ゆっくりと遠ざかり始める、夏休みの記憶と、君。淡く切ない、おさななじみとの恋…。表題作をはじめ、全6編を収録。「おさななじみとの恋」をテーマにした、ほろ苦くて美しい最新短編集。初出「Feel Love」
幼馴染との恋です。まだ異性として意識しないで毎日一緒にいた「あの頃」があって、異性として意識して距離を置いてしまった中学時代。そして今がある。ううう。なんだかいいなぁ。大人になった幼馴染のちょっとした仕草に昔をかさねてみたりするのってかいいなぁ。幼馴染と呼べる男の子がいないので、すごく羨ましいなぁって思いながら読みました。
「好き」って思っているんだけど、だけど幼馴染だから「好き」って素直に表現できない。それが恋なのか慣れてるからなのか、自分でもよくわからない。大人になって他人に辛い気持ちを見せないようにしていても、子供の頃の自分を知っている幼馴染にはふと気を許してしまう。泣いてしまう。
「遠回りもまだ途中」で彼のリクエストに答えるべく、家でエビフライの練習をしている有里。と、そこに岬がお父さんに連れられてやってきてエビフライを食べる。彼氏よりも先に自分が始めて作った手料理を食べた岬。クリスマスイブの練習だと聞いて「おれが先に食べてごめん」という岬。そしてイブの日、そんな岬の言葉を彼の部屋で思い出す有里。もどかしい二人です。
豊島さんの描く物語、やっぱりいいなぁって思いました。
⇒ 数(自然数)は、幽霊である。 (11/17)
⇒ 式神自然数 (10/21)
⇒ アスラン (04/07)
⇒ 脱皮中 (11/10)
⇒ 三角点 (10/20)
⇒ 鶯張り (10/02)
⇒ ゆっぴ (09/26)
⇒ かぶの入門 (06/12)
⇒ 由紀 (03/16)
⇒ 秋緒 (02/02)