謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。
角田さん、すごい。
新宿の翡翠飯店。一緒に暮らす祖父と祖母、父と母、仕事を辞めた良嗣と無職の叔父。姉は妊娠して戻ってきた。兄はどこかに行って行方が分からない。そして祖父が死んだ。しかし何事もなかったかのように流されてゆく我が藤代家。どうにも違和感を感じる良嗣は「帰りたい」とつぶやいた祖母に、満州へ行こうと誘う。祖母は戦争の時に満州にいたのだ。やる気のない叔父と祖母と三人で大連へ。現代と祖母の思い出が交互に語られる。満州へ渡りそして祖父と出会った祖母。そして戦争へ。引き上げへ。祖母の人生を振り返りながらそして父の人生を振り返りながら読むある家族の歴史。
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