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「田舎の紳士服店のモデルの妻」宮下奈都
JUGEMテーマ:読書


田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、子育てに迷い、恋に胸騒がせる。じんわりと胸にしみてゆく、愛おしい「普通の私」の物語。

宮下さんの小説は本当に毎回楽しみ♪なのに今回はなんだかちょっと読む速度が遅くなりました。なんでだろう?共感するところはいっぱいあったんだけど…

夫がうつになり、会社を辞めて実家に帰りたいと言った。夫とは会社の上司に紹介されて付き合い始めた。格好よかった夫、子供も二人いて、順調に生活をしていたはずなのに。この生活がずっと続くと思っていたのに。夫の実家は北陸の一番目立たない県の県庁所在地にある。2年ごとの物語。
下の子がコミュニケーションを取れないことに不安を感じながらも、でも「ホント」を知ってしまうのが怖くて「多分もう少ししたらきっと大丈夫になる、はず」と思い、だけど心の中のどこかで「そうやって延ばし延ばしにして手遅れになっていたら」と心配し、だけどやっぱり怖い現実を見たくないから「でも、大丈夫」と思う。そんな気持ちってよくわかるなって思いました。

うつになり、生まれ故郷に帰っても朝は起きられず、夜は早くに寝てしまう夫。夫の事はあまり出てこないんだけど、「お互い独り言を言っている気がする」というのです。これもわかるんだなぁ。梨々子が「ボランティアを始めた」と継げた時に、夫が返してくる言葉。きっとつまらないことを言うだろうとわかってるんだけど、「梨々子はがっかりするだろう。そうして、とっくに払い落としてきたつもりだった期待のかけらを、まだ自分がこっそりと大事に抱えていたことを知るだろう」と。この言葉は印象的でした。

2年ごとの話なのですが、4年目の最後に芸能人と出会い、6年目までの2年間で7回会うのです。喫茶店で話したり、映画を見たりと清い交際なのですが、その相手アサヒが「もう終わりにしよう」といいます。お互いに相手に対して感じているのは同じ気持ち、「でも終わりにしないと」と。「じゃぁ、俺と行ける?」と聞くアサヒに頷こうと思いながらも、「頷いたら一生分の重荷を背負う事になる。背負うのがいやじゃなく、どんな理由であれ子供を重荷にしたくない」と。梨々子、えらいです。

年を取ると少しずつ楽になっていくと語る梨々子。私も先日、叔母と電話で話しながら「20年前の私はこんな風に気楽に色々話が出来なかったなぁ。年を取るって悪いことばかりじゃなく、いいこともあるもんだ」って思ったばかりでした。

最終章、田舎暮らし10年目には、いろいろ会って「人は一人なんだ」って思いながらも、田舎暮らしにも夫との生活にも慣れていく梨々子。人生なんてそんなものだよね。とにかく共感することばかりの物語でした。


| 本:ま行(その他の作家) | 20:58 | comments(4) | trackbacks(4) |
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コメント
TBさせていただきました。
子どものこと、夫とのこと、いろいろな細部に確かにいろいろなリアルが埋められていました。
私は男なんですが、性を超えてしみじみと読んだのですが、でも、これ、女性が汲み尽す総量とはずいぶん差があるようにも思いました。
| 時折 | 2010/12/03 5:42 AM |
時折さん、こんばんは。
TBありがとうございました。

本当にリアルで「わかる。わかるよ」って所ばかりでした。
あまりにも共感する部分が多くて
じっくりと読書でした。
| なな | 2010/12/04 9:38 PM |
こんばんは。TBさせていただきました。
宮下さんの作品は初めてでした。
梨々子のことが、始めはあまり好きになれなかったのですが、年を重ねていく事にこの田舎の地に慣れ、子どもとも夫の病気とも向き合っていくのが良かったと思います。
| 苗坊 | 2011/01/23 11:15 PM |
苗坊さん、こんにちは。

初宮下さんだったんですね!
「スコーレNo.4」お薦めです。

梨々子を見ていると年をとることも悪くないって思えますよね。
| なな | 2011/01/25 12:34 PM |
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