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「竜が最後に帰る場所」恒川光太郎
JUGEMテーマ:読書


恒川光太郎が五つの物語で世界を変える―。風を、迷いを、闇夜を、鳥を。著者はわずか五編の物語で、世界の全部を解放してしまった――。静謐な筆致で描かれた短編は、小説の新たな可能性を切り拓く!

上の文章は帯に書いてある言葉。最初の2編くらいはなんだか普通の世界なので、「五つの物語で世界を変えるー」って言うのは大袈裟なのかな?なんて思っていました。だけどやっぱり恒川さん、普通の世界の隅にちらりと見える普通じゃない世界が広がっていました。「鸚鵡幻想曲」がいちばん好き。

「風を放つ」
学生時代のバイト先で知り合った高尾さん。僕はバイトをやめさせられたが、その後高尾さんの携帯から電話が。かけてきたのはマミさんという女性だった。マミさんはあけた人の言うことをきく精霊を閉じ込めたビンを持っているという。

マミさん、何者だったんだろう。恨んだ相手を殺せる能力って本当にあったのかしら。

「迷走のオルネラ」
母親が連れてきた男・宗岡に母親は殺された。叔父の家に引き取られ成長した主人公は当時宗岡の妻だった女性と連絡を取った。妻だった女性には娘がいて、ある時娘が書いたマンガを送ってくれた。それは幻想的な世界だった。出所した宗岡をつかまえ、狂気に追い込んでの復讐を目論見ます。

短編なのに色々な場所に連れて行かれたって印象。主人公が付き合っていたコジマがすごく不思議な女性だったし、宗岡の娘が書いた漫画も不思議。なにより医者になった主人公が、出所した宗岡を軟禁して「昼は医者、夜はマスクをつけて」って言うのがすごく異様な感じでした。

「夜行の冬」
昔祖母に聞いた「冬の夜中に聞こえる≪夜行様≫の歩く音が聞こえる晩には外へ出てはいけない」という言いつけをやぶり、どこかへと向かう集団に加わった主人公の行く先とは。

赤いコートを着たガイド。狸がやっているむじな亭で食べる鍋。そこを出たらはぐれてはいけない。次の朝になり目覚めると新しい世界が。今日の世界が一番いいのか。いや、もっといい世界があるかもしれない。そんな風に毎晩外に出て行く人たち。ずっと続いていくのかしら…怖ろしいです。

「鸚鵡幻想曲」

ポストであったりピアノであったり、自然にそこに存在しているかのように「偽装」している「偽装集合体」を見抜き、それを解放する能力を持ったアサノと名乗った人物。彼に集合を解かれてしまった男であった意識は鸚鵡(オウム)に姿を変え、ある島へと辿りつきます。

偽装集合体を開放するアサノの物語なのかと思ったら、アサノに開放された元男だった鸚鵡20羽の物語。ポストになってしまったテントウムシが開放していく様子を想像したらゾッとしました。

「ゴロンド」
水の中の卵で大勢の仲間と一緒に孵化し、捕食されることを逃れて成長した生き物はやがて陸に上がり仲間の下で成長し「ゴロンド」という名を与えられます。巣立ちの時を迎えたゴロンドたちが、いつか帰る場所を探し求める物語。

タイトルは「ゴロンド」だけど、本のタイトル「竜が最後に帰る場所」につながる物語。最後に帰る場所はどこなんだろう。
| 本:た行(その他の作家) | 22:35 | comments(2) | trackbacks(1) |
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コメント
ななさん、こんにちは♪
私も「鸚鵡幻想曲」が一番好きでした。
凄く気に入ってしまったので、子供にも強制的に読ませようと思っています(^^ゞ

あと、「田舎の紳士服店のモデルの妻」もTBさせてもらいました。宮下奈都さんの本、私も普段はサクサク読めるのに、今回はちょっと読むのに時間がかかりました。それだけ、自分に身に詰まされる・・グワグワ来る部分が多かったのかな・・。
| latifa | 2010/12/03 4:30 PM |
latifaさん、こんばんは。

「鸚鵡幻想曲」は色々な「偽装」しているものの色が頭の中にくっきりと映りました。
お子さんと一緒に本を読んで、感想を言い合えるのって私の理想です。


「田舎の…」は本当に一つひとつがズシっと重かったですね。
| なな | 2010/12/04 9:42 PM |
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恒川光太郎「竜が最後に帰る場所」感想
何と言っても、4つめの「鸚鵡幻想曲」が素晴らしいですね!!
| ポコアポコヤ | 2010/12/03 4:25 PM |