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「蟋蟀」栗田有起
蟋蟀
蟋蟀
栗田 有起
JUGEMテーマ:読書


生き物をモチーフにした10の短編。おとぎ話ではありません。位相を変えて眺めれば、人間の真実が透けて見える。可笑しくて、そして悲しくもある不思議な世界。

久しぶりの栗田さん。「生き物をモチーフにした」とあるけど、どうかな…タイトルに一応生き物の名前が入ってるけど、だからと言って生き物がメインの物語じゃないかな。

普通に物語が進んでいるのに、油断してるうちに「ずれた」場所に入り込んでいて、落ち着くまもなく物語が打ち切り。そんな印象。どの物語も唐突に終わるんだけど、それが全然嫌じゃないのが不思議です。

「鮫島夫人」のような結婚、ありだとおもう。お互いの利害関係が一致していて、恋愛話も出来る関係って素敵なんじゃないかなぁ。別れなきゃよかったのに。そして「蟋蟀」タマコばあちゃんがかっこいいんだ。そして今日子はきっとタマコみたいになるんだろうなぁって思いました。

蟋蟀(こおろぎ)ってずいぶんと難しい字なんだなぁ。この本のおかげで読めるようになったけど、だけど絶対に書けない!書く必要もないんだけども〜
「サラブレッド」
家族の女性は人の手を握るとその人の過去や未来が見える。そして私は高校を卒業して占い師になることにした。1年が経ち恋をした。相手の手を握った時、彼の未来が見えてしまった。それから暫くしてやってきた全盲の女性。

「あほろーとる」
大学で助教授をしている僕の秘書としてやってきた木村京子。彼女はとても優秀だった。ある日、彼女を食事に誘った僕。食事の後に行ったバーで潜水が好きだと言い、連続側転を始めた彼女。

「鮫島夫人」
別れた夫とボートに乗った。大学入学してすぐに知り合った鮫島君とは一人暮らし同士話があった。よく話すうちに「恋人同士」との噂が立ったが、鮫島君は否定しないでくれと言った。鮫島君の恋の対象はいつでも男子だったのだ。

「猫語教室」
夫の栄転が決まった。若くして地方の副所長になるという。多忙の夫にかわり、なにから何まで準備をした私。新しい社宅で挨拶に明け暮れる日々。ある日、営業所に勤める者の妻達の集まりがあると知らされる。「赤薔薇、青薔薇、黄薔薇の会」というその会では色々な活動があるらしい。

「蛇口」
「パパに恋人がいるみたいなの」とママが涙をためて言った。パパの浮気は今に始まった事じゃない。15歳のママを見初めて16歳の時に入籍、そして17歳で私を産んだときにはパパは若い女をマンションに連れ込んでいた。今回の浮気相手は私の後輩のチカだった。

「アリクイ」
幼なじみの杏子が出産のため里帰りしてくると知った母は家の中を掃除したり興奮気味。杏子の家は真向かい。同じ時期に引っ越してきて、同い年の子供がいた。子どもの頃はずっと一緒に過ごしていた杏子と研二。仕事帰りに杏子の部屋で話をするようになり、杏子がアリクイに子供が生まれたのを見に行った日に子どもを授かり、アリクイのベストを作ったことを知った。杏子が着ているのは下半身。上半身を持っているのは夫ではないらしい。

「さるのこしかけ」
広和さんとであったのは1年前だった。金曜日の日に私の家に来て、泊まって土曜日の早朝に帰る広和さん。ある日、広和さんが珍しく自分の部屋に誘った。そこにやってきた広和さんの婚約者。恋愛事のトラブルは昔から絶えなかった。広和さんの婚約者の事を思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいの私は自殺以外の方法で死のうと思った。雷に打たれるのがいいと思い、山登りに必要なものを買いに行ったスポーツ洋品店で山伏の格好のマネキンを見かける。どうやら流行っているらしい。その格好で山に登った私は意味のわからない言葉を話す人と出会う。

