ステップファザー・ステップ
宮部 みゆき
両親がそれぞれ駆け落ちしてしまい、二人っきりで暮らしていた13歳の双子の家に落ちてきたのはプロの泥棒だった。お互いの利害関係が一致して「お父さん」となり、双子が困った時に時々呼ばれる事になった。7つの短編。
いつかかれた物語なんだろう?って思ったら1993年でした。携帯もネットも出てこない。懐かしい世界です。
「お父さん」はプロの泥棒。契約を結んでいる柳瀬の親父から埼玉県の新興住宅地「今出新町」で一人暮らしをする女の人の情報をもらい、盗みに入ろうとした。突然の嵐にあい、屋根から落下した先は13歳の一卵性双生児が二人だけで住む家だった。看病してもらい、指紋を取られ「お父さん」となることを強要される。
お神酒どっくりみたいにそっくりな双子の直と哲は両親がそれぞれ駆け落ちをしてしまい、1年間二人だけで暮らしていた。二人の暮らしは快適だが、両親がずっと不在だと周りから不審に思われるし、ローンの引き落としや生活費などが心もとなくなってきていた。そんな所にふってきた泥棒。これは利用しない訳にはいかない。
35歳で独身の「お父さん」最初は子どもの存在にいらだったり、戸惑ったりしているのに、少しずつ二人の存在が心の中で大きくなる。そして、両親が帰ってきたときに自分の居場所がなくなる事をイヤだと思ってる自分に気がついて距離を置こうとする。だけどできない。「男は女にはなれないし、女は男にはなれない。だから残酷な事が出来る。だけど、誰でも必ず一度は子どもだったから子どもに残酷な仕打ちはできない」って言うのがなるほどなぁって思った。
⇒ 数(自然数)は、幽霊である。 (11/17)
⇒ 式神自然数 (10/21)
⇒ アスラン (04/07)
⇒ 脱皮中 (11/10)
⇒ 三角点 (10/20)
⇒ 鶯張り (10/02)
⇒ ゆっぴ (09/26)
⇒ かぶの入門 (06/12)
⇒ 由紀 (03/16)
⇒ 秋緒 (02/02)