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「昼咲月見草」野中柊
野中 柊
河出書房新社
(2010-10-15)

JUGEMテーマ:読書


女同士の友情と連帯、せつない恋、禍々しい関係、淡い想い、忘れられない痛み。植物にちなんだ珠玉の連作集。

野中さん、久しぶりのような気がします。

恋愛話なんだけど、それ以外の日常の中にポツリと忘れられない思いや、切なさなんかが滲み出ていて、元気な時に読んだらいいんだろうけど、心が弱っていたので一緒に切なくなっちゃったりしました。ちょっと辛い読書時間だったかな。

パラパラと読み返してみたら、女友達との何も語らなくても十分にお互いを理解できる素敵な時間がいっぱい書いてあって「あぁ、完全に読むタイミングを間違えた」って思いました。
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| 本:な行(野中柊) | 22:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
「シュガー&スパイス」野中柊
野中 柊
角川書店(角川グループパブリッシング)
(2009-10-30)

JUGEMテーマ:読書


ケーキがなによりも大好き!洋菓子店パティスリー・ルージュに職を得た晴香、21歳。天才パティシエ・柳原雅也のもとで、見習い仲間・近藤くんと共に修業に励む日々。

美味しそうなお菓子と音楽。読みながら何か食べたくなって仕方ない本でした。お店でかけている音楽がどれも知らない曲ばかりだったのが、少し残念。

都会のマンションの一室で隠れ家風に営まれるパティスリー・ルージュ。シェフ・パティシエは頬に傷を持ち、過去が謎めいている柳原雅也。オーナーは女優で柳原の恋人の紅子。見習いパティシエの晴香は同僚の近藤君とともに働きながら、柳原さんへの憧れとも恋ともつかない想いを抱いている。
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| 本:な行(野中柊) | 22:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
「マルシェ・アンジュール」野中柊
マルシェ・アンジュール
マルシェ・アンジュール
野中 柊
JUGEMテーマ:読書


24時間営業の高級スーパーマーケット“マルシェ・アンジュール”。色鮮やかな果物や野菜、旬の魚介類と様々な輸入食品、色々な種類のパスタ。居心地のいいデリカッセン。店を巡り描かれる小さな出会いや恋。愛すべき人間模様を描いた6つの短篇集。

まるで外国に来たかのような「マルシェ・アンジュール。普通のスーパーにはない品揃えだから、特別なものを買ったり、ブラリと立ち寄って棚に並んでいるものを見たり、デリカッセンでお茶をしたり。そんな素敵な場所が近所にあったらいいのにな。

「記憶」で主人公の瑠璃子が友人に彼が出て行ったことを言えずにいます。「…すぐに早智子に打ち明ける気持ちにはなれなかった。口に出して、だれかに伝えた途端に、それが拭いようのない現実になってしまうのを。おそれていたのかもしれない。」という文章。すごく印象的だった。たしかにそうなんです。すごく、すごく悲しい事って誰かに人に言ったら「もしかしたら…」って希望がなくなっちゃうような気がして、誰にもいえなかったりするんです。
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| 本:な行(野中柊) | 22:36 | comments(8) | trackbacks(4) |
「その向こう側」野中柊
その向こう側
その向こう側
野中 柊

父親のいない家で育った鈴子は、母の長年の恋人だった敏史さんから母と結婚することにしたと告げられた。そんな時見かけた横浜の古い洋館。「こんなところに住みたい」という鈴子のお願いに答える敏史さん。洋館のオーナー・真希子さんは、美人でミステリアスな大人の女性。

わ〜。最近の野中さんの本、好きだなぁ。物語の持っている雰囲気が柔らかで、気だるくて。登場人物がゆったりと生活している。ずっとこの世界に浸っていたい、そう思う本ばかりです。
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| 本:な行(野中柊) | 20:08 | comments(4) | trackbacks(3) |
「プリズム」野中柊
プリズム
プリズム
野中 柊

主人公の波子は33歳、週3回薬剤師としてパートしている。夫は37歳の病院勤務の外科医。母親は波子が小さい頃好きな人が出来て家を出て行き、父親は波子が13歳の時に、波子より13歳年上の香奈枝ちゃんと再婚、そしてすぐに波子の妹・梨香が生まれた。3人の年の差はちょうど13歳。一方、母親は好きになった人と再婚していて、8歳年下の弟・圭吾がいる。母が亡くなり、形見分けのため母の再婚相手宮野さんの家に行くところから物語が始まる。

波子が恋する相手は夫の親友・高槻。結婚前から夫と高槻とその妻とで食事に行ってたが、ある夜トイレの前ですれ違った時突然キスをされる。その事は意識して忘れようとしていたのに、高槻が離婚し、熱を出したといって波子の家に泊まった日にキスをし、二人の関係が始まった。

表紙がとても綺麗。野中さんの本は「読む」と決めているので、内容を知らずに借りてきました。「夫を愛してなかったら、あの人にも出会わなかった。悪いことはしてない。愛する人がもう一人できただけ。」ですって。すっかり入り込んでしまいました。
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| 本:な行(野中柊) | 22:41 | comments(4) | trackbacks(4) |
「このベッドのうえ」野中柊
このベッドのうえ
このベッドのうえ
野中 柊

