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「コトリトマラズ」栗田有起
評価:
栗田 有起
集英社
¥ 1,575
(2010-03)

JUGEMテーマ:読書


勤務先の社長と密かに付きあう華。彼の妻の入院で、ふたりの関係は変化する。そんな華が思い起こすのは「母が死体にキスをした」遠い日の記憶。老いゆく母にも秘められた物語があったのかもしれない。揺れる心を細やかに描く恋愛小説。

栗田さんの本、久しぶり。楽しみにしていたのに、図書館の次の予約が入っていないのをいいことに2週間延長して、さらに返却期限過ぎて慌てて読みました。

主人公の華は小さなインテリアデザイン会社で働いていて、社長と不倫の関係。入社してすぐに社長とそうなることは当然のことであるように思えたし、出合ったのは運命だったと思って4年が過ぎた。ところが、会社の上役で社長の妻が入院した事により、社長と華の関係は変化する。
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| 本:か行(栗田有起) | 21:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
「蟋蟀」栗田有起
蟋蟀
蟋蟀
栗田 有起
JUGEMテーマ:読書


生き物をモチーフにした10の短編。おとぎ話ではありません。位相を変えて眺めれば、人間の真実が透けて見える。可笑しくて、そして悲しくもある不思議な世界。

久しぶりの栗田さん。「生き物をモチーフにした」とあるけど、どうかな…タイトルに一応生き物の名前が入ってるけど、だからと言って生き物がメインの物語じゃないかな。

普通に物語が進んでいるのに、油断してるうちに「ずれた」場所に入り込んでいて、落ち着くまもなく物語が打ち切り。そんな印象。どの物語も唐突に終わるんだけど、それが全然嫌じゃないのが不思議です。

「鮫島夫人」のような結婚、ありだとおもう。お互いの利害関係が一致していて、恋愛話も出来る関係って素敵なんじゃないかなぁ。別れなきゃよかったのに。そして「蟋蟀」タマコばあちゃんがかっこいいんだ。そして今日子はきっとタマコみたいになるんだろうなぁって思いました。

蟋蟀(こおろぎ)ってずいぶんと難しい字なんだなぁ。この本のおかげで読めるようになったけど、だけど絶対に書けない!書く必要もないんだけども〜
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| 本:か行(栗田有起) | 21:58 | comments(8) | trackbacks(5) |
「オテルモル」栗田有起
オテルモル
オテルモル
栗田 有起
JUGEMテーマ:読書


「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」その会員制ビジネスホテルのフロントで働く事になった希里。採用された理由は「睡眠顔」だから。勤務時間は日没から日の出まで。地下にあるその不思議な会員制ホテルで彼女は…。

栗田さんの本、1冊だけ未読でした。好きな作家さんの初期の作品1冊だけ未読っていうのが、なぜか多いんです。アンソロジーで読むことはあっても、最近本を出していないのかしら。随分久しぶりの栗田さんの世界でした。

やっぱり栗田さんの世界だ。おもしろいです。会員制ビジネスホテル「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」日没からチェックインが始まり、日の出までにはチェックアウトをしなければいけない。最高の眠り、最良の夢を提供するオテルの会員になれるのは真に眠りを必要としている人だけ。客室係の外山さんは「わたしたちは一致団結して、安眠・快眠をつかまなければなりません!」といいます。
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| 本:か行(栗田有起) | 21:34 | comments(4) | trackbacks(3) |
「マルコの夢」栗田有起
マルコの夢
栗田 有起
就職活動に失敗した一馬は、フランスで事業を営む姉に誘われフランスへ。キノコを配達に行った三ツ星レストラン「ル・コント・ブルー」でキノコ係に任命された彼。そこは「マルコポーロの山隠れ」というキノコ料理で名を馳せる高級レストラン。ある日オーナーに呼ばれ「マルコの在庫が1か月分しかない。原産地である日本でマルコを探して欲しい」と頼まれる。マルコとは?マルコと家族の関係とは?

