昭和63年。ゲーム機賭博で数億円の荒稼ぎをしていた赤坂の喫茶店経営・石山詩子が、常習賭博の現行犯で逮捕された。
フリーライターの蒲田は拘置所で詩子と面会する。旧友で亡くなった刑事の寺本から「あの人のことを頼む」と懇願されていた。家庭を壊し、刑事という立場も顧みずして死の直前まで意識野にのぼらせ続けた女は、一方、寺本のことなどまったく意に介す様子を見せなかった。
腑に落ちない蒲田は詩子の娘で小学生の音子に会い「自分の本当の父親を探してくれ」と依頼される。
巻き込まれるように蒲田は各界の大物たちと会う羽目になり、詩子との不可思議な関係を目の当たりにしていく。
年号が改まった平成元年。獄中にいた詩子は、ある計画を実行に移す――。
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