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「誰よりも美しい妻」井上荒野

誰もが振り返るような美女の園子は音楽家の夫・惣介と小6の息子・深との3人暮らし。美術館のような家、白馬の別荘、趣味で通うバレエ教室。愛してくれる夫。幸せすぎるくらいの暮らしだが、家族の心には「孤独」や「不安」「嫉妬」などが渦巻く。

なんとなく江国香織さんっぽいです。前に「だりあ荘」は江国さんっぽい雰囲気って聞きました。読んでみたいと思いつつ、新刊から先に読んでいて未読です。これは本当に江国さんっぽい。

きちんとコントロールされた生活。夫が生活のすべて、夫を中心として世界が回ってる園子。わがままで、子供。園子に依存しながらも、恋をする事によって園子への気持ちを再確認する惣介。そんな二人だけの世界を作り出す両親を見て育ち、ちょっと大人びている深。そんな三人の心の動きをが丁寧に描かれています。

私は女なのでやはり園子に親近感を覚えながら読んでいました。園子は惣介のことならなんでもわかる。彼の気分、今して欲しいこと、して欲しくないこと、そして夫が恋をしてるかどうかさえも。恋をしてる夫に、夫が連れてくる恋人に全く動じない。それを息子は「怠惰」だと言うんです。そして惣介の親友の広瀬は「痛々しいほど怠惰じゃない、というのは、ある意味で痛々しいほど怠惰なのかもしれない」と言う。「痛々しい」が園子に一番ぴったり来る言葉なのかもしれないです。痛々しいほど忍耐強い。

園子が「もしこの世に本がなかったら、眠れない夜に人は何をすればいいのだろう。本は、もう一つの睡眠だ。本を読んでいる間は本のことしか考えずにすむし、うまくいけば夢だって見られるのだから、眠っているのと同じ事」って思います。そして急性アルコール中毒で病院に運ばれた深のガールフレンドの母親を想い「昏睡するまでアルコールを飲み続けたあの少女の母親が緩やかな方法で自殺を考えていたのと、自分が本を読むのは同じ事」と考えます。ドキっとしました。私もそうなのかもしれない。本は好きだけど、こんなに沢山本を読んでいるのって現実から逃げてしまいたいからなんだって思います。

帯にもありますが、あとがきに「誰よりも美しい妻は、いったい幸せなんだろうか、それとも不幸なんだろうか。」と書いてあります。どうなんだろう?色々恋をしても最後には「妻がすばらしい」と戻ってくる夫。二人の間で完結してしまってる夫婦の間には息子でさえ入り込む余地がない。ゆるぎない関係。幸せなんじゃないかなぁ。私は忍耐強くないので、そういう幸せ手放してしまったもんなぁ。
| 本:あ行(井上荒野) | 22:35 | comments(10) | trackbacks(4) |
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コメント
読んだよ!
緊張したー。
静かな生活がどこかでぼろぼろに崩れるんじゃないかと言う
恐怖を持って読んでしまった。

惣介を差し出して、惣介を助けてほしいと祈るのが、
園子自身が園子を生贄として差し出していると感じている
みちるとすごく近くて、
みちるもかなり察しのいい人なんだろうなと感心しちゃった。
| ゆうき | 2006/03/10 12:11 PM |
ゆうき、私ももしかしたらこの生活が壊れてるって道もあるのか?ってドキドキしながら読んだよ。
そして、読書してる自分の家、家族とのギャップにがっくり。コントロールされた生活が羨ましかったわ。

最後のほうの「生贄」の感覚は私にはわからなかったわ。
| なな | 2006/03/10 9:29 PM |
こんにちは。ななさん。
TBさせていただきました。
なんとなく耐えられない生活を送らなければいけないような気がして、この夫は私には理解できませんでした(苦笑)
| ゆう | 2006/04/04 5:58 PM |
ゆうさん、こんばんは。
こんな夫は耐えられないけど、園子のしずかな生活に憧れる私。しずかな生活をする園子の話を読む私は、「ほら!喧嘩しない!」「おもちゃ片付けて!」って怒鳴ってばかりでしたから…
| なな | 2006/04/04 8:41 PM |
わはは!思わず笑ってしまいました。

>「ほら!喧嘩しない!」「おもちゃ片付けて!」

これって、私の口癖かも・・・です(笑)

きっと私と同じような環境で本を読んでられたりするんでしょうね。
| ゆう | 2006/04/04 8:54 PM |
ゆうさん、どこも一緒なんですね。
ホッとしました。
よれば喧嘩して、だけどひとりがいないと寂しそう。
おもちゃの部屋(子供部屋ですが)あるのに、おもちゃをリビングに運んでは遊び、運んでは遊びで片付ける事はしない。「片付けないなら捨てちゃうよ!」もよく使うセリフです。
| なな | 2006/04/04 9:11 PM |
こんばんは。
誰よりも美しい妻は、どこで精神的なバランスを
保っているのでしょうか。(読書、バレエ?)
こういう環境で生活している人たちもいるんだろう
なー、美術館のような家。
| モンガ | 2006/09/04 6:48 PM |
モンガさん、こんばんは。

誰よりも美しい妻は自分が周りから見たら
「美しい妻」だって知っているんです。
だから、夫は自分のところからいなくなるはずがない!っ手自信がある。そんな気がします。

美術館のような家、憧れます。
実際に住んだら居心地悪そうですけどね。
| なな | 2006/09/04 10:09 PM |
美しい妻は、掃除にはあまり情熱を燃やさないんでしたっけ?それに救われたんですが、家が美術館のような・・でしたね。
こういう生活、あまりにも別世界で実はちょっと憧れます。たぶん何日ももたないでしょうが・・。

本を読むことについては、私もドキッとしました。恋のかわりに本、旅のかわりに本・・なんだか悲しくなってきました。
| june | 2006/09/14 3:30 PM |
juneさん、こんばんは。

子供のおもちゃも、喧嘩する声も、ましてや親の怒鳴り声もない。そんな秩序だった家。羨ましいです。
そんな中で読書したい。逃避だっていいんです。
| なな | 2006/09/14 11:49 PM |
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