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「扉守」光原百合
JUGEMテーマ:読書


瀬戸の海と山に囲まれた懐かしいまち・潮ノ道にはちいさな奇跡があふれている。こころ優しい人間たちとやんちゃな客人が大活躍。待望の、煌めく光原百合ワールド。

あとがきによると潮ノ道は尾道をイメージして書いたとの事。読み始めてすぐに私も尾道を想像していました。一度だけしか行った事ないけど、坂の多い静かな町って印象。


山と海に囲まれた坂道の多い町・潮ノ道。そこは古くから栄えた歴史を持つ不思議な力の宿る場所。4つの霊山に囲まれたくぼ地のようなこの土地には、不思議な力が流れこんで溜まりやすいらしく、様々な人や人以外のものが立ち寄る。そんな旅人たちと、潮の道に住む人々の交流が描かれた7つの物語。

一番好きなのは「帰去来の井戸」です。


「帰去来の井戸」
大学生の由布は伯母の七重が店主の小さな飲み屋でアルバイトをしている。店の常連客である浜中が、息子が建てた茨城の新築へ引っ越すこととなった。七重はもう一度潮ノ道に戻ってこられる言い伝えがある、店にある井戸の水を飲ませる。

体調を崩した伯母から井戸の言い伝えを聞く由布。これから井戸を守っていくんだろうなぁ。満月の夜に思い出しそうな物語。

「天の声、地の声」
白球山の上にある古い洋館は、解体しようとすると必ず妨害が入る。その小幡屋敷にいるのは「畳たたき」という妖怪らしい。問題を解決するために呼ばれたのは、劇団天音の人たち。彼等は土地の声を聞き、それを演劇化することで土地の想いをみんなに伝えるのだ。

かつて屋敷に住んでいた少女とぱたぱたさんの物語を演じる劇団天音の人たち。ぱたぱたさんの気持ちを考えるとせつないですね。やっぱり妖怪や妖精を見ることが出来るのは子供だけなのかな。

「扉守」
女子高生の雪乃は自分の思いは押し殺したまま、周りの人の意見に振り回されてばかり。ところが友人と映画を見た帰り道で立ち寄った雑貨屋で不倫の末に刺し殺された女性の幽霊を見る。次の日、雪乃は通学路と別な場所を通り雑貨店を見つけた。そして気がついたら友だちや母親に自分の気持ちを言えるようになっていた。

雑貨屋『セルベル』の店主、人間じゃないのね!扉守という役割は異形のものが出入りするこの町ではとても重要なものなんでしょうね。どんどん取り付かれたモノに気持ちを占領されてしまった雪乃が心配でしたが、犬に助けられて良かった。

「桜絵師」
女子高生の早紀は、持福寺に滞在中の絵師・行雲が描いた桜の木の側で若い男の人影を見た。その絵が気になる早紀は絵を見に何度もお寺にやって来た。絵の中の桜は少しずつ変化し、早紀はとうとう絵の中に入り込んでしまった。

絵の中に入っちゃうんだろうなとは思っていたんだけど、桜吹雪が目に浮かぶ綺麗な物語でした。

「写想家」
独身の祥江は結婚した友だち・晃代から来る家庭での愚痴メールに嫌気がさしていた。そんな彼女の前に現れたのはフォトアーティストと名乗る若者・菊川。彼は人の「想い」のオーラを写真に吸いとることで、美しい作品を創りだす写真家。

オカマっぽい菊川、印象深いです。人の邪悪な想いは菊川にどんどん撮ってもらいたいものです。菊川に撮影してもらって心が落ち着いた祥江が晃代と偶然出会い、お互い思いやれるラストが素敵。

「旅の編み人」
女子高生の友香は片想いの相手に手編みのマフラーを編みながらも手渡せずに過ごしている。ある日、電車に乗っていたら寝ている女性の手荷物から編んでいた毛糸が鳥のようになって飛んでいったのを目撃した。その女性は新久嶺亜霧という編み物作家だった。

友香と編み物アーティストの新久嶺、会話は全くかみ合わないのに、なんとなく気があっている二人の掛け合いが面白かったです。

「ピアニシモより小さな祈り」
幻のピアニストと呼ばれる神崎零と、マネージャーで専属調律師の木戸柊が、再び潮ノ道でへコンサートを行った。神崎の演奏に魅入られ、潮ノ道で毎回スタッフを買って出ている静音は、祖母の持ち物だった家にある弦を張っても翌日には切れてしまうピアノのことを話してしまう。

神崎の外向けの顔とリラックスしている時の態度の違いが面白かった。そして調律師の木戸。彼なくしては静音のピアノは幸せになれなかった。
| 本:ま行(その他の作家) | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
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