昔賞を受賞したという杖を突いた青年。彼が怪しいって思ったらやっぱりでした。でも、この物語は誰が犯人なのかを探るんじゃなく、そこから先やった人がやられた人がどう思うかが大切なんですね。今回も先輩が破った人を見て「将来の自分だ」と思い、そうはなるまいと思うところがいいところなんだな。

「無花果の実のなるころに」
思いがけずバレンタインにチョコレートをいっぱいもらった望。みんなのお目当てはホワイトデーのお返しなのはわかっている。ホワイトデーの前にタルトを試作する望。その時お店を覗く楓と名乗る女の子がいた。最近、神楽坂界隈では振り込め詐欺にひっかかる人が多い。

楓をジーっとみたお蔦さん。関係が気になる。

「酸っぱい遺産」
知り合いの社長・ワキさんが亡くなり、遺言状によりワキさんが持っていた株をお蔦さんが相続する事になった。その事を伝えに来たワキさんの長男はずいぶんと失礼な態度をとり、お蔦さんはその件について調べる事にした。

まったく、本当に色々な事によく気がつくお蔦さんです。

「果てしのない嘘」
楓の母親が家で怪我をして病院に運ばれ、ずっと会っていなかった父親が参考人として警察に連れて行かれたと言う。楓のお母さんは怪我をする前に誰かと会っていたようだが、

いやいや、楓の顔を見た時のお蔦さんの表情から何かあるとは思ってたけど、乾蝉丸が楓のお父さんでしかも望のおじいさんの年の離れた兄弟、しかも妾の子だったとは…そこにドリの父が関わってくるんだから…しかし楓ちゃんと望、親戚らしいが結婚は出来るのか???

「シナガワ戦争」
彰彦のお母さんにカレーパンの作り方を教えてほしいといわれ、洋平と一緒に彰彦の家に行く。その時、ドリから電話がかかり、「彰彦の彼女だと勘違いされ、拉致された」というのだ。3人と彰彦のお兄さん4人でドリを助けに行く。

ドリのことを拉致した3人はずいぶんと頭が悪そうです。が、星一徹のようなお父さんが面白かった。そしてドリのお父さんが言った言葉「心からすまないと相手に謝罪して、その上で己の罪の意識を抱えて生きるのも、それもひとつの立派な生き方だ」と言うのが、お蔦さんが言った言葉なんだなぁって感心しました。
| 本:さ行(その他の作家) | 21:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
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