青年のための読書クラブ
桜庭 一樹
東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。校庭の隅に忘れられたようにたたずむレンガ造りの建物。その3階にある「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の「クラブ誌」があった。そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた。
不思議な雰囲気の物語でした。中学から女子校に通っていた私。確かに「王子様」はいました。ヴァレンタインデーにはケーキに手編みのセーターだとか、文化祭の後「一緒に写真撮ってください」とか、交換日記を下駄箱に…とかね。だけど、この聖マリアナ学園の生徒達に違和感感じっぱなしです。生徒会やら演劇部、写真部などがきっちりと役割を担っていて、毎年王子様を決める。恋愛に憧れつつも「現実の男には強い嫌悪感を抱いていた。彼らからはやはり、異臭がした」ですって。読書クラブの人たちにいたっては仲間同士では「ぼく」を自称し、女言葉はなし。あぁ、不思議。本当にお嬢様学校なのか???
物語は1968年から始まり過去に未来に、100年の時が過ぎます。一番好きだったのは第2章「聖マリアナ失踪事件」かな。ジプシーの予言がこういうことになろうとは…
登場人物のネーミングがすごいです。時雨さんだとか十五夜さん、永遠とかいて「とわ」さんとか。そういえば「赤朽葉家の伝説」もすごい名前オンパレードでした。桜庭さん、そういうのがお好きなのかしら。
⇒ 数(自然数)は、幽霊である。 (11/17)
⇒ 式神自然数 (10/21)
⇒ アスラン (04/07)
⇒ 脱皮中 (11/10)
⇒ 三角点 (10/20)
⇒ 鶯張り (10/02)
⇒ ゆっぴ (09/26)
⇒ かぶの入門 (06/12)
⇒ 由紀 (03/16)
⇒ 秋緒 (02/02)