書店で真剣に本を選ぶ美しい女性―まるで絵画のような光景に見とれた川端直幸。友人の紹介でその女性・高野秋と偶然にも知り合う。やがて始まるふたりの交際。関係が深まる一方で、秋にちらつく深い闇は消えない。そして、ついにその正体が分かる時がやってくるのだが…。
図書館で借りたのに、返却日が着てしまい一度返しました。結構長いこと待ってしまった。
川端直幸は書店で見かけた女性から目が離せなかった。まるで絵画のように美しい姿の彼女。しかし一つだけ、気に掛かることがあった。本に伸ばすその左腕に何故か二つしていたのだ。という所から始まる連作短編集。その腕時計を二つしていた女性が、友人と同じ会社で働く高野秋だと知り、友人達の紹介によって付き合うことになる。それから二人で、4人で会った時に起こる色々な出来事を直幸が推理していく。
両親が「幸せに向ってまっすぐ進め」と願いつけられた「直幸」名前の通り本当にまっすぐに進んでいる男の人。友人黒田の彼女・千草も「川端さんの前に立つと、自分がいかに歪んでいるかを見せられてしまう」というくらい、まっすぐな人間。なんだかいいなぁって思います。
そんな直幸と付き合い始めた秋。時計を二つしていた理由は5年前の何かだということは知っているが、それが何なのかはわからない。普段は朗らかなのに時々見える心の闇。それがわかるのが最後の物語です。
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