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「波打ち際の蛍」島本理生
波打ち際の蛍
波打ち際の蛍
島本 理生
JUGEMテーマ:読書


川本麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い、生きることに臆病になっていた。ある日通院先で植村蛍に出会い、次第に惹かれてゆく。もっと近づきたいのに、身体はそれを拒絶する。フラッシュバックする恐怖と、相反してどうしようもなく動いてしまう心。そんな麻由を受け止めようとする蛍だがーー。

島本さんらしい物語。好きな世界で早く読みたい、でも終わるのがもったいないって思いながらの読書でした。

過去の辛い恋でつまづいてしまった麻由。このままじゃいけない、抜け出したいと願い頑張ってみるが、やっぱり思い出してしまい自信を失う。蛍となら大丈夫なような気がする。だけど蛍が近づいてくると逃げてしまう麻由。そんな麻由を常に暖かく見守る蛍。痛々しくて、危なっかしいんだけど、少しずつかわっていく麻由。
麻由が受けた心の傷。恋人から暴力を受けたのは自分のせいだって考える。そういうものなんでしょうか…そうやって自分がダメだったから、相手に暴力を許してしまったって思うものなのでしょうか。暴力を振るう男が悪いと思うんだけどな。でも、現実はやっぱり抜けられないものなんでしょうね。わかっているけど、でも好きなんですもんね。蛍のことが好きって思った後の「心は蛍を求めているけど、体が言う事をきかない」状態。人間の心って複雑です。

蛍のやさしさがいいです。自分がいけないからと殻にこもろうとする麻由に何度も何度も働きかける。男なので時々自制が効かなくなってしまうこともあるけど、麻由が怖がるとすぐに「ごめんね」って。こんなやさしい男の人ってなかなかいないような気がします。まぁ、蛍にもトラウマがあって、カウンセリングをしていてそこでめぐり合ってるんだから、相手の気持ちを理解することは出来るんだろうなぁとは思ったけど。

お互いが相手を必要としていて、相手がいれば少しだけ強くなれる、遠くへ行ける。そんな二人に幸せが来るといいなって思えるラスト。

麻由をDV恋人から救ってくれた従兄弟さとる君。豪快でいい男です。それと麻由の昔の同僚も。だけどお母さん。親だから心配するのはわかるけど、やる事全て反対だとおもうだけどな〜
| 本:さ行(島本理生) | 21:16 | comments(12) | trackbacks(7) |
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コメント
こんばんは。
大人の男、蛍が好きになれませんでした。
そっと頭に手を置いたりして羨ましすぎる。
それよりもさとる君がぐっとくるいい男でした。
お母さんは何もわかっちゃいませんでしたね。
| しんちゃん | 2008/09/14 7:31 PM |
しんちゃん、こんばんは。
蛍、大人なのかな?どうなんだろう?
って私の方が十分「大人」の年齢なのでそう感じたのかしら…
さとる君、いい男ですよね。
前の恋人が置いて行った化粧品を使う恋人
そんな状況に持ち込めるのはさとる君だからですよね。
| なな | 2008/09/14 8:47 PM |
こんばんは。
傷ついた麻由を支えようとする蛍が、よかったですね。
止めど無く溢れ出る幸福感に泣きそうになりながら、
麻由が
「きっと、寝られない」と言う一言が痛かったです。
さとる君が、いい男でしたから
今度はさとる君の物語を読んでみたいかも、です。
| 藍色 | 2008/09/15 3:01 AM |
藍色さん、こんばんは。
蛍、すごく真剣に麻由に向き合ってましたね。
麻由も少し近づいては大きく後退して…
この先の二人が楽しみです。
でも、なんといってもさとる君でしょ!
島本さんの本には珍しい「いい男」でした。
| なな | 2008/09/15 9:01 PM |
こんばんは。
島本さんらしい、繊細で優しい物語でした。
さとる君、えらいですよね。すごいです。
蛍もいい人だったし、麻由には何にも考えず飛び込め〜って無責任なことを思ってしまいました。それができないから苦しんでるのに…(;_:)

| ちきちき | 2008/09/30 9:30 PM |
ちきちきさん、こんにちは。
島本さんらしい痛さをもった主人公だけど
危ない綱渡りをしながらギリギリ幸せってところにホッとしました。
さとる君がいなかったらどうなっていたことやら…
わかっていても踏み出せない麻由、
もどかしかったですけど、相手をこんな気持ちにさせてしまうDVって本当になくなればいいのに。
| なな | 2008/10/01 12:19 PM |
心に傷を負った麻由に、ゆっくり付き合う蛍。
彼も結構良い男なのかもしれませんね。
さとる君には負けますが。
| エビノート | 2008/10/19 1:24 AM |
エビノートさん、こんばんは。
蛍のように辛抱強く(たまにはついつい…なんて場面もありましたが…)見守ってくれる男の人がいてくれてよかったです。
さとる君は別格ですよね。
いとこじゃなかったらよかったのにね〜
| なな | 2008/10/19 8:58 PM |
こんにちは。
蛍はとてもいい男だとは思うんですが、何か足りないような感じがしました^^;
やっぱりさとる君が素敵です。
お母さんの事は私も同感です。
そんな事言ったらダメ!って思いました^^;
| 苗坊 | 2008/11/01 2:06 PM |
苗坊さん、こんばんは。
蛍、なにか足りませんでしたよね。
お誕生日だってあれはないよ!って感じ。
さとる君が従兄弟じゃなかったらよかったのに。
| なな | 2008/11/01 9:37 PM |
とてもステキな、島本理生らしいお行儀の良い恋愛小説だと思うものの、もうぼくのようなおじさんの読む小説ではないなぁと残念ながら、思いました。蛍のことば、想いはとても共感できるのですが、なかなかこうした男は現実にはいないのですよね。さとる君も同じく・・。
| すの | 2009/02/11 7:02 AM |
すのさん、こんばんは。
あらら、そんな悲しい事言わないで下さい。
気持ち、いつまでも若くね♪
たしかに現実にこんな男はいないのですけどね。
| なな | 2009/02/11 9:37 PM |
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