中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?私たちは空が飛べる。きっと飛べる。かならず飛べる。空とぶ青春小説。
最初に書いてあるのが飛行クラブの活動内容。自分自身が飛ぶ。落花は飛行ではない。飛行機やヘリコプターに乗っての飛行も風を感じられないのでダメ。理想はピーターパン。中学生の活動なので料金が高いのはダメ。そんなところです。それって無理じゃないって思うような内容。どんな話になるのかなって興味津々でした。
海月の通う中学では部活動は必須。幼馴染の樹絵里が一目惚れした野球部の中村先輩が兼部している飛行クラブに無理やり付き合わされる海月。ところが飛行クラブは部長の斎藤先輩と中村先輩の二人しかいなくて、顧問の立木先生もやる気全くなし。部員を増やし、やる気のないメンバーを叱咤しながら空を飛ぶという夢に向ってがんばる海月なのです。
とにかく登場人物の名前がすごい。主人公の海月は海月とかいて「みづき」と読むが、海月とかいて「くらげ」と読むのでアダナは「くーちゃん」幼馴染の樹絵里は親が「あんたは私たちの宝石なのよ」って言ってジュエリーから着てるらしい。自分の事を「ジュジュ」って呼んでます。斎藤先輩は「神」とかいて「ジン」お姉さんは「天使」と書いて「エンゼ」中村先輩は「海星」とかいて「かいせい」だけど、これまた「海星」は「ひとで」と読めるらしい。恐怖心の全くない「朋」は月がふたつで「るなるな」ですから(そういえば、息子のクラスに月とかいてルナちゃんって子がいる!)体が餅みたないな餅田くんは「球児」って名前になってます。読んでいくうち、名づけた親の気持ちがわかるのですが「珍名クラブ」です。唯一普通だったのはイライザこと戸倉良子くらいか。
部長のカミサマ先輩は泰然自若で傍若無人で唯我独尊(四文字熟語が似合うタイプらしい)ジュジュはかわいこぶっている上にくーちゃんに頼りっぱなしだし。中村先輩はいい人っぽいけど、ちょっと抜けてそう。るなるなは怖さを知らないから怖ろしいし、球児は存在感薄すぎ。イライザはテニス部にいたんだけど、持ち前の性格でテニス部をもめさせ飛行クラブに転部したくらいだし。顧問の立木先生は自分が楽することばかり考えてる大人。そんな中でみんなを引っ張っていくみづき。
飛ぶ方法を見つけ、みんなが「飛ぶ」という目的に向って少しずつ動き出します。気球は最初の活動内容からすると乗り物に乗っての飛行のような気もするけど、でも風を感じられるからいいのか。
カミサマ先輩の名前の由来、生まれたときから背負わされてたもの。親はちょっと無責任じゃないかしら。だからあんな性格になったのか!そんな先輩とちょっとラブって雰囲気になるみづき、すごいわぁ。
そしてみづきの母親がいい味出してました。
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