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「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」桜庭一樹
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet
桜庭 一樹
JUGEMテーマ:読書


海辺の町に生きる、どこにでもいるけど少し不幸な女子中学生・山田なぎさは、自分を人魚だと名乗る転校生・海野藻屑により、いままでの生活が狂わされた。家族のため、兄のために、生きるための実弾を欲しがっていたなぎさと、砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる藻屑の奇妙な友情を描く青春暗黒物語。

ずっと読みたいって思ってた本でした。この本の前に読んだ若竹さんの「クールキャンデー」も父親がいなくて、母親と兄と3人家族で主人公の名前も「なぎさ」(「クールキャンデー」は渚、これはひらがなのなぎさ)と同じという偶然にビックリ。だけどこっちのなぎさの方が色々背負い込んでいます。渚の方がもう少し無邪気な感じ。

主人公・山田なぎさは母子家庭で兄は引きこもり。 生活保護を受け、パートをしている母親の給料は兄がネットで買うものに消えていく。忙しい母にかわり晩御飯を作り、兄に食べさせる毎日。中学校を卒業したら、自衛隊に入隊して「実弾」を手に入れたいと願う。 一方、9月に転校してきた海野藻屑は、父は元アイドル歌手で家はお金持ち。
「ぼくは人魚なんだ」と言い張り誰とも馴染もうとしない藻屑だけど、なぎさにだけは話しかけてくる。そんな藻屑が「10月4日に嵐がやってきて、世界中の人魚がこの港に集まり卵を産む」という。なぎさには藻屑は恵まれた環境で空想世界に向けてポコポコと砂糖菓子の弾丸を打ち続けているとしか感じられなかったけど、藻屑はなぎさ以上にシビアな状況におかれている。
なぎさが欲しかったのは世界に打ち込むことができる実弾。それは即ち経済力や自立心などを意味するものでした。自分の足と力で家族の生活を支えるための実弾。藻屑が欲したのは甘い甘い砂糖菓子の弾丸。妄想の世界に打ち込むことで脆く危うい自我を支える虚構の弾丸。二人とも現実から逃げたいんだけど、向かう先が真逆。

二人の担任、力及ばずだったけど「高校に行かずに自衛隊に行く」と言うなぎさに「兄に必要なのは他人。山田に必要なのは安心だ」って言うんです。なんだかいい事言う先生だなって思いました。

そしてクラスの女子を「社交界」と呼ぶなぎさ。ちょっと気になる花名島の突然の変化なども興味深かった。
| 本:さ行(桜庭一樹) | 21:15 | comments(6) | trackbacks(5) |
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コメント
こんばんは。
痛々しいお話でしたね。
リアリストなぎさと妄想する藻屑の交流、
ふたりがだんだん親友となっていく様子を
もっと読みたかったです。
| 藍色 | 2008/09/24 2:34 AM |
藍色さん、おはようございます。
最初に悲しい新聞記事が載ってるので
そこに向かっていくのはわかっていたんだけど
途中でなんとかならないものかと思ってしまいました。
対照的なようで、孤独という意味では似ている二人。
仲良くなるのは当然だったんでしょうね。
| なな | 2008/09/25 9:37 AM |
こんばんわ。TBさせていただきました。
読み終えた後、こんなにずしっとくる作品は今までなかったと思いました。
藻屑が「こんな人生は嘘だって。」といった所は本当に切なかったです。
藻屑が自ら選んだ人生ではないのに、なんでこんな辛い目に遭わなければならないのでしょう。
かわいそすぎます。
藻屑がぐびぐびとミネラルウォーターをのむ姿を想像すると、胸が締め付けられます。
| 苗坊 | 2008/09/25 9:47 PM |
苗坊さん、こんばんは。
藻屑の人生を考えると悲しくなりますよね。
子どもは親を選んで産まれて来ること出来ないのに。
| なな | 2008/09/26 9:20 PM |
コメント忘れてました?私・・・。
不思議な読後感でしたね。悲劇なのに、それなのに、どこかラストに救いを感じたんですけど。藻屑はまるで夢の中の女の子みたい、あっという間に消えちゃいましたね。あ、だから人魚なのかしら。
| じゃじゃまま | 2010/10/31 6:42 PM |
じゃじゃままさん、こんばんは。
コメント、全然いいんです。気にしないでください。

悲劇なのに、フワフワとした印象ですよね。
桜庭さんの物語はいつもそんな不思議な読後感です。

| なな | 2010/11/01 10:26 PM |
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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹
装丁・装画は大路浩実(左側)。書き下ろし。 2004年11月刊行の富士見ミステリー文庫(右側)を単行本化。 主人公で語り手の山田な...
| 粋な提案 | 2008/09/24 2:35 AM |
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet 片田舎で13歳の2人の少女が出会った。山田なぎさは父を嵐で亡くし、母と兄との3人暮らし。早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。なぎさの通う中学校に、海野藻屑という不思議な少女が転校してくる。
| 苗坊の読書日記 | 2008/09/25 9:41 PM |
「推定少女」「砂糖菓子の弾丸は打ちぬけない」感想
両方読んで思ったことは、桜庭さんは文章を書くのが凄く上手だということと、読者をぐぐっと小説に引き込ませる力量があるという事でした。
| ポコアポコヤ | 2008/11/16 3:53 PM |
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹著。
≪★★≫ 引きこもりの兄を抱え、女手一つで育ててくれる母。こんな生活をどうにかしたくて、13歳のなぎさは、生きるための実弾を欲している。 そんななぎさのクラスに、言動は意味不明で、全身に痣があって、足を引きずって歩く美少女転校生がやって来た。 彼女の名
| じゃじゃままブックレビュー | 2010/10/25 10:58 PM |
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