小生物語
乙一
乙一さんがHPで公開していた日記をまとめたもの。
日記といっても、登場人物の「小生」と乙一さん本人ではなく、日記を書くにあたって「小生」というキャラクターを作ったと書いてあった。多分「渋谷に行った」とか「漫画喫茶に泊まった」とか「映画を見に行った」などは実際にした事で、それを「小生」から見ると…って事なんだと思う。
それにしても、すごいです。独特のユーモアにずっとニヤニヤしっぱなし。どれくらい可笑しいかっていうと
「2月14日 …とある編集者からチョコレートが送られてきた。箱が素敵だったので捨てずに宝石箱か何かにしようと思った。しかしぼくは宝石など持っていないので、コレクションしている「切ったつめ」を入れた」
「3月5日 今日もまた「こんなことしている場合じゃないのに」の練習をした。いつにもまして熱のこもった「こんなことしている場合じゃないのに」だった。それからひさしぶりに「少しだけの仮眠のはずだったのに」をやろうとしが。90分の仮眠をとろうとしたらうっかり8時間も眠った。自分もなかなか「少しだけの仮眠のはずだったのに」が上達したなと思った。」
ずっとこんな調子なのです。それなのにまえがきで「この本を読んでも良いことはひとつもな。この本に時間とお金を割くのはやめたほうがいい。」って書いてます。乙一さん遠慮深いわ。
力の抜けた文章。時々見せる本心(って勝手に解釈)。本になるときに付け加えた欄外の注釈でもいい味出してます。
「バリー・ユアグローの「ケータイ・ストーリーズ」を思い出しました。短い文章の中にある不思議な世界もそうなんだけど、挿絵が似てる。この本の挿絵は華鼓という方が書いているみたいです。「ケータイ・ストーリー」の挿絵も素敵でした。調べてみないと。
今年の夏は乙一フェアー開催中
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