降りしきる雨よ、願わくば、僕らの罪のすべてを洗い流してくれ――。
すべては雨のせいだった。雨がすべてを狂わせた。血のつながらない親と暮らす二組の兄弟は、それぞれに悩みを抱え、死の疑惑と戦っていた。些細な勘違いと思い込みが、新たな悪意を引き寄せ、二組の兄弟を交錯させる。両親の死の真実はどこに? すべての疑念と罪を呑み込んで、いま未曾有の台風が訪れる。
道尾さんが続きました。5月に出ていたのにうっかり見落としていて、長い長い予約待ち。今回もひき込まれました。
「養父を殺害しようと計画している子」と「実母を殺害したのは、養母と疑う子」二組の兄弟はそれぞれ実の両親を亡くし、義理の親と暮らしています。
19歳の蓮と中学3年生の楓は養父である男と暮らしている。父親は昔家を出て行き、母が再婚した矢先に交通事故で亡くなった。義父は一時は蓮や楓に手をあげ、いまは部屋に引きこもり、働かない。ある日、楓が制服のスカートが汚されたというのだ。外ではなく家の中で…。
中2の辰也と小5の圭介の母親は心臓が悪く、2年前家族で行った海で亡くなった。その海の家で働いていた里江は以前父と同じ会社で働いていて、母の死後父親と結婚。父は癌が発見された時には手遅れで、あっけなく亡くなった。里江が働き二人の面倒を見てくれているが、辰也は母を殺したのが里江だといい里江を困らせることばかりしている。
そんな二組の兄弟の思いを蓮と圭介が語ります。
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