春から始まり次の春まで。季節を巡る8つの恋愛短編。

恋人がいて、昔の彼を思い出だす。姉の恋人だった人に感じる兄弟のような親近感。姉の友達だった人に寄せる淡い気持ち。出てくる人たちはみんな誰かに対する「恋しい」気持ちを持っています。それが別れた人だったり、今そこにいる人だったり。「恋」することの楽しさ、せつなさ、愛おしい気持ち、喪失感…読んでいると、どの人のどの気持ちにもシンクロ出来る気がする。読みながら今まで自分が経験してきた「恋する気持ち」を思い出してみたり。

恋愛って楽しいことばかりじゃなくて、好きだから辛い事、寂しい時もあるんだよなぁって、しみじみと感じました。8つの短編。眠る前にチビチビと読みたい。そんな本でした。

そして野中柊さんの本って、内容を忘れちゃっても物語のどこかのシーンが強く印象に残るんです。なんでだろう?今回の短編集もきっと何かの物語のどこかのシーンが影像となって頭の中に残るんだろうなぁ。そして何かの拍子に思い出すんです。それが結構楽しみなんです。

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| 本:な行(野中柊) | 18:25 | comments(12) | trackbacks(7) |
「きらめくジャンクフード」野中柊
きらめくジャンクフード
きらめくジャンクフード
野中 柊

ハンバーガーにドーナツ、ポテトチップス…ジャンクフードを中心に、野中さんが好きな食べ物にまつわる事を書いたエッセイ集。

野中さんの描く食べ物がどれもこれも美味しそう!夜読んではいけない本です。そういえば、野中さんの小説の中の食べ物もいつも印象的です。

ジャンクフードといえばポテトチップスにハンバーガーにチョコチップクッキーとアメリカのものが多いんでしょうか?野中さんのアメリカ時代の事について書かれています。初期の頃の本のような空気が流れていて、なんだか懐かしかったです。

ご馳走様でした!!!!
| 本:な行(野中柊) | 21:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
「祝福」野中柊
祝福
祝福
野中 柊

6つの恋の物語。松尾たいこさんの表紙もステキ。

「セカンドハウス」の夏の昼寝から起きた夕暮れ時。「銀の糸」の夫が出かけていった後に猫と眺める金魚の泳ぐ水槽。「祝福」の夜中に忍び込む植物園の栄養たっぷりの空気。そんな景色がすごく心地よかった。

「遊園地」だけちょっと物語から流れてくる気配が違うなって思ってたら、雑誌に載ったのが他の作品は「野生時代」、それだけ「小説現代」でした。


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| 本:な行(野中柊) | 20:57 | comments(8) | trackbacks(4) |
「きみの歌が聞きたい」野中柊
きみの歌が聞きたい
きみの歌が聞きたい
野中 柊


天然石のアクセサリーブランドを立ち上げて2年が経つ絵梨と美和。主にデザインを担当する絵梨と事務関係を取り仕切る美和。二人は30年来の幼馴染。絵梨、美和と絵梨が昔拾ってきた十代の男の子ミチルの物語。


「月の石」「アクアマリン」「赤瑪瑙」「クレソプレーズ」「真珠」5つの章、視点がそれぞれ美和、ミチル、絵梨、ミチル、美和とかわっていきます。物語の始まりがすごく好きです。何の説明もなく始まる物語。出だしを読んだ時、なんだか映画を見るみたいにワクワクしました。

母親に捨てられ、自分の感情のままに毎日を楽しむ絵梨。決められたとおりに生活し、夫の浮気に気がつきながらも、自分が決めた予定通りに動く美和。かつて絵梨の恋人で、今は週に1度木曜日に美和と寝る、帰る場所のないミチル。そんな3人の悲しみや弱さが、まるで透明な深い海のようなイメージ。上から見たらすごく綺麗なんだけど、深くて寒くて暗い。

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| 本:な行(野中柊) | 21:25 | comments(4) | trackbacks(5) |
「小春日和」野中柊
小春日和
野中 柊

逗子に住む小学校2年生の双子、小春と日和。映画好きの母親の影響でタップダンスを習い始め、CM出演のチャンスをつかむ。

最初に「ふたりがふたごだということを気にしないで生きていけるように」とあるので、双子が似ているだけに辛い思いをする物語なのかと思いましたが、そうじゃなかった。堅実な父、ミーハーな母。いつもボーイフレンドの所に行ってる祖母とそのボーイフレンド。新しく生まれてくる弟。子供である事の幸せや不安。家族のそれぞれの立場。タップを始めてからの出来事が丁寧に書かれてます。まさに小春日和の一日って感じです。


双子が77年の早生まれ。私より1年先輩なんです。だから小学生のときの懐かしい雰囲気が出てるかって思ったんだけど、出てくる歌手が「ザ・ピーナッツ」。私にとっては、ただの化粧の濃い双子のおばさんってイメージだったので(とはいっても、解散当時は34歳で今の私より年下)なんだか共感する部分が少なかったです。

小学生のときに、いつも一緒でどんな事でも分かち合える人がいたら心強そうです。「双子だったらよかったのになぁ」とどうにもならない事を考えてみる。本の影響なのか心が子供に戻ってます。
| 本:な行(野中柊) | 19:19 | comments(0) | trackbacks(1) |
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