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「悼む人」天童荒太
天童 荒太
文藝春秋
(2008-11-27)

JUGEMテーマ:読書


聖者なのか、偽善者か?〈悼む人〉は誰ですか?七年の歳月を費やした著者の最高到達点!全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡り、夫を殺した女、人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる。

賞を受賞する前から図書館に予約していたのですが、ものすごい人気でやっと手元に届きました。読み始めた印象は「包帯クラブ」の大人版?

大好きだった祖父や親友の死をきっかけに、この世で唯一の存在であったはずの人たちを忘れ去ってしまうことの罪悪感から、仕事を辞め、見ず知らずの死者を「悼む」ために全国を放浪する青年、坂築静人。そんな静人の「悼み」の現場を偶然目撃した週刊誌記者・薪野。夫を殺害し、罪を償って出所したものの居場所をなくした奈儀倖世は、殺害現場で夫を「悼む」静人に出会い、彼の旅に同行することに。末期癌に侵されながら静人の身を案ずる母・巡子。
身近な人、大切な人の死を忘れないようにって気持ちはわからなくもない。だけど、新聞やニュースで見た見ず知らずの人たちの事まで忘れないよう自分の心にしまう静人。亡くなった場所に行き、生前関係していた人たちから「誰に愛され、誰を愛していたか、どんなことで人に感謝されていたか」の話を聞き右手を頭の上に上げて、胸の前まで下ろし、次に左手を地面に近づけてから、胸の前へ上げて、右手の上に重ね頭を垂れて悼む静人。薪野でなくても何者だ?って思うでしょう。薪野が立ち上げた「悼む人」の情報を求めるサイトには「迷惑だ」っていう意見も少なくない。「悼み」をわかってもらえない人には病気だと思ってもらってもかまわないという。

そんな静人の事を誰よりも理解しながら、身を案じている母・巡子。末期癌に侵され、自宅で家族に見守られながら最後を迎えようとしている巡子は静人の帰りを待ちわびている。夫は人と関わることが苦手。娘の美汐は別れた男の子を身ごもっている。美汐が別れた原因は全国を放浪し警察の世話になっている静人のせいだという。

巡子を中心とした坂築家の物語。母親が癌の延命治療で苦しんで死んだことを知っていたので、自分は延命は行わず自宅でゆっくりと死を受け入れようとする巡子。すごく強い人です。夫の控えめだけど揺ぎ無い愛情。娘の妊娠と決意。親友であり義妹やその息子・怜司の存在など、全てが素敵だなって思いました。だからこそ、他人の死ばかりにとらわれている静人に苛立ちを感じました。

ある事件の取材で静人と知り合った薪野。取材の強引さから「エグノ」と呼ばれる薪野の父親は病床で薪野の名前を呼んでいるという。子どもの頃、父親からひどい仕打ちを受け「許さない」と思っている薪野は父親に会いに行こうとしない。

夫・甲水朔也を殺害し、4年の刑期を終えて出所した倖代は夫殺害現場で夫を「悼む」静人と出会う。夫の存在を右肩の後ろに感じている倖代は静人の旅に同行しながら、夫と会話していた。夫を刺し殺した倖代。二人の間に何があったのかが気になり、その部分はどんどん読み進みました。

何が静人を動かしていたんだろう。どうしてそんな事になっちゃったんだろう。「疲れているんじゃない。少し休んだら」という倖代に「…怖いんですよ。いったん休むと、もう旅に戻れなくなるんじゃないかと…」と言う静人。いいじゃない、戻らなくたってって思ってしまいました。それほどまでに自分を追い詰めてしまう静人。母親が末期のガンだって事を知ってもすぐに駆けつけない静人。なんだか全然わからない。
| 本:た行(その他の作家) | 22:24 | comments(2) | trackbacks(1) |
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コメント
はじめまして。ななさんの本の感想が好きで、しょっちゅう訪れて本選びの参考にもさせてもらっています。
ちょうど昨日「悼む人」を読んだんですが、静人に対して理解できないという人があまりに多くて驚きました。

母親の病気については、「従妹の作ったサイトだし」と本気にしてなかったところがあるし、悼む行為については、本人もそうせざるを得なくてしているものだと思うのだけど、そう思っても理解できない行動でしょうか。

「病気と思ってくれてもいい」というような言葉は、理解してくれないならそう思ってくれてもいい、というよりも、本当に静人の行動は病気のようなものだからこその言葉だと思っています。正常な人だったらとっくに止めてると思いますし、彼を突き動かしているのは動機ではなく、衝動だという気もします。

なんというか・・・言葉が悪いとは思いますが、静人も一種の社会不適合者なんだと思います。父親のようにそれでも条件が揃えば普通に暮らせるけれど、彼の場合は普通に暮らすための条件が破壊されてしまった状態というか。。。

と、上手く伝えられない上に、昔の記事に随分長くコメントしてしまってすみません。いろんな感想を持つ人がいるから、読書っておもしろいですね。
| yoco | 2012/02/13 3:55 PM |
yokoさん、はじめまして。
TBとコメントありがとうございます。

静人が何かに突き動かされて「悼む」事しかできない
すごく切実な気持ちなんだというのはわかるのですが
静人の家族の気持ちを考えると…

同じ本を読んでも思う事が人それぞれ。
共感したり、驚いたり。
だからおもしろいんでしょうね。
| なな | 2012/02/14 1:59 PM |
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「悼む人」 天童 荒太
悼む人/天童 荒太 ¥1,700 第140回、直木賞受賞作。 「悼む」とは、故人に想いをはせる行為のこと。 死者を悼み、旅を続ける青年。 死期が迫り、懸命に生きる母。 死と通して見えてくる、愛と生のかけがえのなさを描く―― ◆◆◆ 天童
| じぶんを たいせつに。 | 2012/02/13 3:34 PM |