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「ミサキラヂオ」瀬川深
JUGEMテーマ:読書


半島の突端にあるこの港町には、ここ半世紀景気のいい話などなかった。だが、演劇人くずれの水産加工会社社長が、地元ラジオ局を作った時、何かが少し変わり始めた。土産物店主にして作家、観光市場販売員にしてDJ、実業家にして演歌作詞家、詩人の農業青年、天才音楽家の引きこもり女性、ヘビーリスナーの高校生―番組に触れた人々は、季節が移り変わる中、自分の生き方をゆっくりと見出してゆく。自分勝手な法則で番組と混沌とを流し出す奇妙なラジオ局のおかげで…。港町にある小さなラジオ局を舞台に、ひそやかに生きる人々が交差する、太宰治賞作家の意欲作。

瀬川さんの本、初めて読みます。2007年に「チューバはうたう―mit Tuba」で太宰治賞を受賞している方みたいです。本になってるのは2冊だけ。

ブログで何度か見かけて気になったのでかりてみました。

舞台は近未来である2050年。半島の突端にある港町・ミサキでラジオ局を始めたミサキの水産加工会社社長。ミサキラヂオは低出力なのでミサキ周辺にしか届かない。しかも、なぜなのかはわからないが電波が届く時間にずれが生じ、日や場所により5分送れたり、時には3ヶ月も遅れて電波が届くことがある。そんなミサキラヂオで働く人たちと聞く人たちの物語。

2050年…にしては物語が古臭いと言うのか、未来の物語を読んでいるというより、過去の物語を読んでいるような気持ちになります。所々に「2050年」って言うのを強調するような文章はあるのですが、そこで「あぁ、2050年のものがたりだったっけ」って思う程度。後40年経っても人々の生活って劇的に変化することはないのかしら。

ミサキの2050年の春夏秋冬が語られるのですが、「春」と「夏」でミサキにいてラヂオに関わる人たちの過去や現在などが語られ、「秋」で色々なものが共鳴し「冬」で関わった人たちに変化が訪れる。

ミサキラヂオに関わるDJタキ、都落ちしてきた録音技師とクラシック音楽番組担当の地元高校の音楽教師が居酒屋で繰り広げる会話が好きでした。喫茶店「アジール」にやってくるミサキラヂオの社長、片隅で小説を書く土産物屋の店主、そして「アジール」のマスターの話もさりげなくてよい。作詞家でもあるうさんくさい演歌好きの中年実業家は本当によくいそうな油ギトギトの実業家だし、国立大を出て、商社に勤めた後Uターンして家業である農業を継いだ詩人の農業青年と新妻の生活の静かだけど地に足の着いた生活が羨ましい。ラジオネーム「第三の猫」が自転車にのり色々な場所でラジオの放送を聴きノートにメモを取る様子。その「第三の猫」が自分の考えをロックやジャズのナヴィゲーターを務めるドクトルにそっと相談するところ。引きこもって音楽のコラージュを作る長い髪の女の会った時とメールでのギャップ。同じ日に産まれた2人の少女ユミとユーミなど、ひと癖もふた癖もある魅力的な人たち。まるでミサキの住人になって1年間を過ごしたような気持ちになりました。

「ラヂオの音声が日や場所によってずれる」という事。過去の声を拾ってしまい恥ずかしい思いをしたりしますが、最後の最後が素晴らしかった。



 
| 本:ま行(その他の作家) | 22:47 | comments(1) | trackbacks(0) |
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コメント
新作は娯楽作だよん

瀬川深さんの最新作『ゲノムの国の恋人』を読みました。
不思議な異国の描写やキャラクターの魅力がよくって、なぜか最後まで読み進めてしまいました。

birthday-energy.co.jp/
ってサイトは瀬川深さんの本質にまで踏み込んでましたよ。宿命の特徴が、非現実的、とか。広末涼子の再婚相手となったCandle JUNEと同一生年月日なんだそうな。見た目は全く違うのね〜人生いろいろだから、か。
| 脱皮中 | 2013/11/10 2:10 AM |
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