CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
カウンター
グリムス
MOBILE
qrcode
<< 「恋愛小説」椰月美智子 | main | 「蜜姫村」乾ルカ >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
「抱擁、あるいはライスには塩を」江國香織
JUGEMテーマ:読書


三世代、百年にわたる「風変わりな家族」の秘密とは―。東京・神谷町にある、大正期に建築された洋館に暮らす柳島家。ロシア人である祖母の存在、子供を学校にやらない教育方針、叔父や叔母まで同居する環境、さらには四人の子供たちのうち二人が父か母の違う子供という事情が、彼らを周囲から浮いた存在にしていた。

分厚い本だったんだけど、読み終わったとき「あぁ、これで柳島家との付き合いも終わりなのか」ってすごく残念な気持ちになりました。

東京・神谷町にある、大正期に建築された洋館に長である祖父・竹次郎、ロシア人の祖母・絹。彼らの長女・菊乃は聡明で奔放、夫・豊彦は温厚。菊乃と豊彦の間には父の違う長女・望、母の違う末っ子・卯月、そして光一、陸子の4人の子供がいる。そして風変わりな伯父・桐之輔と出戻りの美しい叔母・百合が暮らす柳島家。柳島家では「子供は大学入学まで自宅学習」という方針だったが、1981年、父の愛人(弟の母親)の提案で、陸子は兄、弟と一緒に小学校に入学。学校に馴染めず、三ヶ月もたたずに退学する。陸子は解放されたことに安堵しつつ、小さな敗北感をおぼえる。そもそも独特の価値観と美意識を持つ柳島家の面々は世間に飛び出しては、気高く敗北する歴史を繰り返してきた。そんな柳島家の物語。母、菊乃には23歳で家出し8年後に帰ってきた過去が、叔母の百合にも嫁ぎ先から実家に連れ戻された過去がある。時代、場所、語り手をかえて重層的に綴られる、一見、「幸福な家族」の物語。しかし、隠れていた過去が、語り手の視点を通して多様な形で垣間見え――。
突然小学校に通わされる陸子たち兄弟の話で始まります。とにかく、柳島家の他の家とは違った家風がよくわかる物語。そこで、柳島家の子供は長女・望は父親が違い、末っ子・卯月は母親が違うことを知らされます。しかも、卯月の生みの親も母と一緒に学校に登場するのです。あぁ、驚いたと思ったら、次の章は昔に戻り、望の父親である男の妻が語るのです。その女性が柳島家にお邪魔した時に感じた違和感。家を出たときに感じた安堵。私も一緒にため息をついてしまいました。柳島家、本当にかわっているんです。でも、なぜか惹きつけられる。

1章ごとに時間が前後して、語り手も変わるのですが、それがすごく新鮮でした。家族のつながりって面倒だったりもするし、切ってしまいたいって思ったりもするけど、帰る場所があって、理解してくれる人がいるっていうのは素敵な事です。時々家族が言う「みじめなニジンスキー」「かわいそうなアレクセイエフ」そして 「 ライスには塩を 」の合言葉。家族だけにわかるこの言葉がいいのです。

百合が嫁いだ先での話はひどかったなぁ。現代だったら絶対に考えられないことです。

家出をし妻子ある男性との間に子を身篭った菊乃。生まれてきたのは望。そしてそんな菊乃と結婚する事にした豊彦。2人の間に生まれた光一と陸子。陸子が生まれる前から豊彦は会社の社長であり義父の秘書・麻美と関係を持っていた。そして卯月が生まれた。豊彦から「大切な人がいる」といわれた菊乃が「じゃあ、仕方ないわね」って言ったのに、驚いたし、納得もしました。だからこそ、豊彦が離婚を望み、麻美と一緒に暮らし始めた所を読んだ時にはなんだかすごく裏切られた気持ちになりました。

80歳を越え、一日ベッドの上で過ごすだけになってしまった絹さんの心の声。夫のこと、そしてあの人のこと。このあの人の存在にはすごく驚きました。夫・竹次郎はロンドン時代からずっとどんな思いを胸に抱えていたんだろう。

| 本:あ行(江国香織) | 22:19 | comments(12) | trackbacks(6) |
スポンサーサイト
| - | 22:19 | - | - |
コメント
沖縄に持って行かれなかったから、年末年始、長くに渡って読んでいました。

風変わりな家族だったけど、「かわいそうなアレクセイエフ」「みじめなニジンスキー」とか、自分達だけの言葉があったり、抱擁だったり、ライスには塩だったり、内輪が楽しそうだったね。

