CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>
SPONSORED LINKS
ARCHIVES
CATEGORIES
カウンター
グリムス
MOBILE
qrcode
<< 「逆転ペスカトーレ」仙川環 | main | 僕の彼女を紹介します >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
「遠くの声に耳を澄ませて」宮下奈都
遠くの声に耳を澄ませて
遠くの声に耳を澄ませて
宮下 奈都
JUGEMテーマ:読書


くすんでいた毎日が、少し色づいて回りはじめる。錆びついた缶の中に、おじいちゃんの宝物を見つけた。幼馴染の結婚式の日、泥だらけの道を走った。大好きな、ただひとりの人と、別れた。ただ、それだけのことなのに。看護婦、OL、大学生、母親。普通の人たちがひっそりと語りだす、ささやかだけど特別な物語。初出「旅」

待ち遠しかった宮下さんの新刊。短編集です。掲載されていたのが「旅」という雑誌だからなのか、旅に出る話が多かったです。旅に出なくても、ちょっとだけ違う場所で自分を見つめなおす。そんな物語ばかり。

登場人物が後半の物語にさりげなく出てきたり、最後の2話では前に出てきた人たちの後日談が語られたりします。

何度も台湾の名医の話が出てきて、その会社では有休を一日とって台湾に旅行に行くのがはやってるって感じでおかしくなりました。

「アンデスの声」の一度も地元から出た事のない老夫婦がラジオを前に旅している様子。大切にしていた「ベリカード」すごく素敵な物語でした。そして孫の瑞穂は病気で弱っているおじいちゃんを喜ばせるために早くに結婚を決めた事が「白い足袋」でわかるのです。おじいちゃん思いの瑞穂。

「どこにでも猫がいる」の世界各地から時々送られてくる絵葉書を見たいんだか、見たくないんだかわからないって言う主人公の気持ちがすごく良くわかりました。
「アンデスの声」
祖父は盆と正月にしか休まない兼業農家。地元から一度も出た事がない祖父が倒れたと連絡があった。駆けつけた瑞穂は祖父が「キト」というのを聞いた。昔一緒に住んでいた時に祖父から聞いた街の名前だ。

「転がる小石」
金曜日の昼間、突然なった電話は波照間島にいる陽子からだった。台湾に行こうと思ったのにパスポートを忘れて波照間島に行ってしまったという陽子とはパン屋で開かれたパン教室でであった。

「どこにでも猫がいる」
一人暮らしに慣れないマンションに時々届く絵葉書。その絵葉書には必ず猫のことが描いてある。

「秋の転校生」
恋人のみのりは地味だけどいつか跳ねるのではないか、そう思わせる女の子だ。出張で行った地方の町。どこか懐かしい気持ちになる。なぜ?

「うなぎを追いかけた男」
ナースコール指名ナンバーワンの蔵ちゃん。仕事中にフっと意識が遠くなる時がある。それを看護師仲間では「潜る」と言う。入院患者の島田さんは同室の濱岡さんのいびきがうるさい。見舞いは女ばかりだという。濱岡さんはうなぎの生態を調べるためあちこちを転々としていたらしい。

「部屋から始まった」
台湾に悪いところをぴたりと当てる名医がいるという。最近むずむずしている私。どこが、何がとは言えない。北村さんに相談しても軽く流されるだけ。思い切って台湾に行ってみることにした。

「初めての雪」
大学時代から気が合う梨香との温泉旅行。3ヶ月前に旅行に行った時に彼氏と別れたと行っていた梨香。行動派の梨香が今回はのんびりといつもと違う雰囲気。何があったのか?

「足の速いおじさん」
2年間勤めた塾講をやめ、同じマンションに住む繭子の家庭教師をしている。繭子は「公園に足の速いおじさんがいる」と言う。水のみ場の玉を守っていてガウディの教会の建設に携わっていてスペインの前にアメリカにもいたというそのおじさん。若い頃出て行ったきりの叔父さんなのでは?と思い始めた私は祖母を訪ねることにした。

「クックブックの五日間」
料理研究家の私にきっかけを聞いていうるインタビュアーは多い。きっかけなんてちょっとしたはずみのようなもの。もともと盥に水がいっぱいに張っていて、そこに一滴落ちることによってあふれてしまう。私にとっての一滴は朱鞠内湖だった。

「ミルクティー」
残業帰りに誘われた喫茶店で高野君は私を一目見たときにピンと来たという。4年前ちょっと遅れた新入社員として入ってきた高野君。私は指導社員だった。「ごめんね」と言う私に「次は四年後」という彼。

「白い足袋」
田舎から出てきた私はかぺかぺの東京で暮らす。かぺかぺはメッキでかぺかぺは永遠じゃない。かぺかぺは本物じゃない。私はかぺかぺがすごく好きだ。又従妹の瑞穂が結婚する。おじいちゃんの具合があまり良くないかららしい。久しぶりの田舎、瑞穂の家に行ったら足袋を買い忘れたという。瑞穂と昔よく買い物に行った高澤商店だ。

「夕焼けの犬」
屋上で夕焼けを見ていたら涙が出ていた。患者が立て込む冬が過ぎ、徐々に落ち着きを取り戻した時、自分の外側と内側のズレを埋めるために屋上に出る。入れ替わりに屋上に来たのは蔵元さんだった。
| 本:ま行(その他の作家) | 21:09 | comments(9) | trackbacks(6) |
スポンサーサイト
| - | 21:09 | - | - |
コメント
ななさん、こんばんは♪
TBさせていただきました。
実は読もうか迷った一冊だったのですが、予想以上に素晴らしくて大正解でした。
今、読んでる豊島さんの最新刊がかすんで見えるほど(汗)

