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「月と蟹」道尾秀介
評価:
道尾 秀介
文藝春秋
¥ 1,470
(2010-09-14)

JUGEMテーマ:読書


「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも」やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。やがてねじれた祈りは大人たちに、そして少年たち自身に、不穏なハサミを振り上げる―やさしくも哀しい祈りが胸を衝く、俊英の最新長篇小説。

1980年代後半の物語。主人公と友だちが海で五百円玉を見つけるのですが「最近出たばかりでつかったことはない」と。500円玉が登場したのが1982年なのはこの本の前に読んだ「青空オルガン」で知りました。

祖父と母と暮らす小学生の慎一は鎌倉に引越してから友達があまりできない。同じように関西から引越して来てあまり友達のできない春也と2人、秘密の遊びをするようになった。海でつかまえたヤドカリや魚を秘密の場所にもって行く。そこでヤドカリを焼いてヤドカミ様にすること。願いが叶うその遊びの果てに・・・

利根慎一は2年前父が働いていた会社が倒産し、家族で鎌倉市にほど近い海辺の町で独り暮らしをしていた慎一の祖父・昭三と同居を始めた。それから1年後父親が癌で亡くなった。

富永春也は慎一と同時期に関西から転校してきた同級生。転校生同士ということもあり、慎一の唯一友人と呼べる存在。

葉山鳴海は慎一の同級生。10年前、慎一の祖父・昭三が操縦していた船の事故で母親を亡くし、現在は父と二人暮らし。

慎一は、母親が鳴海の父親らしき人の車に乗っていたところを目撃し、会社の人と出かけて夜遅くなるたびに不安を募らせイライラしている。春也は時々体に痣が出来たり、お腹がくっつくほど薄くなっていたり。どうも酒乱の父親から虐待を受けているみたい。そして鳴海は、事故で母親を亡くした原因は慎一の祖父だと恨み、父親と慎一の母親が付き合っているのでは?と思っている。鳴海の事が気になる慎一は鳴海と春也が仲良く話をしているのが気に入らない。3人それぞれが、胸の中にモヤモヤした気持ちを抱え日々を送っている。そのモヤモヤに耐えられなくなった時…

とにかく全体に暗い靄のかかった印象。もうちょっと色んな事がどうにかならなかったのかしらねぇって思ってしまいます。

みんな不幸なんですけど、おじいちゃんが一番不幸かな。最後の最後まで慎一のことを気にかけていて「何かあったら話すんだぞ」って言ってましたね。話していたら又違ったラストだったのかな。

子供の描写がとても素晴らしいと思いました。仏像を見ながら意識して思案深げな顔をしてまるでじぶんが仏教の研究者になったような気分になったり、木々の間を抜けながら今度は植物学者になったような気分になったり。小学生の頃ってそういう風にすぐに想像(妄想)するんですよね。そして風が吹きすさぶ山の上の秘密の場所でヤドカリを火で炙るのですが、ちょっと野蛮な感じも受けますが、考えてみれば自分だって子どもの頃そういうことしていました。
| 本:ま行(道尾秀介) | 22:15 | comments(4) | trackbacks(3) |
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コメント
ななさん、こんにちは。
ヤドカリに子供たちがする行為とか、今自分が大人になって見てみると、うげげ・・って思うんだけど、そういう自分も子供の頃、アリんことかに、かなり酷い行為をしていたな・・・と思い出したりもして・・。
かなり暗い作品でしたね。でも、すごく引き込まれて読みました。なんだかみんながみんな、可哀相なお話でした・・。
| latifa | 2010/11/11 2:03 PM |
latifaさん、こんばんは。

そうなんです。
ヤドカリのところ、なんだ!って思ったんだけど
そういえば、私もしていたかも…って。
子供ってそういう残酷なところありますよね。
とにかく暗かった。
海の近くなのに、鎌倉なのに
キラキラした感じが全くない!
| なな | 2010/11/11 9:46 PM |
暗い話でしたよね。あんまり好みではないんですけど、でも振り返ると、三人の子供たちが、小さい心に抱えた悩みの大きさに改めて気付かされて、読み応えのある作品だったんだな〜と、後から思いました。(苦笑)
| じゃじゃまま | 2011/04/03 4:53 PM |
じゃじゃままさん、こんばんは。
本当に暗い話でしたね。
表紙が物語にぴったり。
| なな | 2011/04/15 11:16 PM |
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「月と蟹」感想 道尾秀介
凄く引き込まれました。
| ポコアポコヤ | 2010/11/11 2:04 PM |
月と蟹 道尾秀介著。
≪★★≫ 「ヤドカミ様に、お願いしてみようか」「叶えてくれると思うで。何でも。」やり場のない心を抱えた子供たちが始めた、ヤドカリを神様に見立てるささやかな儀式。やがてねじれた祈りは、大人たちに、少年たち自身に、不穏なハサミを振り上げるーやさしくも哀し
| じゃじゃままブックレビュー | 2011/04/03 4:48 PM |
子どものこころ
小説「月と蟹」を読みました。 著者は 道尾 秀介 今作で直木賞を受賞しました やはり 最近の道尾さんの作風で ミステリというよりは文学としてドラマが強い そして、怖さもある 最近で言うと、 光媒は好きでしたが球体はダメだった僕ですが・・・ 今作は長編とい
| 笑う学生の生活 | 2011/10/16 8:36 PM |