最初目にした時には変なタイトルだと思ったけれど、読み終わった後には、いいタイトルだと思うわ。
| ゆうき | 2011/01/07 3:30 PM |
抱擁、あるいはライスに塩を
検索していて 辿り着きました☆
江國ワールド好きなのです(*^o^*)
わたしも 早速読もう♪
| みいな | 2011/01/08 2:07 AM |
ゆうき、そうそう。
タイトル、読み終わってから見るとこの家族の想いがつまってるなって思えるよね。
内輪で楽しめる家族って結婚は上手くいかないものなんだよねぇ。
| なな | 2011/01/12 10:35 PM |
みいなさん、こんばんは。
江國ワールド、いいですよね。
静かで、この中だけで通用する決まりごとがキッチリと出来上がっていて。
楽しんでください♪
| なな | 2011/01/12 10:36 PM |
ななさん、こんにちは。
江國さんの小説、大好きでほとんど読んでいるのですが、これ物凄くよかったですよね!
読み終わるのが悲しく、残念でした。
柳島家の人たち、とっても心惹かれる魅力的な面々でしたね。
| 真紅 | 2011/01/31 8:27 PM |
真紅さん、こんばんは。
江國さんらしい物語でしたね。
家族だけにわかる言葉、親密だけどちょっと哀しいです。
柳島家の人たち、家族でいたら楽しいんだろうなぁって思いました。
| なな | 2011/01/31 9:10 PM |
ななさん こんばんは。
壮大な物語でしたね。私も柳島家の物語が終わるのがさみしく思えました。あんなに分厚い本を読んだのに…。
変わった家族だけど、なんだかうらやましくなるぐらい個がひきたっていて、この書き方は江國さんマジックだなぁ、と思いました。
江國ワールドが堪能できる1冊でしたね。満足しました (^o^)丿
| たかこ | 2011/02/07 12:05 AM |
たかこさん、こんばんは。
読んでいる間、柳島家の一員になっていましたよね。
あのまま、ずっと続いてくれたらよかったのにって思ったけど
人はそのままではいられない…
江國ワールド、堪能しました。
次はいつかなぁ。
| なな | 2011/02/07 8:48 PM |
こんばんは。
長いお話でしたが、柳島家を語るにはまだ短かったようにも思います。江國ワールドを堪能いたしました。
どこか浮世離れしていて、時代錯誤な家族でしたけど、独特のあの世界観を持っていて、何だか素敵な家庭に見えました。
1番印象に残っているのは百合の結婚生活です。
あまりにひどくて・・・。もっとちゃんといい人に出会えていれば素敵な奥さんになれたかもしれないと思うとかわいそうでした。
| 苗坊 | 2011/02/18 11:36 PM |
苗坊さん、こんばんは。
時代錯誤な感じも又素敵♪って思っちゃいますよね。
百合の結婚生活、私も印象に残ってます。
| なな | 2011/02/21 8:19 PM |
タイトルは読み終えて意味が分かった感じですね。
私の感想は辛口なんですけど、江國ワールド自体は満喫しました。
ただ、どうしてももしこんな人いたらやだなって思ってしまって。どの人も友だちになれないですね〜。(苦笑)
私も豊彦が離婚を選んだのは、がっかりでしたね。
| じゃじゃまま | 2011/05/21 12:02 AM |
じゃじゃままさん、おはようございます。

かわった人たちでしたよね。
だからこそ家族が団結していたのかもしれません。

豊彦、がっかりですよね。
| なな | 2011/05/24 8:30 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://nanamemo.jugem.jp/trackback/2337
トラックバック
抱擁、あるいいはライスには塩を
  「抱擁、あるいはライスには塩を」 江国香織 2010年 594頁       柳島家。大きな洋館。子どもを学校に行かせず、家庭教師を付ける主義。   父親と母親の違う4兄弟。   周囲からは浮いた家族。 年末年始はこの本
| わすれるまえに | 2011/01/07 3:26 PM |
甘やかな家の記憶〜『抱擁、あるいはライスには塩を』
 東京・神谷町にある広大な「お邸」に、三世代10人で暮らす柳島家。語り手 と時代を自由に交錯させながら描かれる、ある「特別な家族」の百年の物語。  ロシア人の祖母を持ち、父親と母親の違う兄弟姉...
| 真紅のthinkingdays | 2011/01/31 8:24 PM |
抱擁、あるいはライスには塩を / 江國香織
長編、確か600ページ近くあったはず。江國さんの総集編ともいえるこの1冊、じっくり味わえて本当に良かった。読後はじんわり、ずっと浸っていたい感じが続く。 それにしても、家 ...
| たかこの記憶領域 | 2011/02/06 11:58 PM |
抱擁、あるいはライスには塩を 江國香織
抱擁、あるいはライスには塩を著者:江國 香織集英社(2010-11-05)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る オススメ! 東京・神谷町にある、大正期に建築された洋館に暮らす柳島家。1981年、次 ...
| 苗坊の徒然日記 | 2011/02/18 11:27 PM |
抱擁、あるいはライスに塩を 江國香織著。
≪★★☆≫ ロシア人の祖母、厳格な祖父、離婚歴のある叔母、自由な叔父、そして両親と共に暮らす4人の子供たちの三世代に渡る家族の物語。 大きな洋館に住む柳島家では、子供は大学に行くまで学校には行かせない教育方針であった。 ところが、一番下の末っ子卯月の母
| じゃじゃままブックレビュー | 2011/05/20 11:59 PM |
「抱擁、あるいはライスには塩を」 江國香織
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 三世代、百年にわたる「風変わりな家族」の秘密とはー。東京・神谷町にある、大正期に建築された洋館に暮らす柳島家。ロシア人である祖母の存在、子供を学校に...
| 讀物バカ一代 | 2012/03/10 10:20 PM |