各編微妙に繋がっているところが読書意欲をくすぐりますよね。
明日、図書館で『スコールNo.4』借りてきます。

それにしても一編一編巧みにあらすじ書きはりますね。
感心しますわ。
| トラキチ | 2009/05/11 10:30 PM |
こんばんは。
最初の「アンデスの声」が素晴らしかったです。
ラジオにじっと耳を傾けている祖父母の姿を想像すると泣けます。
短編も長編も優れた作家だと思いました。
でも自分的には「スコーレ」のような長編が読みたいな〜。
| しんちゃん | 2009/05/12 10:57 PM |
◇トラキチさんへ

宮下さん、私の中では新刊を待ち望んでいた作家さんでした。
手元に豊島さんの新刊があるのですが、トラキチさんの「かすんで見えるほど」にちょっと時間を置こうかなって(笑)

「スコーレ」もいいですし、何かのアンソロジーに入っていた短編もすごく素敵です。l

あらすじ、書いておかないと内容忘れちゃうから(汗)
「すばらしい」って思いながら忘れるんだから嫌になります。


◇しんちゃんへ

「アンデスの声」でガツンとやられましたよね。
真面目にこつこつと農業を営む夫婦がラジオを楽しみにする様子、素敵です。
なかなか新刊の出ない作家さんですけど、次も楽しみです。
| なな | 2009/05/13 5:52 AM |
何気ない日常が、輝いて見えました。
宮下さんの書く世界が好きです。
| | 2009/06/03 9:36 PM |
花さん、おはようございます。
本当に宮下さんの紡ぎだす世界っていいですよね。
最初の短編から物凄く好きでしたが
何作読んでも好きって思います。
次作が楽しみです。
| なな | 2009/06/04 8:43 AM |
ななさん、こんばんは☆
私は面白かったのですが、それほど凄く良かった!とまでは行かなかったかもしれません^^
一番気に入ったのは、アンデスの声でした。
この本、微妙に色々な人がリンクしてますよね。
1回読み終わってから、また前に戻って探したり・・って事をやってしまいました。
私は道産子なのですが、朱鞠内湖って、はじめて聞きました。
| latifa | 2009/06/16 4:53 PM |
latifaさん、こんばんは。
「日をつなぐ」の方がにおいや感情なんかが
ぎゅっとつまっていたような気がします。

リンクがわかりずらく、私も再読してリンク探しをして
楽しみました。
朱鞠内湖、実在するんですか?
| なな | 2009/06/16 8:39 PM |
ななさん、こんばんは。
宮下先生は「スコーレ」についでまだ2冊目なのですが、短編も素敵ですね〜。どれも透明感に溢れていて、ちょっとした描写が琴線に触れてきました。
旅と足袋、ってダジャレ?とくすっと笑えて楽しかったです。
| Spica | 2010/01/28 10:31 PM |
Spicaさん、こんばんは。
宮下さん、本当に素敵な文章を書く方ですよね。
短編「日をつなぐ」が初めて読んだ宮下さんの作品だったのですが、こちらもすごく素敵なのでぜひぜひ♪
| なな | 2010/01/29 9:23 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
『遠くの声に耳を澄ませて』 宮下奈都 (新潮社)
<読む前に抱いていたイメージを良い意味で裏切ってくれた実力派作家の登場。 その心地よさは万人受けするものだと信じています。愛情に溢れた読者の背中を押してくれる作品集> 初出「旅」を加筆・修正。 12篇からなる短編集。連作というわけではないが少しずつ
| 続 活字中毒日記 | 2009/05/11 10:23 PM |
「遠くの声に耳を澄ませて」宮下奈都
遠くの声に耳を澄ませて(2009/03)宮下 奈都商品詳細を見る 前作の長編「スコーレNO.4」はそのすべてに惚れてしまった。そんな注目の第二作品は...
| しんちゃんの買い物帳 | 2009/05/12 10:57 PM |
本「遠くの声に耳を澄ませて」
遠くの声に耳を澄ませて 宮下 奈都 新潮社 2009年3月 遠くの声に耳を澄ませて/宮下 奈都 ¥1,470 Amazon.co.jp
| <花>の本と映画の感想 | 2009/06/03 9:34 PM |
「遠くの声に耳を澄ませて」 宮下奈都
「王様のブランチ」で松田さんがお薦めしているのを見て、なおさら期待度が増しちゃいました。
| ポコアポコヤ | 2009/06/16 4:50 PM |
宮下奈都 「遠くの声に耳を澄ませて」
遠くの声に耳を澄ませて(2009/03)宮下 奈都商品詳細を見る 内容(「BOOK」データベースより) くすんでいた毎日が、少し色づいて回りはじめる。...
| ホシノ図書館 (本と映画の部屋) | 2010/01/28 10:28 PM |
「遠くの声に耳を澄ませて」宮下奈都
見えないスイッチが入る12の短編集。 宮下の世界を堪能した。    【送料無料】遠くの声に耳を澄ませて [ 宮下奈都 ]価格:515円(税込、送料別) 「旅」に連載されたエピソードたち。 静かで地味だが何かが変わる様を描いている。いくつか抜粋で紹介。 「アンデス
| りゅうちゃん別館 | 2012/10/08 9:56 AM |