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「ファミリーポートレイト」桜庭一樹
ファミリーポートレイト
ファミリーポートレイト
桜庭 一樹
JUGEMテーマ:読書


ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷、な母の“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く。

第一部「たび」は5歳のコマコが25歳のマコと一緒に3両編成の電車に乗ってコーエーから逃げるところから始まる。要塞の村、海辺の町、養豚場の町、動物園のある町、巨大庭園での隠遁生活と場所を転々としながら追っ手から逃げるマコとコマコ。

第二部「セルフポートレイト」は眞子をなくした駒子が17歳からの物語。夏のままの高校での生活、文壇バーでのバイト、そこで作った物語で作家デビュー、と思ったら突然の失踪、金魚屋でのバイト生活。

長い長い物語でした。ママのためだけに生きるコマコ。ママがいなくなってからは酒びたり、活字浸りの日々。生き続けるコマコ。はぁ〜
第一部は桜庭さんらしい虐げられた子供が登場。マコの子供だからコマコ。そういえば、同じマンションに夏子さんの子供・小夏っているわ!同じ発想かしら。20歳でコマコを産んだマコ。口がきけないコマコだが、マコのためのコマコ。ママのコマコなので虐待さえも嬉しい。二人を探している人がいて、追っ手が来るたびに逃げて仕事を変えて…女を売って生きていくマコ。それを見るコマコは「ママの中の真紅」と言います。

文字を教えてくれた若草色のお兄さん。ママがすべてだったコマコに本や物語の世界が登場します。どんな場所にいたって本は必ずあって、コマコを違う場所へ連れて行く。本の下巻しかない場合には、上巻の物語を自分で作るコマコ。バイト代を持って新しい本を買いに行くコマコ。字を教えてもらえて本当によかった。

第二部はマコがいなくなり、父親が駒子の面倒を見てくれます。学者のお父さんには申し分ない家族が居る。その家にいるのがいたたまれない駒子は学校に住み着き、それから文壇バーに寝泊りして、煙草とお酒漬けの日々。そんな中、駒子が語る物語。語りながら血を流し、だけど物語は溢れてくる。

文学賞受賞とその後の土石流のような出来事。そこら辺が桜庭さんと重なりました。

駒子や是枝にはまったく生活感がなくて、真田さんの存在がホッとさせます。朝起きてご飯を食べて、仕事をして家に帰ってご飯を食べて寝る。そんな普通の生活が出来てない駒子に「マン・オブ・ザ・ワールド。ちゃんとした大人になって社会の一員になって欲しい」と訴えかける真田。

そして是枝の奥さんが言う「子どもの頃に間違った環境にいたり、普通とは違う育てられ方すると、成人の心に必要なだけの自尊心を、自分のからだで自然に供給できない体質になっちゃうんだと思う。だから、立派な自分を邪魔したくなっちゃう。成功するのがうしろめたくなっちゃう。」って言葉も印象的でした。

色々なシーンで写真が出てきます。若草色のお兄さんに撮ってもらった紅葉をバックにしたマコとコマコ。マコが「やり直すわ」と言ったときに撮った写真館で並んだ二人の写真。ラストの「いっとう最初のファミリーポートレイト」がすごく素敵だなって思いました。そして読んだ後までずっと印象深かったのが文壇バーで由利さんが何気なく撮った1枚の写真。鍛冶野さんが真ん中にいて、周りの人たちは拍手をしていたはずなのに鍛冶野さんに向って合掌しているように見えるっていう写真です。鍛冶野さんがいなくなってしまうのはなんとなく予想できていたのですが、ぞっとしていつまでも忘れられそうにありません。
| 本:さ行(桜庭一樹) | 20:57 | comments(10) | trackbacks(7) |
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コメント
こんばんわ。
第二部では鍛冶野さんのキャラが印象的でしたね。
あのシーンは私もゾッとしました。
第二部はやっぱり自叙伝的な意味合いがあるのですか?
桜庭さんのデビューの経緯などを知らなかったので、興味深かったです。
| ia. | 2009/01/19 1:59 AM |
ia.さん、こんばんは。
鍛冶野さん、印象的でした。
第2部を支配してましたよね。
自叙伝的な意味合いあるのかしら?
受賞すると物凄く忙しくなって…って話は
いろんな方がエッセイで書いてるので
桜庭さんもそこら辺が表現してみたかったのかなって勝手に解釈してました。
| なな | 2009/01/19 8:47 PM |
大人になってもふわふわしたコマコですが、幼少の頃に情緒不安定と言われていたのに関係あるのでしょうか。
もしそれが原因ならば、根本はママの虐待にあったように思えます。
でも、コマコにとってママは一番の存在なんですよね〜。
それを思うと切なくてやるせないです。
| しんちゃん | 2009/01/24 7:24 PM |
しんちゃん、ほんとうにそうです。
子どもの頃のマコのコマコへの接し方
あれはひどすぎます。
横になって寝ることが出来ないなんてかわいそう。
でも、子供にとってママの存在はかけがえのないものなんですよね。
| なな | 2009/01/24 9:13 PM |
こんばんは。
普通の生活から懸け離れたまま成長していったコマコが、30代になり得た家族。
そこに至るまでの道のりが、長く激しくスリリングで、
最後まで釘付けでした。
絶対的な存在の母と娘の絆、
断ち切れるものではないので、ハラハラでした。
真田さんの存在が、ナイスでしたね。
最後があの終わり方で、とてもよかったです。
| 藍色 | 2009/01/25 3:55 AM |
藍色さん、こんばんは。
まさか駒子が結婚するなんて!子供を授かるなんて!!!
真田さん、偉大な人です。
子供にとって母親って重要なんだよなって
シミジミ思い、反省。
ラストは本当によかったです。
| なな | 2009/01/25 8:35 PM |
何度も息苦しくなりつつなんとか読み終えましたが、本当に長い長い話でした。
はぁ。

母親のマコは酷い人なんだけど、美しくて傲慢で弱くてすごく魅力がありました。
父親がずっと探してくれていて良かった!

たしか新山千春の娘さんが小春ちゃんですよね。




| たまま | 2009/01/27 9:52 AM |
たままさん、おはようございます。
駒子の育ってきた世界を考えると、辛くなりますよね。
マコ、寂しがり屋なんでしょうね。
駒子が側にいて本当によかった。
せっかくお父さんが探してくれていたのに
どんどん逃げちゃうんだから…

千春に小春、それもかわいらしいです。
あぁ、子供が女の子だったらそんなかわいいこと出来たのに…
| なな | 2009/01/27 10:09 AM |
こんばんわ。TBさせていただきました。
長かったです・・・
ページ数の長さも勿論ですが、コマコの波乱万丈の長い人生を読んでいるようで、ずしっときました。
「赤朽葉家の伝説」を読んだ後に似てました。
一言では言い表せないですね。
いろんな事がありましたけど、コマコなりの小さな幸せを見つけることができてよかったなと思います。
真田さんと出会えてよかったですよね^^
| 苗坊 | 2009/05/23 9:40 PM |
苗坊さん、こんにちは。
小さい頃からのコマコの人生。
物語に入り込んじゃいますよね。
真田さんに出会えてよかったって思いました。
| なな | 2009/05/26 12:51 PM |
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