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「彼女について」よしもとばなな
彼女について
彼女について
よしもと ばなな
JUGEMテーマ:読書


由美子は、幼なじみのいとこ昇一とともに失われた過去を探す旅に出た。この世を柔らかくあたたかく包む魔法を描く書き下ろし長篇。

再生と喪失。すごく暖かい気持ちになれるけど、ずっしりと悲しい。そんな物語でした。

母親同士が双子の姉妹である、いとこ同士の由美子と昇一。 母親たちは昔イタリアで魔女になる訓練を受けた、白魔女。小学校に入る前くらいに昇一の家の庭で二人の母親が観ている前で遊んでいた記憶。あまりにも楽しくて、永遠に続けばいいのにって思っていたその日を時々思い出す由美子。すっかり大人になり、すさんだ生活をしていた由美子のもとを突然訪ねてきた昇一。母親が死に、遺言に従い由美子を助けに来た。二人は過去に由美子の周りで起こった悲しい事件の影響で見失ってしまった自分を取り戻すべく、由香里の場所を訪ね関係者に話を聞きに行く。
由美子が時々思い出す昇一の家での楽しかった一日。その日に昇一の母親が由美子に言った「いつかあなたが困った時に、あなたをうちの子として引き取ってあげる」という言葉。由美子の母親が起こしてしまった悲惨な事件の後、その約束を守る事が出来なかった昇一の母親は自分が死ぬ前に由美子の事を心配して息子の昇一に思いを託す。

ずいぶん久しぶりに会った二人。旅行のように楽しくて、だけど封印していた傷がうずく。楽しい日々を過ごし、惹かれ合う二人。ところが…色々書くとネタバレになってしまうから書けないけど、なんで由美子がすさんだ生活をしているのか?そこら辺がわかってから前に戻ると「なるほど〜」って文章がいっぱいありました。

由美子が育った家の庭、病院の庭などの描写がとても素敵。どんなことがあっても庭はただ静かに自分達の営みを続けているというようなことが書いてありました。

「土台」って言葉も印象的でした。
お母さんが起こした悲しい事件の時にその場にいた隅さんを尋ねた由美子と昇一が
隅さんから聞いた言葉。
「お母さんは土台ををなくしてしまったのね。」
隅さんは言った。
「土台ってなんですか?」
私は言った。
「それはあなたやそちらの高橋さんが持っているもの、そして
私が持っていたものよ。」
隅さんが言った。
「この世は生きるに値すると思う力よ。抱きしめられたこと、かわいがられたこと。
それからいろいろな天気の日のいろいろな良い思い出を持っていること。
おいしいものを食べさせてもらったこと、思いついたことを話して喜ばれたこと、疑うことなく誰かの子供でいたこと、あたたかいふとんにくるまって寝たこと。
自分はいてもいいんだと心底思いながらこの世に存在したこと。
少しでもそれをもっていれば新しい出来事に出会うためにそれらが喚起されてよいものも上書きされて塗り重ねられるから、ひとは生きていけるのだと思う。
土台なのだから、あくまでそれは上になにかを育てていくためのものなのよね。きっと。…」


こういうの読むと、ちゃんと親をやらなければいけないんだな。子どもの「土台」を作るのは私なんだもんって思い、今までを振り返って焦ったりして。
| 本:や行(よしもとばなな) | 21:42 | comments(4) | trackbacks(2) |
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コメント
哀しいけれどすてきなお話でした。
わたしも上でななさんが抜き書きされてる部分が好きです。
人としての土台って、作るの簡単そうで意外と難しそうですよね……自分の土台はちゃんとできてるかなぁ?とか、そういうことも気になりました。

あと、このお話をよしもとさんはファンタジーと言われてましたが、読みようによってはミステリーとも言えそうだと思ってみたりも。何がどうなればファンタジーでミステリーなのかは聞かないでくださいね、なんとなくそう思っただけなので(^^ゞ
| まみみ | 2009/01/15 10:09 PM |
まみみさん、こんばんは。
最後の方、寝ている昇一をみる由美子なんかがすごく悲しいんだけど、昇一の育ちのよさや二人が心を寄り添わせていくところがなんだかすごく素敵でしたね。
土台、私はちゃんと出来てるかな。

ミステリーだっていうのわかります。
なんとなく誰が?なぜ?見たいな所ありますよね。
| なな | 2009/01/16 8:51 PM |
こんにちは〜。
久々のばなな作品でした。
いきなり魔女とか呪いとか出てきて??と思いましたが家族や愛について考えさせられる物語でしたね。
隅さんと昇一が再会するところも見てみたかったです。
| Spica | 2009/09/03 5:42 PM |
Spicaさん、こんばんは。
ばななさん、本当にポツポツと本が出ますが
いつ読んでも「ばなな節」は健在。
家族や愛、人のつながりなんかを考えさせられますよね。
| なな | 2009/09/03 9:12 PM |
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