自己破産した男、片思い中の中学生、行き遅れた中年女性──ここ「ともしびマーケット」で、いろいろな人生が重なり合う。それぞれの「いい日」を夢見て。
講談社の「かきおろし100冊」なんですね。新人賞受賞後2005年に書いたもので、朝倉さんにとって「すごく、すごく、大事なのだ」だそう。繰り返しおっしゃってます。
ともしびマーケット鳥居前店で働く人、買い物する人、ブラブラする人。そんな人たちの日常が書かれています。同じようにマーケットが舞台の短編集といえば野中柊さんの
「マルシェ・アンジュール」がありましたが、あちらが高級スーパーで物語りもなにやらオシャレだったのですが、こちらは庶民的なスーパー。あちらがシャンパンならこちらは日本酒。そんな感じ。もちろんどちらも好きです。
まずはネスカフェを赤ちゃんのように抱えてる月足さん。加藤シズクちゃんのおばさんで、明田まひろさんと門田さんのお隣さん。リュックサックの事をルックサックって言うし、ノートは帳面。ボランティアはなぜか「ン」がついてボランティアン。ネスカフェは嬉しいことがあった日に買って、十本たまるとボランティアンとして老人ホームに送るそう。世界各地を旅行した夫は亡くなり、息子は嫁に取られた。そんな月足さんが一番お気に入りでした。
「その夜がきて」で夫と息子が寝た後に買い物に行く主婦。うちも週末は夫と息子達が8時過ぎには寝てしまい、それから一人の自由な時間。買い忘れたものを買いにスーパーにいって、こんなゆかいな人たちとジンギスカン鍋を出来たら楽しそうだなぁって思いました。
⇒ 数(自然数)は、幽霊である。 (11/17)
⇒ 式神自然数 (10/21)
⇒ アスラン (04/07)
⇒ 脱皮中 (11/10)
⇒ 三角点 (10/20)
⇒ 鶯張り (10/02)
⇒ ゆっぴ (09/26)
⇒ かぶの入門 (06/12)
⇒ 由紀 (03/16)
⇒ 秋緒 (02/02)