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「贖罪」湊かなえ
JUGEMテーマ:読書


誇るべきところは空気のきれいさ、夕方六時にはグリーンスリーブスの音色。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺人事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる――これで、私の罪は、償えたのでしょうか?

人気がある湊かなえさんの本。図書館ではこの本と「告白」が予約人気ベスト10に入ってました。読み始めたらグイグイひきこまれます。面白いんだけど、伊坂さんの本を読むようなワクワク感は全くない。有川さんの本を読む時のようなドキドキ感も全くない。人の暗部、どろどろした負の部分だけで成り立っているような気がするのです。そういう本って読んでいる途中で「もう、いや!」って思う事もあるんだけど、湊さんの本ではその「もう、いや!」って言う気持ちにならないのが、上手いところなのかなぁ。

空気がきれいな事だけが取り柄の田舎町に、日本一の精密機器メーカーの工場が建てられた。工場で働く人たちが東京からやってきた。エミリちゃんを含む東京からの転校生により、今まで自分達が普通だと思っていた生活が不便なものなのだと気がついた。バービー人形を自慢する東京から来たエミリちゃん。その田舎町ではフランス人形を飾るのがいまだに習慣になっていた。

8月14日の夕方、お盆のということもあって校庭で遊んでいたのは、紗英、真紀、晶子と由佳、そしてエミリちゃんの五人だった。そこへ作業着の男がやって来て「誰か一人手伝ってくれないかな」人を疑うことのなかった田舎町。手伝いという言葉を聞き、みなが立候補したが、男が選んだのはエミリちゃんだった。残された4人はまたバレーボールに夢中になっていた。ところが「グリーンスリーブス」が聞こえ、6時になったのにエミリちゃんが帰って着てないことに気がついた。声をかけても返事がない。そして男子更衣室でエミリちゃんの死体を発見した。4人とも男の顔が思い出せない。事件から日が経ち、町の人たちはエミリちゃんの事件の事を忘れていった。しかし、エミリちゃんのお母さんは違った。中学一年の夏、エミリちゃんのお母さんに呼び出された4人は「わたしはあんたたちを絶対にゆるさない。時効までに犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できるような償いをしなさい。できなかった場合、わたしはあんたたちに復讐するわ。」といい、町を出て行った。
麻子さんへの告白をする4人。東京からやってきた人たちへの戸惑い。エミリちゃんが死んだ後に取った行動。それから15年間どんな気持ちで過ごしてきたのか。エミリちゃんのお母さんの言葉はあんまりです。「償い」で「あなたたちが罪を犯してしまったのが、わたしのせいだとすれば、どう償えばいいのだろう」と始める麻子さんですが、ちょっとひどすぎます。亡くなったとは言え、自分にも同じ年の娘がいたのに。あんまりです。

ラストはなんだか爽やかな終わりかた。

最後に「エミリちゃんのことを思いながら、手を合わせる。−どうして、あのとき気づかなかったんだろう。わたしたちが一番しなければいけなかったことを」「それに気付くための十五年だったのかもしれない」といいます。そうなんだけど、それにしてはあまりに失ったものの多い十五年でした。親がいただろうに。

「フランス人形」
未だに捕まらない犯人に怯え、おとなになることを恐れていた紗英。東京で就職していたが、あの頃町に住んでいた1つ年上の男性と知り合い結婚した。彼が求めていたのはフランス人形だった。

「PTA臨時総会」
小学校の教師になった真紀。授業中プールに侵入してきた不審者から子供を守った。プールに突き落とされそのまま逃げていた同僚が中傷に耐えられず自殺。その男と付き合っていた養護教諭の発言により殺人者とみなされるようになり、PTA臨時総会で昔の事を語る。

「くまの兄弟」
器量の悪かった晶子は高校にもいけず、事件の事を思い出すと、あの日に怪我したおでこがちりちりと痛む。身の丈以上のものを求めてはいけない。そうやって暮らしていた晶子。兄がバツイチ子持ちの春花と結婚した事によって…

「とつきとおか」
出産を間近に控えた由佳。病気がちの姉が母を独占し、誰からもかまってもらえない寂しさを抱えていた彼女に唯一優しくしてくれた駐在さん。お姉ちゃんが結婚したのは警察官。お腹の子の父である義兄の為にエミリちゃんを殺した犯人探しをし、義兄をアパートに呼び出した。

「償い」
麻子が語るあの頃、そしてエミリちゃんを殺した犯人。

| 本:ま行(その他の作家) | 16:06 | comments(6) | trackbacks(7) |
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コメント
『告白』に続いてモノローグ形式で綴られた物語ですが、
やはり重くて暗くて何だか救いようのない
なんともいえない短編集でした。
それでもなぜか読むことをやめられない不思議な話でした。
でもこのままこの形で行くのは
湊さんには辛いんじゃないかと思いますね。
| す〜さん | 2009/09/12 10:15 PM |
す〜さん、こんばんは。
一人の大人の言葉によって、こんな事になっちゃうなんて。
本当に救いのない物語でしたが、不思議とやめられない。
「なぜ、こんな内容なのに読みたいって思うんだろう」って
じっくりと考えてしまいました。
「告白」があまりにも衝撃的だったから
この先、どの方向にいってもいろいろと大変そう。
でも私はずっと読み続けていきます!
| なな | 2009/09/13 9:36 PM |
みんなが不幸で、人間関係もドロドロで‥
でもやっぱり話作りが上手いんだなぁーと思います。

湊さんが執筆していると何かが降りてくる感じで書いてます、というような事をTVで話していました。
神憑り的な感じなのかな?

後ろ表紙、苺に紛れてあのキーアイテムが‥ななさん気づかれましたか?
| たまま | 2009/09/14 9:16 AM |
たままさん、こんばんは。
本当にどうしてこんな風に…って感じなのに
読むのをやめようとは思わない。
不思議な魅力がありますよね。
何かが降りてくる感じというのは納得です。

本、まだ図書館に返却してなかったので
急いで見ました!
おぉ!あった!!!
ありがとうございました。
| なな | 2009/09/14 9:11 PM |
私はこういうの好きですね〜。「フランス人形」でまず紗英がああいう形で約束を果たしたので、続く他の少女たちがどんなことを・・・と思うと引き込まれたし、一番ドキドキしたのは「PTA臨時総会」でした。
15年前の事件よりも、身勝手な保護者や嘘つき養護の先生に好き勝手独白してるのに、ドキドキ。(爆)

それにしても麻子さんは、自分の放った言葉にまさかみんなが・・・なんて思う辺り、さすがお嬢様よね、と納得してしまいました。(更爆)
裏表紙、なるほど!!
| じゃじゃまま | 2009/11/19 10:20 AM |
じゃじゃままさん、こんばんは。
読ませますよね〜

「PTA臨時総会」私もドキドキしました。

| なな | 2009/11/19 9:36 PM |
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