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「無理」奥田英朗
評価:
奥田 英朗
文藝春秋
¥ 1,995
(2009-09-29)

JUGEMテーマ:読書


合併で誕生した東北の地方都市、ゆめの市。この寂れた市に住む5人は、それぞれに鬱屈を抱えていた。何の展望も開けないゆめの市で、5人の運命が動き出す。

分厚い本でめげそうになったのですが、やっぱり奥田さん読ませます。昨日から急に寒くて、まるで私も雪が降る寒いゆめの市にいるかのような感覚でした。

相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一―もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。5人の物語が交互に語られます。
五人が住むゆめの市は一年前に三つの町が合併して出来た、人口十二万人の市。景気低迷のなか、町には活気がない。駅前の商店街はさびれ、人々は大型ショッピングセンターに集まる。犯罪はここ十年で倍増し、「ジーニョ」と呼ばれるブラジル人の出稼ぎ労働者が増え、新たな火種になっている。生活保護家庭は二十世帯に一世帯。まともに働くより生活保護を受けたほうが「収入」がよく、生活保護で暮らしている若いシングルマザーがいっぱい。今までいい加減に受給資格を与えていた市は合併後急にシビアに。

なんだか地方にありそうです、ゆめの市。仕事もなく、遊ぶ場所もなく、道を歩けば知り合いに出会う。そんな中でくすぶっている人たち。

相原は仕事中に張り込んでいたパチンコ屋で主婦の不倫を目撃する。そして自らも見知らぬ主婦とホテルに。帰り道にダンプに追突されそうになる。味を占めた主婦相手の不倫ですが、そこで仕事をしている元妻を見つけてしまう。

加藤は詐欺まがいの仕事もなんとか上手くいき始めるが、元妻に1歳の息子を引き取れと言われたり、父親がパチンコで作った借金を肩代わりしたり。暴走族時代、そして今の会社の先輩が引き起こした社長殺害に巻き込まれる。

山本は親から受け継いだ地盤で市議会議員を務めるが、妻はキッチンドランカーで浪費癖があり、父の代から関わりのあるヤクザのトラブルに巻き込まれる。

妙子は夫と離婚し、子供とも音信不通。保安員をしながら新興宗教にすがっているが、別の新興宗教団体から嫌がらせをされ職を失う。敵地に乗り込んでいったつもりが…

史恵は絶対に東京の大学に進学して町を出ると決心している。塾の帰り道に拉致され、ゲームの世界に身をおき、家庭内暴力を振るっている男に監禁される。

すべての事が悪い方向へと転がっていきます。お見事!って言いたくなるくらい。

妙子が加藤の父親と知り合いになったり、史恵と山本の息子が同じ塾に通っていたりと少しずつつながりはありますが、雪の降る寒い日に玉突き事故にあってしまう5人。それぞれがこの先どうなっちゃうんだろう?って感じです。最後まで読んでから表紙の絵をみると、この本にピッタリだってことがわかります。

| 本:あ行(奥田英朗) | 21:46 | comments(4) | trackbacks(6) |
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コメント
不幸の連続で楽しい要素ゼロなのに、先が気になって読み込んでしまいました。
どの話もあってもおかしくないと感じるのは日本が病んでいるからなのかな‥

お金がない人はお金があれば‥と思うけど、お金があっても必ずしも幸せじゃない。本当の幸せってなんだろう?と考えさせられました。
| たまま | 2009/11/27 9:15 AM |
たままさん、こんばんは。
みんなどんどん落ちて行くのに
それほど不快感もなく先が気になりましたよね。
不思議でした。

どの話もあってもおかしくない。
え〜ありえない!って思えないのが怖いですよね。
| なな | 2009/11/28 6:39 PM |
さすが奥田さんですよね。これだけ人生坂を転がり落ちていく人々揃えちゃって。
あのラストも、あえて、なんでしょうけど、その後気になりますよね。すごいてんこ盛りだから、いろんな場面最後まで書ききって欲しかった気もしますが、そしたらもっと分厚くなってましたね。(爆)
| じゃじゃまま | 2010/04/27 10:52 PM |
じゃじゃままさん、こんばんは。
人生を転がり落ちる人たちなのに
なぜか読んでいても嫌悪感を感じないところが
奥田さんの素晴らしいところなんだなって思います。
ラスト、その続きはどうなったの???って
気になりますよね。
| なな | 2010/04/29 10:39 PM |
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| じゅずじの旦那 | 2010/02/19 9:21 AM |
「無理」感想 奥田英朗
分厚い本ですが、楽しく読みました。4つ★
| ポコアポコヤ | 2010/03/25 4:18 PM |
無理 奥田英朗著。
≪★★★≫ 合併間もない地方都市ゆめの市。妻に浮気され捨てられた生活保護課の市役所職員相原友則、こんな田舎暮らしから抜け出して東京で女子大生になることが目標の女子高生久保史恵、元暴走族で年寄りばかり狙った詐欺まがいの営業をしている加藤裕也、スーパーに
| じゃじゃままブックレビュー | 2010/04/27 10:49 PM |
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| お花と読書と散歩、映画も好き | 2011/05/22 12:13 PM |
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無理奥田 英朗文藝春秋 今回は、奥田英朗『無理』を紹介します。群像劇ですね。舞台は東北の地方都市12万人が住んでいるゆめの市である。そこにすんでいる5人。自分で何とかしようとしているんだけど、この町にいるがゆえになんともできないというもどかしさがわかる。
| itchy1976の日記 | 2011/05/24 8:22 PM |