CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
カウンター
グリムス
MOBILE
qrcode
<< 「御不浄バトル」羽田圭介 | main | 「夏色ジャンクション」福田栄一 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
「路地裏ビルヂング」三羽省吾
JUGEMテーマ:読書


毎日すれ違うけど名前も知らないふしぎな距離感。同じおんぼろビルで働く人々のそんな関係から生まれる、日常のドラマを描く6篇の雑居小説。

各章の主人公はなんとなく、惰性でその場所にいるんですけど、ちょっとした事がきっかけでちょっと前向きになったり、自分を見つめなおしたり。読んだ後、優しい気持ちになれる本でした。

路地裏にある古ぼけた「辻堂ビルヂング」エレベーターはすぐに壊れ、エアコンは効かない、トイレが流れる勢いも弱い雑居ビル。屋上は鉢植えやプランターなどがいっぱいで、保育園のシーツがほしてあり、喫煙所があり、小さな祠もある。

6F 辻堂デザイン事務所
5F オーガニック・ヘルス(株)
4F HN 不動産分室
3F 辻堂塾
2F あおぞら保育園
1F お食事処

『道祖神』
5Fの怪しげな健康食品販売の営業マン・加藤の物語。バイト生活から抜け出し働き始めたのはノルマの厳しい健康食品会社。一緒に入社した同期との物語。

半年頑張って失業手当をもらうなんて言ってた加藤が後々後輩を10人も引き連れて歩いているんですから…

『紙飛行機』
2Fの無認可保育園の56才のパート種田先生。息子が結婚するのを機に同居しようと言うが、今の仕事を辞める踏ん切りがつかない。

『サナギマン』
3Fの塾のバイト講師・大貫。司法書士を目指しながら、とりあえず塾の講師をしている。5Fの黄色いジャケットを着た人たちからエンピツと呼ばれる。生徒の大和に模試を受けたくないと相談される。

塾の生徒大和くんが実に健気。

『空回り』
4F不動産営業のテレホン・アポインター・桜井。学生時代から知り合いの夫はゲームにはまり、そんな夫に会社の愚痴をいい、意見をもらう日々。辻堂ビルヂングに泥棒が入り、自警団が結成されその会合に出席することになった。

『風穴』
6F広告制作会社の営業マン江草。新人デザイナーの瀬戸と組んで、新しい仕事をしようとする。

歴女ツアーの企画を次々と作り出す瀬戸の企画力。すごかったなぁ。やる気がまったくないって思ってた中堅デザイナーたちがちゃんと江草のことを見ていて、いいなぁって思えるラストでした。

『居残りコースケ』
いつも1Fの店に座って落語をきいている老人と、屋上の草花に水をあげる女性。この辻堂ビルヂングの歴史が語られる…。

1Fのお食事処が笑えます。働いているのは長い名前がわからないからと5Fの社員が「ガンジャ」と名づけた褐色の肌をした日本語の拙い外国人。店はおでん屋、カレー屋、お好み焼き屋、ホルモン焼き屋とかわり、最後にはなんでも置いている店なり店子たちが入るようになったが、江草が言うにはラーメン屋や炉辺焼き屋、沖縄料理をやっていた時期もあり、キャラメル・マキアートしかおいてないコーヒーショップ(名前がなんと「スター・ベックス」)だったこともあるとか。ガンジャは「オマエラ何ノム」なんて聞いちゃうんです。
| 本:ま行(三羽省吾) | 19:45 | comments(4) | trackbacks(4) |
スポンサーサイト
| - | 19:45 | - | - |
コメント
こんばんは。
ほのぼの、楽しい物語でしたね。

加藤がいつの間にか後輩いっぱい引き連れて歩いてるのには、びっくりして笑っちゃいました。
1階の飲食店、一度覗いてみたいものです。
| ちきちき | 2010/08/29 5:48 PM |
ちきちきさん、こんばんは。

加藤!大丈夫なのかしら?って思ったんだけど
結構あの仕事があってたみたいですね(笑)
1階の店、本当に色々な店になってましたね。
「スター・ベックス」が一番面白かった。
| なな | 2010/08/30 9:32 PM |
ナナさんの記事を読んで面白そうだったので読んでみました(^^)

私はレトロなものがすきなので古いビルヂングを見かけるとうれしくなってしまいます。そんな古いいビルヂングに一瞬だけ交差してしてまた去っていく人たち。コースケおじさんがその見届け人といった感じでしょうか。
派手な展開があるわけではないけれど、ちょっと暖まるおはなしでした。
| 日月 | 2010/11/27 1:52 AM |
日月さん、こんばんは。

古い建物って細かいところまで丁寧に作ってあって
遊び心いっぱいで見ていて飽きないですよね。

最初の物語の営業がなんだか嫌な感じだったんだけど
読み終わってみたら本当にあたたかな物語でしたよね。
| なな | 2010/11/28 7:08 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://nanamemo.jugem.jp/trackback/2201
トラックバック
路地裏ビルヂング
JUGEMテーマ:読書&nbsp; ゆるくてフツーで、笑ってしみじみの雑居ビル物語変な店子揃いの辻堂ビルヂングの人々に訪れる、ささやかで大切な変化を軽快に描く連作短篇集。仕事や人生に迷ったときに是非!「辻堂ビルヂング」に集まるのは自転車操業の保育園にあやし
| ぼちぼち | 2010/08/29 5:49 PM |
「路地裏ビルヂング」 三羽 省吾
路地裏にあるレトロなビル、そこで働く人々の、おかしくて切なくて、ちょっとほっこりする物語。「路地裏ビルヂング」。路地裏に建つ 「辻堂ビルヂング」は築数十年のレトロなビル。店賃が安いせいか種々雑多な業種がテナントを借りています。広告代理店や不動産会社、
| 日々の書付 | 2010/11/27 1:47 AM |
三羽省吾『路地裏ビルヂング』
路地裏ビルヂング三羽 省吾文藝春秋 今回は、三羽省吾『路地裏ビルヂング』を紹介します。辻堂ビルヂングでのフロアの人一人が主人公になる6篇の連作短編集ですね。仕事についてみんなそれなりにがんばっているんだよねということがわかる小説でした。 道祖神:5F健康
| itchy1976の日記 | 2011/06/23 8:45 PM |
三羽省吾『路地裏ビルヂング』
路地裏ビルヂング著者:三羽 省吾販売元:文藝春秋(2010-07)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る 路地裏ビルヂングという名の人生。 内容(「BOOK」データベースより) 毎日すれ違うけど名 ...
| 時折書房 | 2012/02/21 7:13 PM |