またもや不思議な栗田ワールド。だけどこの間読んだ「酔って言いたい夜もある」で、栗田さんは「妄想するのが大好き」っておっしゃってた。きっと頭の中にある物語のひとつなんだろうなぁ。この対談の中に「母を訪ねて三千里」が子供の頃から大好きだったって書いてありました。だから、タイトルを見てから私の頭の中には「母を訪ねて三千里」のテーマソングが流れていました。パリから日本に探しに行く一馬が「マルコよマルコ、おおマルコ〜」と言う場面。やっぱりちょっと意識してるよね?

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| 本:か行(栗田有起) | 21:20 | comments(2) | trackbacks(2) |
「ハミザベス」栗田有起
ハミザベス
ハミザベス
栗田 有起


「ハミザベス」と「豆姉妹」の2つの話。表紙の絵、江国香織さんの「ホテルカクタス」を思い出した。調べてみたら両方とも佐々木敦子さんが描いた絵だった。一つの繭に一緒にくるまれる母と娘、一つさやに納まる豆のような姉妹。一心同体の二人が離れて相手を見つめ、自分を見つめる物語。

栗田さんのお話、「コイノカオリ」に入ってるのと続けて3つ読んだわけですが、独特の雰囲気が流れている。普通の会社に勤める人なんていうのは出てこなくて、SMの女王だったり、マッサージをする人だったり。ちょっと普通じゃないのに、その状況をいつも前向きに受け止めている登場人物たち。

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| 本:か行(栗田有起) | 22:51 | comments(2) | trackbacks(1) |
「お縫い子テルミー」栗田有起
お縫い子テルミー
お縫い子テルミー
栗田 有起

「お縫い子テルミー」
祖母、母親と居候生活をしていた南の島から出てきたテルミー。歌舞伎町のキャバレーで出会った歌手シナイちゃんに恋をし、シナイちゃんの家に居候させてもらい、彼への押さえ切れない思いから服を縫う。そして彼の元を去る。

「一針入魂お縫い子テルミー」と書いた名刺をもって流しの仕立て屋をしているテルミー。凄い発想です。祖母から受け継がれた「家訓」を支えに、自分のシナイちゃんに対する気持ちを冷静に分析。南の島で居候生活しているときから夜自分の布団に入ってくる家主を拒む事もせず、人生あるがままを受け入れる。初めて読んだ作家さんなんですが、よしもとばななさん風だなぁと思いました。

「ABARE・DAICO」
五年生の小松誠二。父と母は別居中で仕事をしている母のかわりに家事をするしっかりもの。親友の水尾和良(オッチン)は何でも知っていて僕の憧れ。いつかオッチンに「すごい」って言わせて見たい。夏休み、無くしてしまった体操着を自分で買う為に「留守番」のアルバイトを思いつき、スーパーの掲示板に張り紙を出す。

「お縫い子テルミー」より面白かった。きっちり家事をこなし、けなげに家の経済状態まで心配する。警察が来て自分が下着泥棒の疑いをかけられた時にも、何も言わず一人で悩んでいる姿がいとおしい。ABARE・DAICOがユニット名でピンポンダッシュならぬ、ピンポンう○こをするというあたりは大好き。ニヤニヤしながら読みました。そしてラストは少し大人になってズバっと父親に意見して、かっこよかった。すがすがしい物語。そして母親の子育てに「力抜きすぎ」の態度が笑えます。1ヶ月に一度Mサイズの卵が特売の日に、子供に学校休ませて4回もスーパーに通わせる。職場から海外の通販カタログZ(しかも前シーズンのもの)をもらって来て眺めるのが趣味。私もこんないい加減な母になって、誠二のような子の作る料理を食べたい。うちの子達には無理かな…
| 本:か行(栗田有起) | 10:36 | comments(0) | trackbacks(2) |
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