「いのしし年」
子どもの頃から自分のブスな自分が気に入らない朱美は睡眠薬をいっぱい飲んで自殺しようとした。気がついた時には病院で、同じような顔をした兄が自分の事を呼んでいた。病院でうとうとしているうちにきれいな女性が部屋にいて、「あなたの事を一番よく知っている」と言う。確かに色々な事を知っていた。

「蟋蟀」
「たぶん妊娠していると思う」と女は言った。一生結婚するつもりがないという俺を知っていて付き合っていた今日子。ピルを飲んでいるから大丈夫と言っていたはずなのに。それから半月、音沙汰のない今日子。ふいに思いついてタマコに電話をする。俺が定期的に連絡を取る唯一の女。電話に出た声はいつもと変わらない。「ばあちゃん」「今週土曜日に行くから」と言って電話を切る。

「ユニコーン」
私の中には馬がいる。私は人の中にいるものを見る事が出来る。妹の中には象がいて、母の中にはオオカミが。女の中にいるのは本人よりも身体が大きな動物だが、男の中には動分以外のものもいた。就職して3年がたち、恋をした。彼が目の前からいなくなると悲しくなり、自分の中の馬がいななく声が聞こえた。
| 本:か行(栗田有起) | 21:58 | comments(8) | trackbacks(5) |
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コメント
こんばんは。
それぞれの唐突な終わりに不快感がなかったのが不思議でしたが、ななさんの記事を読んで安心しました。
「鮫島夫人」のような関係、ありですよね。
どうして別れちゃったんでしょう?もったいないです。
「ユニコーン」が好きでした。いろんなのが宿っていて面白くて、これなら連作短編にもできそうで。
密かにスピンオフを期待しています(たぶん、ないですね、笑)。
| 藍色 | 2008/10/11 3:20 AM |
藍色さん、こんばんは。
「鮫島夫人」のような関係、ちょっと羨ましかったりします。一人よりも側に誰かいてくれたらいいなって思うので、恋愛感情にならない男の人がいたら、それは素敵です。
本当にもったいない。
「ユニコーン」女の人の中には大きな動物がいるっていうのが面白かったです。私の中には何がいるんだろう。
| なな | 2008/10/11 10:20 PM |
ななさんこんばんは。
栗田節、健在でしたよね。うれしいかぎりです^^
わたしも「鮫島夫人」みたいなカップルいいなぁ〜と思いました。アリですよねほんと。っていうか鮫島くんとてもいい男だし。たとえ○○だろうといい!あたしと結婚しよう!って言っちゃいそうです。
他のお話もどれも不思議なんだけど心地よくて好きな感じでした^^
| まみみ | 2008/10/25 10:33 PM |
まみみさん、こんばんは。
ずいぶんと長いこと待った栗田さんですが
全く変わらずで嬉しかったです。
「鮫島夫人」みたいな関係いいですよね。
男と女ってくくりじゃないところでつながってるなんて
素敵です。
| なな | 2008/10/26 9:26 PM |
こんにちは。
「アホロートル」よくわからなかったです。
でもそれ以外はほとんどが好きな作品でした。
一番は「猫語教室」かな。にゃにゃにゃにゃにゃー。
| しんちゃん | 2008/10/30 12:40 PM |
しんちゃん、こんばんは。
たしかに「アホロートル」は「ええええ?」ってラストでしたよね。
最初から酔ってグルグル側転してたし(笑)
「猫語教室」笑いました。あったら面白そうですね。
にゃにゃにゃ。
| なな | 2008/10/30 10:03 PM |
ななさん、こんばんは♪
10通りの風変りな主人公が楽しめますよね。
私は「あほろーとる」が一番好きでしたよ。
最初のシーンが戻ってきたのかな(笑)
でも女性が読まれたら他の作品になるのでしょうね。

蟋蟀かろうじて読めてましたけど、絶対に書けませんねよね。
| トラキチ | 2009/03/12 12:47 AM |
トラキチさん、おはようございます。
本当にさすが栗田さん!って言いたくなるような
ちょっと変わった登場人物たち。
「あほろーとる」の側転、インパクト大です。
蟋蟀。PCで「こおろぎ」って入力すると
漢字が出るようになりました(笑)
| なな | 2009/03/12 8:42 AM |
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