月と菓子パン
石田 千
「酔って言いたい夜もある」で角田さんとの対談で「テレビを見ない。読書もしない」と言ってた。エッセイって読みますがほとんどが作家の方が書くエッセイ。石田さんは「エッセイスト」なんです。ほーこんな職業があるのかって思いました。
歩きながらパンを食べる、近所の豆腐屋をその日の気分で使い分ける、おでんやのおでんにならって1日がかりで自分でも透明スープのおでんを作ってみる、おばあさんのためにカレーを作る。石田さん、生活が安定してるっていうのかブレがないというのか、自分をしっかり持っている人なんだって感じがしました。同い年の私は時間に追われ、日々ゆれ続けてる。羨ましいです。
お酒の話がよく出てきます。「カラスの行水」でトロンボーンを吹きに川原に行く話しがあります。
「ラッパを吹く時に泡気のある飲み物はよくないが、川原に行くのに飲まないわけにはいかない」ってあります。石田さん相当なお酒好きですね。気持ちよくわかります。そしてこの本を読んでる私も「飲まないわけにはいかない」気持ちになります。
読んだ後、何とも言えぬ温かさと何故かほんの少しの寂しさを感じる一冊。表紙の絵もとてもかわいい。山本容子画だそうです。
⇒ 数(自然数)は、幽霊である。 (11/17)
⇒ 式神自然数 (10/21)
⇒ アスラン (04/07)
⇒ 脱皮中 (11/10)
⇒ 三角点 (10/20)
⇒ 鶯張り (10/02)
⇒ ゆっぴ (09/26)
⇒ かぶの入門 (06/12)
⇒ 由紀 (03/16)
⇒ 秋緒 (02/02)